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映画 「インビクタス」(☆☆☆☆☆)

あらすじが解ってる。結末も解ってる。
それでも人を感動させられるということは、
そもそも元となったストーリーに圧倒的な力があるからであり、
それを引き出すスタッフやキャストがいるからにほかならない。
この作品は、まさにそういう作品。

序盤から繰り出される
ネルソン・マンデラ(モーガン・フリーマン)の名文句。
これを聞くだけでも、マンデラの凄さがわかる。

27年間孤島の監獄に囚われた後、マンデラは大統領になる。
その強大な権力を得たならば、
凡百の人間ならば自分達黒人を迫害した白人に
復讐を遂げようと考えるだろう。
実際、黒人も白人もそう考えていた。
ところがマンデラはそれらを赦し、
あまつさえ共に手を携えて新しい国造りを行おうとした。
デカイ。人間がデカイですよ。
そしてそれをさらに実践すべく、
新任のSP(身辺警護)に前大統領に仕えた白人SPを加える。
曰く「SPは大統領とともに常に衆目にさらされる。
新しい国の形を示す上で非常に効果的である」と。
わかってる。わかってらっしゃる。
(実際、彼ら8人のSPを追っかけてるだけでも、
この国の変容がわかるようになっている)
自国開催のラグビーWカップについても同様だ。
世界中の視線が集まるこのイベントは、
生まれ変わった南アフリカをアピールする絶好の機会であると、
マンデラは捕らえていたのだ。
だから勝て、勝ち抜け、とマンデラは
キャプテンのピナール(マット・デイモン)を鼓舞する。
そして徹底的に利用する。
なんという見事な戦略性。
「国威発揚」っていうのはこういうことを言うんですよ。
決勝戦~ラストに向けて、まさに国じゅうが狂乱する。
白人も黒人も無い、まさに「ノーサイド」。
この辺り、実話にしても出来すぎじゃないかってぐらい、
よく出来た話だったりする。
翻って日本では、WBCで世界一になってもああはならんかった。
政治の側に、「国威発揚」という発想が無いからだ。
ま、日本にはスポーツ大臣もいないしね。

『硫黄島からの手紙』や『グラントリノ』もそうだったが、
クリント・イーストウッド監督は、
移住者や黒人、敗者といったマイノリティに着眼して
映画を撮っているように思われる。
だからといって決して上から目線というわけではなく、
そういったマイノリティの持つ誇りを、
丹念に描き出しているように思われる。
非常に好感が持てるし、また非常にうまい。
今一番脂の乗った監督だといえるだろう。

本当の「チェンジ」とは、
自ら変わること、
そして変わったことを示すこと。
そして日本には、マンデラのような
夢を見せられるリーダーが必要なんだ!

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