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「新・中央競馬予想戦記」今週の反省 2011-(11)

3/26の結果
 3勝(心斎橋S、六甲S、スプリングS) 4敗
  回収率 210.0%

3/27の結果
 2勝(四国新聞杯、梅田S) 5敗
  回収率 15.3%
  年間回収率 68.6%
  通算回収率 70.8%

各レースの反省
3/26阪神09R 心斎橋S(○)
 4番人気のパドトロワが勝利。
 1200mでは実績の高い馬だったので、
 1200適正の方が有効なレースだったのかもしれない。
 本命に推していたサザンスターディは手堅く2着。
 5番人気ということで複勝としてはなかなかの配当。
 昇級戦だったことを考えると、次も期待して良さそう。
3/26阪神10R 六甲S(○)
 6番人気のロードバリオスが勝利。
 2着で対抗評価のクレバートウショウともども、
 阪神で2勝の実績をあげている2頭で決まる、
 ある意味わかりやすいレース。
 本命に推したモエレビクトリーが3着に食い込んでくれたおかげで
 ワイド的中。
 このぐらいの斤量なら、このクラスでも充分勝負になるようだ。
3/26阪神11R スプリングS(◎)
 本命のリベルタス以外の3頭全部が突っ込んできて、
 ワイドパーフェクト達成。
 勝ったオルフェーブルは、血統的に見れば長いところも行けそうなので、
 今後も注目の1頭といえるだろう。
 本命に推したリベルタスは13着と惨敗。
 直線、左右から挟まれる形になってひるんでしまった。
 切れ味のあるタイプでもないようだし、
 もっと前前で競馬できないと厳しいかもしれない。
3/26阪神12R フラワーC(×)
 5番人気のトレンドハンターが勝利。
 馬体が戻ったのが良かったかもしれない。
 次も減ってこなければチャンスはあると見る。
 本命に推したマイネイサベルは惜しくも4着。
 ペースが合わなかったようだが、
 逃げ粘ったところをむしろ評価すべきかもしれない。
 重賞実績もあるだけに、地力は上位と見る。

3/26小倉10R 牧園特別(×)
 12番人気のラガーアンバーが勝利。
 近5走で2ケタ着順が4回という成績から考えて、
 鞍上が合ったか小倉コースが合ったかのどっちかしか考えられない。
 とにかく、ちょっと手が出せない。
 本命のサンライズスカイは手堅く2着。
 とはいえ、同じ脚質のラガーアンバーよりも後ろで、
 同じタイミングで同じような脚色で追い出したら勝てないわなぁ…。
3/26小倉11R 吉野ヶ里特別(×)
 13番人気のホシシャトルが勝利。
 体重が戻ったのは良かったようだが、
 これもちょっと買える要素がありませんなぁ。
 本命に推したステラーホープは8着に敗れる。
 脚質が脚質だけに、自分で競馬を作れないのがなぁ…。
 今後も当てにしにくい馬かもしれない。
3/26小倉12R 川内特別(×)
 対抗評価のトーセンヤッテキタが勝利。
 本命で3着のマカリオスと評価的には互角だったので、悔やまれる内容。
 なんだかんだ言っても、テン乗りよりは騎乗経験のある方が
 勝手がわかってる分だけでも有利ということだろうか。

3/27阪神09R 四国新聞杯(○)
 これは順当。
 内容も良く、昇級しても期待できそう。
 対抗に推していたサトノロックは6着止まり。
 母方が強いのか、やはりダート向きなんじゃないかな、と…。
3/27阪神10R 梅田S(○)
 対抗評価のサンライズモールが勝利。
 リスポリ騎手は短期免許切れのこの日、高松宮記念を含む3勝の固め打ち。
 円高差益でけっこういい稼ぎだったのでは…。
 馬的にも、休み明けとはいえ得意のコースで地の利を活かした結果となった。
 本命のシャアは3着に食い込んで複勝ゲット。
 良く言えば手堅いのだが、悪く言うと勝ち切れないわけで…。
 この馬買うなら、今回みたいに複勝で手堅く拾うのが有効か。
3/27阪神11R 高松宮記念(×)
 本命のキンシャサノキセキが、見事勝利。
 名前の通り、高齢で栄冠を掴んだ。
 2着には当てにならない馬のうちの1頭サンカルロが入着。
 3着には11番人気のアーバニティが入着してしまい馬券は取れず。
 対抗のワンカラットは、実質ビリの15着。
 まだ減らし足りないのか、それともピークアウトしちゃったのかなぁ…。
3/27阪神12R 毎日杯(×)
 2番人気のレッドデイヴィスが勝利。
 3歳でセン馬になった覚悟をもっと汲んでやるべきなのか。
 GⅠに出れないのに、賞金だけは順調に加算されて行くので、
 当面目標になりそうなレースは、宝塚記念とかしかなさそうだが…。
 本命のトーセンレーヴは3着止まり。
 リベルタスもそうだが、今年の良血馬はどうも線が細いというか…。
 まぁ、トーセンレーヴの場合、単純に経験不足なだけかも知れませんが…。
 今年の冬ぐらいから伸びてくるタイプなのかもなぁ…。

