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日本映画 「男たちの大和」

今年は戦後60年ということで、多くの戦争映画が上映されてきた。

私は「ヒトラー 最期の12日間」以来である。

また、日本映画としては「SHINOBI」以来である。

今回は、技術面に関しては何も言わない。

去年の「デビルマン」や、「SHINOBI」の例を引くまでもなく、

CGの技術も特撮の技術も世界最高水準にあることは言うまでもないからである。

というわけで、内容の話。

この作品は、ある大和乗艦下士官(仲代達矢)の回想という形を取っている。

で、その回想と現代が微妙にシンクロして話は進むわけなのだが、

そこはさすが元・仁侠映画屋の東映。

大時代的な台詞や立ち振る舞いの見せ方などはうまい。

キャスティングもそれほど悪くなく、頑張って集めた方だと思う。

しかし大時代的であるがゆえに、

くさい台詞やいかにも泣かせんばかりのエピソードをふんだんに盛り込んできており、

30歳の私にはややうんざりといった感じ。

しかし、平日の1回目で観客はそれほど居なかったものの、

2回目の上映待ちの人々を含めて年齢層の高い方々が目に付いた。

そういう方々にとってはけっこうつぼなのではと勝手に考えるわけだが、どうだろう。

前半は、そういった人間ドラマに終始するが、後半はもっぱら「菊水作戦」

(いわゆる大和特攻のこと)で大和がアメリカ軍航空隊の前に

為す術なく打ちのめされる様を映し出すまさに地獄絵図。

正直やややりすぎの面もあるが、この辺のメリハリは良く考えられたものと評価したい。

私は、不覚にも目頭が熱くなってしまいました。

「泣ける」というにはやはりくさい話なのではありますが、

事実ベースの話なので途中に挟まれる実際の当時の映像

(主にアメリカ軍の撮影していたもの)がこの物語に重みを与えている。

時間を考えると必要充分な時間で、

これ以上内容を盛り込もうとするとやや薄っぺらな感じになりかねないだろう。

だから、「この映画には戦争の暗部が足りない」という評価は

必ずしも正当なものとはいえない。

エンターテインメント映画として考えた場合には、これでいいと思う。

とはいえ、歴史を学んできたものとしては、やはり一家言言っておきたい。

それは、仲代達矢がやっていた役割についてである。

彼らの世代は戦後主要な労働力として日本を牽引していくわけであるが、

戦争の記憶を風化させた主な原因は、そんな彼らの世代に問題があったと私は思う。

それは、彼らが戦争の記憶を未来に伝えるという任務を果たさずして、

戦争の記憶を自らの中に封印してしまったことにあると思う。

歴史とは、文字を持ち、言葉を持ち、文明を持つ人間だけが遺すことのできる

人間最大の遺産の一つであると、私は思う。

時あたかも、日本は再軍備化の道を歩む危機を迎えるかに見える。

戦争の悲惨さを一筋でも心に刻むために、

この映画を観るという選択は、悪くないと思う。

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