「自民党憲法草案」を考える-(3)
<3>国民の権利と義務-①
前回、恐らく最大の問題となるであろう第9条について触れてきたわけだが、
今回触れる第3章もずいぶんと恐ろしいことになってるようですよ。
まぁ、しょせん草案は草案なわけですから言わせておけばいいのですが、
憲法を自分で作ったことの無い日本国民としては、
これを機会に少し考えてみると言うのも良いのではないかと思うわけであります。
10条は、日本国民の要件を法律で決めると言う条文。
ここは変えていないというか、むしろ変えて欲しいと思う方もおられるかもしれない。
なにせ、日本国民たる要件を憲法で決めていないのだ。
これは、硬質憲法である日本国憲法としては仕方ないところもあるかもしれないが、
逆に言えば日本国民たる要件をいかようにも変えられるのだ。
つまり、法律が変わったら明日から日本国民たる要件を満たさなくなってしまう
可能性があると言うことである。
できることならば、憲法で日本国民というものをきちんと確定してくれた方が、
日本国民の一人としては安心できるのだが…。
11条は特にいじっていないのでこれは問題なかろう。
そして12、13条では、それぞれ「公共の福祉」を「公益及び公の秩序」と書き換えている。
とくに、「公益」の部分がちょっと引っかかる。
「公益」とは何か。考え様によっては「政府の利益」と取ることもできる。
そう考えると、政府の利益に反するような自由は享受できない(12条)ことになる。
これは、極論すれば政府は国民の自由権をいかようにも制限できると言うことである。
国民が憲法の保障する自由と権利を濫用してはいけない(12条)のと同じように、
政府や議会もまたその力を濫用してはいけないと思うのだが、どうだろうか・・・。
14条~19条までは言い換えや若干の追加のみで特に問題は無い。
ここで憲法草案では19条の2を追加して個人情報に触れている。
これはいいことであると思う。何なら今すぐにでも加えて欲しい。
しかし、しつこく言うように日本国憲法は硬質憲法である。
そうであるがゆえに、条文一つを変えるだけでこれだけ揉めているわけである。
前回も書いたが、「日本国憲法」は世界の現状に必ずしも合致したものではない。
見直すべき時期に来ていることに来ているのも確かである。
しかし、同時に日本人は何でも伝統にしたがる。
改憲イコール第9条と言うわけでもないのに、
改憲と言うだけで拒否反応を示す者も少なくない。
このように考慮に値する案件も少なからず存在するわけで、
社民党などはただただ護憲にしがみつくのではなく、
もっと積極的に発信していくべきなのではないかと私は思うのである。
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