日本映画「選挙」
この時期の上映は、狙って行われたものだろうと思われるが、
それにしても実にタイムリーな内容。
政党、候補者、そして有権者たる我々が、いかに選挙と向き合い、
それらが政治をどのような方向に導いているのかを、克明に記したドキュメントである。
まず明確に分かることは、
日本の選挙では組織力が非常に大きなファクターであるということである。
この映画の主人公「山内和彦」は、小泉旋風吹き荒れる2005年、
川崎市議会の補欠選挙に立候補した落下傘候補である。
普通に考えて、こんな市議会議員の、
しかも補欠選挙に落下傘候補を擁立していること自体、
私などに言わせれば相当大きな錯誤なのであるが、
しかも彼が立候補することになったのは、彼の昔の職場の同期の弟が川崎市議会議員で、
今度補欠選挙があるから公募してみてくれないかと頼まれたからだとか。
当時の川崎市議会は、自民19対民主18だったのだが、
自民の市議会議員が参議院議員に鞍替えしたために、
18対18というまったくの5分になってしまった。
そんなわけで、自民対民主の第1党を賭けた熾烈な選挙戦が、
選挙のことなど何も知らない「山内和彦」の双肩にかかってしまったのである。
同時に、川崎市長選や参議院議員の補欠選挙も行われているために、
中央のお偉方も続々とお国入りして応援演説を行う。
その中には、総理大臣(当時)の小泉純一郎の姿も見える。
まったく、たかが市議会議員選挙(だけではないのだが)ひとつにえらい力の入れようである。
もっとも、やることといえばひたすら政党名と候補名の連呼、連呼、連呼。
しかし、有権者の方もまあやかましいのが来た、程度の扱いでほとんど相手にしていない。
政党の側も、有権者が聞いてないと思うからこそ、政党名と候補者名の連呼に終始して、
街頭で政策を訴えるようなマネはしない。
果たして、鶏が先なのか、卵が先なのか…。
正直、全国でこの映画が単館系映画館でしか上映されていないのが残念である。
有権者も政治家も、この映画を観て是非とも襟を正してもらいたいと、切に願う限りである。
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