日本には、「本当の金持ち」が必要だ
今日でトリノオリンピックが終わった。
約1名を除いた皆さん、本当にお疲れ様でした。
多くの方々にとっては、けっして満足のいく成績ではなかったことでしょうが、
終わってしまったことを悔やんでも仕方ないでしょう。
さて、あまり競技を見ていないのに総括をしてみるというのは、
とてもおこがましいのではありますがまぁ戯言だと思って軽く読み流してやって下さい。
いまや、世界中でスポーツとはその多くが企業スポーツであることでしょう。
選手の着るユニフォーム一つにしてもドコのメーカーのものが多いかで
稼ぎが変わってくるように、スポーツとはまさに宣伝の場であることは
否定できないところでしょう。
たとえオリンピックであってもそれを完全に否定することは不可能である。
スキーの選手は試技が終わって自分のところにカメラが集中すると、
おもむろにスキーの雪を取ってスキーのメーカーがカメラに映るようにしてやる。
ワールドカップの時から日常的にやっていることだから、
癖であると言えなくもないがそれでも癖になるほどに身についているわけである。
私はそのことを否定するつもりで言っているわけではないのだが、
こと日本においては、企業は本当にスポーツ選手を
単なる宣伝材料としか見ていないのではなかろうか。
育成はおざなりにしてもっぱらCMに引っ張り回し、
所属する選手のためにいったいどれほどのことを企業はしているのだろうか。
選手がこぞってテレビに出る理由がわかるだろうか。
それは、企業や国が出すお金が足りないからではなかろうか。
引退してからこぞって芸能界に流れ込む理由がわかるだろうか。
そうでもしなければ、後進を育成するお金を得られないからではないだろうか。
とはいえ、借金まみれの国の補助金にこれ以上頼るわけにもいくまい。
そこでタイトルにある「本当の金持ち」である。
直接関係ないかもしれないが、古来名のある芸術家には必ずと言っていいほど
パトロン(後援者)がいた。
F1のミハエル・シューマッハは、フェラーリから確かに多額の契約金をもらっているが、
それで大々的にカートスクールを開いて後進の育成に努めている。
日本に、それほどのことを個人でやっている「本当の金持ち」がどれほどいるだろうか。
確かにそれに近い存在はいた。いまや犯罪者となってしまった堤義明である。
彼は、西武グループの企業に多くの選手を養っていた。
今回唯一の金メダリスト、荒川静香もグループのプリンスホテル所属である。
JOCの会長も勤め、参加に多くのアスリートやスポーツチームを抱えていた。
確かに彼がしたことは悪いことだが、
これほどのことをできる力のある個人が、どれほどいるだろうか?
また、これほどのことをしようという気概のある人が、どれほどいるだろうか?
ウィンタースポーツは特にお金がかかる。
堤義明は、ある意味一人で金のかかる施設を作ってきたともいえる。
フィギュアスケートやアルペンスキーなどは、
今回の好成績の理由を「層の厚さ」に求めている。
今回仕事しなかった誰かさんが、
今回5度目のオリンピック出場になるということで話題なった。
しかし、それは他に出場させる選手がいなかったということの裏返しであり、
すなわち層の薄さを暗に露呈してしまっているわけである。
このような状態では、4年後またメダル量産というわけにはいかないだろう。
先を見据えた選手育成を民間の方から盛り上げていく必要があるのではなかろうか。
そういう意味では、今までのような企業丸抱えのスポーツ選手よりも
アルペンスキーの皆川賢太郎らが所属するアルビレックス新潟のような、
総合スポーツクラブの動きにこそむしろ注目していきたい。
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