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「ワイマール憲法」とヒトラー、「日本国憲法」と小泉-(24)

<23>選挙戦

ヒトラーは、実際選挙戦に強かった。

ヒトラーの支持者は、主にドイツの重工業界、しかもその経営者側であった。

彼らにとって、社会主義を標榜する社会民主党や

それと馴れ合う現政府に対して強い嫌悪感があり、

ナチスがドイツにおけるマルクス主義の根絶を公約といていたため、

彼らはこぞってナチスを支持していた。

おかげでヒトラー陣営は彼らから潤沢な資金を得ることに成功し、

有利に選挙戦を進めていった。

一方のヒンデンブルク陣営は、資金集めに苦慮していた。

しかし、ブリューニング首相の献身的な活躍によって、

政治を知る者たちの間でヒンデンブルクの指示は徐々に広がっていった。

彼にとっては、自分の地位を守るための戦いであったのかもしれないが・・・。

それでも、選挙は1度で決まらなかった。

ほんの僅かではあるが得票数が足りず1度で決めることが出来なかったのだ。

 (大統領選挙投票1回目)

  ヒンデンブルク  1860万票(総得票数の50%に僅か0.4%分足りず)

  ヒトラー       1140万票

  テールマン     約500万票 (共産党擁立候補)

  デュスターベルク 約255万票(右派擁立候補)

そこで、2回目の投票が行われることとなったが、

そこには右派が推すデュスターベルクの名は無く、

右派もまたヒトラー当選阻止のためにヒンデンブルク支持に回った。

これによって大勢は決した。

 (大統領選挙投票2回目)

  ヒンデンブルク  1939万票

  ヒトラー       1341万票

  デュスターベルク 約400万票

しかし、ヒンデンブルク陣営は素直に喜ぶことは出来なかった。

今回の結果によって、現政権に対する不満分子の受け皿として、

ヒトラーが、ナチス党が着実に成長していることを示したからである。

それゆえにヒンデンブルクは、後日ヒトラーを首相にしようとするのである。

側近くに置いて、自分のコントロールできる状態にしようと考えたのであろう。

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