日本映画 「俺は、君のためにこそ死にに行く」
日本の大人って、なんて醜いんだろう。
「この国の未来のため」に、若者たちを特攻に駆りだしておきながら、
自分たちは安全なところにいて、死ねずに帰ってきた者を罵倒する。
だったら、あんたらが行けばよかったんだ。
それに比べれば、そんな若い彼らのために憲兵の目を盗んで
いろいろと便宜を図っていた「特攻の母」鳥濱トメさんのなんと美しいことか。
そして今、年寄りを養うために再び若者たちが犠牲になっている現実を、
永田町や霞ヶ関にいる年寄りたちはわかっているのだろうか。
この映画を観て、改めて大人(自分もそうなのだが)に対する怒りを覚えた。
この国は、何も変わっていない。
なぜ、未来ある若者が老い先短い年寄りのためにその身をすり減らし続けねばならないのか。
特攻で散って行った彼らには、未来も、希望も、守るべき家族もいた。
にも拘らず、年寄りたちのつまらない意地のために死を強要されたのだ。
彼らは、必ずしもお国のために死んでいったわけではない。
ましてや、彼らの上官たる理不尽な将校のためでもない。
まさにタイトルの通り、心に想う「君」のために死んでいったのだ。
60年前のあの過ちを繰り返したくなければ、
まず「愛国心」を強要しないことだ。
「愛国心」で若者を騙して死に駆り出した過去の歴史を、
今を生きる我々は忘れてはならない。
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