« 「新・中央競馬予想戦記」 2009-11-15 | トップページ | 映画 「笑う警官」 »

映画 「キング・コーン」

我ら「お米の国」日本人はともかく、
アメリカの食文化の大部分を
とうもろこしが占めているといっても、
過言ではない。
揚げ物に使うコーン油や、
コーンフレークのようなシリアル類だけではない。
畜産の飼料(食肉や牛乳に関わる)や、
甘味料の原料としてもとうもろこしは使われている。
それに飽き足らず、プラスチックやバイオエタノールといった、
食用以外の用途にまでとうもろこしは進出している。
今作は、そんなとうもろこしが生まれてから
消費されるまでを追いかけたドキュメンタリーである。

興味深いのは、主人公のイアンとカートの先祖を辿りながら、
アメリカの農業史や農政まで見られるという作り方。
何のことはない、アメリカ農業も補助金無しでは成り立たないのだ。
そしてアメリカも、つい3、40年前まで生産調整に
その補助金を使っていたというのだ。
しかし政策転換以降、
それまで向上していた生産性に歯止めがかからなくなり、
100年前1エーカー当たり1トン取れれば豊作だったとうもろこしが、
今や5トン取れて当たり前となり、
そのため余ったとうもろこしが粒のまま野積みされているのだ。
もちろんそれは、人間の食用ではない。
しかも遺伝子組み替え済みである。
しかし、ここからがアメリカ政府の偉いところ。
余った分の使い方をちゃんと考えてやることである。
輸出、バイオエタノール、プラスチック。
こういった用途は、
余剰とうもろこしの行き先として考えられたのだろう。
それを買わされてるのは、例えば日本だったりするんだろうけど。

もはや、これらアメリカのとうもろこしは食品というよりも、
工業資源に近い。人畜無害とはもはや言い難い。
例えばとうもろこしの飼料だけで育った牛は早死にするらしい。
それに『未来の食卓』でも見たように、
アメリカから飼料を輸入するということは、
それだけで環境にダメージを与えている。
しかも、甘味料や食肉という形で日本人も
間接的にアメリカのとうもろこしを摂取し続けているのだ。

ただ、何も悪い面ばかりを提示しているわけではない。
安く、しかも簡単に食料を生産できるようになったことで、
エンゲル係数は確実に下がり、
少なくとも先進国の多くの民衆は、
以前より確実に贅沢な生活を営めるようになった、
と作中で政策転換した当時の農務長官は言っていた。

日本の農政に携わる人達も、
日本農業をどうしたいのかちゃんと考えてほしいものだ。

« 「新・中央競馬予想戦記」 2009-11-15 | トップページ | 映画 「笑う警官」 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 映画 「キング・コーン」:

« 「新・中央競馬予想戦記」 2009-11-15 | トップページ | 映画 「笑う警官」 »

2020年10月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
無料ブログはココログ