鑑賞映画レビュー 2025年5月分
2025年から「mixi2」にて鑑賞映画のレビューを再開させました。
当ブログでは、それを一か月分まとめて上げ直していきます。
訂正箇所に関しては、赤太字にて表示しております。
「中西太 背番号6」(⭐︎⭐︎)
実は野村克也よりも前に「選手兼監督」をやっていた、
中西太の1964年6月7日の試合を通して、彼の半生を掘り下げよう、
というドキュメンタリー。
前年優勝してることを考えれば、
「話題の人を取り上げてみよう」的なノリだったのかも。
出自が複雑で実家も貧乏と、内容はありがち。
「サラブレッド-わが愛- 大障碍の記録」(⭐︎⭐︎⭐︎)
オールド競馬ファンには、寺山修司の競馬好きはつとに有名だが、
そんな彼が1964年中山大障害(秋)の表と裏をドキュメンタリー化。
当時の撮影環境から考えれば、
かなり頑張って撮ってる(ように思える)し、
「競馬浪漫派」と言われる寺山修司らしさ爆発!
「勝敗 第一部&第二部」(⭐︎⭐︎⭐︎)
大スターに事欠かない将棋界に対して、
囲碁界は「ヒカルの碁」とか外部から火がつくことが多い印象。
だが、その程度の囲碁知識しかないワシでも聞いたことがある
「林海峰」が名人位を初めて奪取(初タイトルでもある)した
「1965年名人戦」の表と裏。構成が今っぽい。
「あなたは…」(⭐︎⭐︎⭐︎)
実は二度目なんだが、
今回の第一印象は「マスコミって当時から失礼千万だったなぁ」というもの。
質問は哲学的で、オタオタする回答者を見るのが正しい楽しみ方なのだが、
今以上に激しい通勤ラッシュの最中、
なんなら目の前で電車の扉が閉まろうという時まで質問するとか、いろいろ酷い。
「日の丸」(⭐︎⭐︎⭐︎)
今回の当企画の立案者「佐井大紀」氏が2年前に作った
「日の丸〜寺山修司40年目の挑発〜」の元ネタ。
当時放送を所管してた郵政省が動いた程の問題作だが、
今だに「日の丸君が代問題」とか言われるように、
ある意味日本という国家の定義付けに関わる話ではある。
これも回答がなかなか酷い。
BAUS 映画から船出した映画館(⭐︎⭐︎⭐︎)
吉祥寺には縁もゆかりも無いワシですが、
最低限のノスタルジィを感じるセンスぐらいはあります。
90年弱、吉祥寺の地で映画や舞台文化の拠点たり続けた
バウスシアターを支えた、家族の物語。
はちゃめちゃと言うか多様性というか、こういう自由闊達な雰囲気、良いね。
来し方 行く末(⭐︎⭐︎⭐︎)
穏やかな映画。
物書きを目指していた身からすると、今作の主人公のありようには一定の共感がある。
だからって、人生急に変わったりはしないんだけど。
置かれてる状況も決して良いとは言えない一方、
身一つ、筆一本でできる事でもあるので、
彼のように「何かを書き続ける」のは大事。
裏社員 スパイやらせてもろてます(⭐︎⭐︎⭐︎)
イマドキのアイドル映画は、メッセージ性もそれなりにないとアカンのかな、な映画。
社会の荒波に多少揉まれたのかな、な「WEST.」が主役。
日本は成功モデルが少ない事を、改めて思い知らされるが、
今作でもロケ地に使われてる群馬県の在り方に、寧ろヒント有か。
リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界(⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎)
戦場を潜り抜けた女性カメラマンが身をもって示す
「女性の扱われ方」「戦場のリアル」「戦場の女性」、果ては「戦争報道」そのものまで、
ラストでは実際に彼女が撮影した画像も提示しつつ描く作品。
彼女ぐらい図太くないと、先駆者たりえないんだろうなぁ。
新幹線大爆破(1975年版)(⭐︎⭐︎⭐︎)
Netflixで絶賛配信中のリメイク版の元ネタ。
リメイクしたくなるのはよくわかる。
ちゃんと作れば相当面白い要素盛り沢山だし、世相もそれなりに反映してる。
1975年版の楽しみ方は、懐かしのあのスターも登場、というところかもしれない。
ストーリーは薄いけど。
金子差入店(⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎)
長尺予告編の時点で軽く精神やられそうになったけど、本編冒頭で早速持って行かれた。
その後も、周りで起きる出来事がエグくて、いちいちダメージがデカい。
そんな中で奥さん(真木よう子)のメンタルがねぇ、とにかく強い。
しかも映画オリジナル脚本だから、その秘密も不明。気になる。
ゴッドマザー コシノアヤコの生涯(⭐︎⭐︎⭐︎)
朝ドラ「マッサン」の鳥井信治郎をモデルにした人(堤真一)も
「やってみなはれ」と言っていたが、
コシノアヤコも基本的には「やってみなはれ」の人。
3姉妹もそれに応えて、揃ってトップファションデザイナーに育った。
先週関西に行ってたけど、関西のノリって大事。
父と僕の終わらない歌(⭐︎⭐︎⭐︎)
元ネタは英国での実話。
そこに日本的な要素と、曲調に合った横須賀という舞台を用意して、
日本で映画化したのが今作。
アルツハイマーの父役に、
歌も芝居も定評のある寺尾聰を据えてる時点で及第点の出来だが、
脇役陣もベテランを据えて良い雰囲気を醸し出している。ラストも良い。
英雄傳(⭐︎⭐︎⭐︎)
こういう「ちゃんとアクション『は』やってる」映画を観ると、
改めて「あぁ、やっぱストーリーも大事なんだな」と気付かされる。
今作は、やっぱり戦う動機がどうにも薄く映ってしまうんだよなぁ。
まだ「トワイライト・ウォリアーズ」から抜け出せてないみたい。
あと、所々ウソくさいのもダメ。
うしろから撮るな(⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎)
「父と僕の終わらない歌」の演技は「忘れてることを覚えて」ないと成立しないから、
その意味では難しい。
今作の主人公「織本順吉」は老俳優である。
「覚えてから一回忘れて思い出すのがリアル」とか言ってるけど、
覚えれてない、結局強がってるだけ。
周りに当たるし見苦しい。
80年後のあなたへ(⭐︎⭐︎⭐︎)
思ってたんと違う映画だったし、
あのテーマなら「昭和東南海地震」(1944)の話がスッポリ抜けてるのも正直アレだが、
今までの「戦後周年モノ」とはまた毛色の違う作品で、
それなりに楽しめた(ツッコミ所も多いけど)。
名古屋&犬山の名所紹介的でもあるが、ワシは好きな街よ。
あと、4月が25本だったのに対し、5月が16本と控えめなのは、
5月に有休枠を使って5日間も旅行に行ってたせい。
とはいえ、5月終了時点で112本と、今年もかなりのハイペース。
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