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映画 「クロッシング」(☆☆☆)

『韓非子』に『遠水近火』という言葉がある。
「目の前の火事を遠くの水では消せませんよ」という意味である。
この映画の中でも主人公のヨンスが、
「病気で苦しんでいる妻に、
お金か薬をすぐに持って行ってやらないといけないんです」
って言ってるのに、脱北を手引きしたNGOは、
「ゆっくり考えましょう」って言うんだ。
本気で人助けする気があるんですか?

これじゃあ、NGOの自己満足じゃありませんか。

『地獄の沙汰も金次第』という言葉がある。
収入の半分を賄賂に使って北朝鮮と中国を行き来する男や、
大金を巻き上げて脱北の手引きをするブローカーなど、
かつて「地上の楽園」と称された現世の地獄北朝鮮でも、
カネさえ握らせればけっこう自由が利いてしまうという現実。

幸福って何なんでしょう。
お金が無ければ、薬も買えず、日々の食にも事欠く。
だから父であるヨンスは、危険を犯してまで脱北した。
しかし息子のジュニにとっては、
家族三人(と犬一匹)の団欒こそが、
幸福だったのではないだろうか。
もしかしたら、ヨンスが脱北しなければ、
こんな悲劇は起こらなかったかもしれない。
しかし、そもそも一般民衆のささやかな幸福さえ、
北朝鮮は満足に守ってやれないのだ。

じゃあ、「イエス様もいない」北朝鮮を、
どうやったら救えるのか。
人道支援や脱北支援も、結局は焼石に水。
戦争も核暴発の危険性がある以上、得策とは言い難い。
経済制裁も、民衆もろとも干上がらせるわけだから、
やはり厳しい。

でも、国家システムなんて日本も含めてどこもかしこも
『遠水近火』みたいな感じだからねぇ。
誰がトップになっても、我ら小市民の幸福なんて、
なかなか訪れないのかも知れませんねぇ。

脱線しましたが、この映画も先週の『告白』とは
また違った意味で救いの無い映画。
まぁここまでのようなムダ話の一つもタレたくなるような、
絶望感たっぷりの映画。
奇しくも明日(6月16)はサッカーW杯に北朝鮮登場。
相手がブラジルとこれまた絶望的な相手だが、
せめて
将軍様が国民に見せたくなるような頑張りを
期待したい。

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