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「自民党憲法草案」を考える-(5)

<5>国民の権利と義務-③

今回も第3章。まずは29条の財産権から。

ここでは知的財産権に言及している。

日本は「持たざる国」であるから、人は貴重な財産であると言えよう。

しかし、青色発光ダイオードのときにあった騒動を見てもわかるように、

特に戦後日本は、悪しき平等主義によって、多くの発明やアイデアが

一人の功績ではなく会社全体を潤すために使われることが多かった。

また、アジアの中で奇跡的な復興を果たした日本は、

東南アジア諸国に安い労働力を求めていった。

そのときに、日本の持つ高い技術を惜しげもなくアジア諸国へとばら撒いていった。

その結果日本は、産業の空洞化を招きいまだに抜本的な解決法を

見出していないように思える。

確かに、あの戦争における負い目が少なからずあったのかもしれないが、

工業に留まらず、あらゆる産業政策をいい加減に行ってきたために、

日本の産業は激しく消耗し、いまやその負債を背負わさせられている有様である。

そういう意味で、知的財産権の保護に乗り出すというのは、やや遅きに失した感はある。

しかし、日本はいまやアニメの一大輸出国であり、

「ものづくり」の精神を持ち続けている企業も少なくない。

この条文が、憲法に盛り込まれることによって、

ふたたび「技術立国」の道を歩みだすことができれば、

日本も本当に意味で「一流国」たりうるかもしれない。

しかし、そのためには教育制度や企業マインドの変革も必要となってくるだろう。

こういった、省庁横断的な政策を今の日本の官僚機構で取れるかと言われれば、

私としては、はなはだ疑問であると言わざるを得ない。

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