3/27小倉10R フリージア賞(×)
 対抗評価で13番人気のサウンドバスターが勝利。
 やはり今の使い込まれた小倉の芝コースなら、
 芝実績がなくても戦えるようだ。
 2着に3番手評価のエーシンミズーリが入ったので、
 馬連買ってりゃなぁ…。
 本命に推したアバウトは7着に敗れる。
 平坦の軽い芝が向くのかなぁ。
 そうなると、舞台はけっこう限られてくるわけだが…。
3/27小倉11R 南九州特別(×)
 昇級戦の4番人気トーセンアドミラルが勝利。
 持ち時計を一気に2秒近く縮めており、
 充実期に入ったと言えるかもしれない。次も怖い。
 本命に推したゴーアップドラゴンは3着止まり。
 トーセンアドミラルに気持ち良く行かれ過ぎたかも知れない。
 ただ、追込馬なだけに条件が合わないと勝ち切れないかもなぁ…。
3/27小倉12R 熊本城特別(×)
 3番人気のメイショウフレアーが勝利。
 この馬も芝実績なし。馬場の痛みが深刻だ。
 本命のサアドウゾは2着止まり。
 これも追込馬。今の小倉芝コースは、切れ味タイプの馬にはある意味厳しい。
 距離ロス覚悟で外をぶん回すか、
 荒れた内馬場を馬群を縫って抜け出すかの2択じゃなぁ…。

いろいろと反省の多い週。
とりあえず、小倉に関してはちょっと雑過ぎた。
複勝にしておくだけでけっこう違ったんだがなぁ…。
あと、内枠馬自体は不利ではないが、
芝適性のあまり要らない馬場になっているようなので、
今週もその辺の補正は続行。
今週の買い方は以下の通り。的中重視で。
 阪神:条件戦=複勝1点買い OP以上=ワイド
 小倉:条件戦=複勝1点買い OP以上=ワイド

映画 『ザ・ファイター』(☆☆☆)

思った以上に普通の映画。
単純にボクシングを楽しむだけなら、
もしかしたら『あしたのジョー』の方が上かも知れない。
ただ、最後まで栄光の無い『あしたのジョー』に比べれば、
ラストでいろいろと救われる映画。
そういう意味でいうと、『あしたのジョー』って、
ストイック過ぎるというか、
その辺が日本とアメリカの違いとも言えるのだが…。

ボクシングに何を求めているかで、
どっちの作品も評価が別れるところだと思う。
ワシ的には、『あしたのジョー』はだいたいわかってる作品で、
だから観なかっただけ。
『ザ・ファイター』は実話ベースだから観てみたかったわけだが、
確かにセコンドの役割の大事さがよくわかる映画だとは思う。
で、そうなるとむしろヤク中の兄貴
(クリスチャン・ペール)の再生の物語
みたいに見えちゃうわけで…。
そのぐらい、弟(マーク・ウォールバーグ)の
存在感がねぇ…。
そりゃ、助演賞しか取れないわけだ
(取れるだけすごいんだけど)。

映画 『葉問(イップ・マン) 序章』

後編をやってから『序章』をやった理由が、何となくわかる。
ワイヤーアクションのおかげで、
みんなあんなにダイナミックに動けるんだから、
もっと広く使えばいいのに、
わざわざ狭く戦ってるんだよね。
これは配給側の勝利と言えるね。
『序章』から入っちゃうと、通好みな感じを受けかねない。
ワシは自称『通』だから、どっちにしても観てただろうけど。

作りは、家族の話であり、
コミュニティの誇りを取り戻す的な話だし、
そういうストーリーラインは後編とそう変わらない。
ただ、アクションよりも物語の方にやや重心を置いている感じ。
前半の奥さん(熊黛林:リン・ホン)が、
格闘技嫌いでツンツンした感じだったんだが、
貧乏になってからの甲斐甲斐しさが、
とっても愛らしくていいです。
池内博之演じる三浦将軍も、
ただの悪党に描かれてなくて好感持てました。
あの体格と坊主頭は、なるほど道着向き。
ただ、ドニー・イェンとはちょっと
技量に差があり過ぎたかな。

技量差と言えば、
後編におけるサモ・ハン・キンポーみたいな、
ドニーと対等以上に張り合える存在がいないことも残念。
ドニーが出てきちゃうと、葉問無双みたいになっちゃうからねぇ。

純粋にカンフーアクションだけを楽しむなら、
確かに後編だけで充分。
でも、それじゃあ人間関係が完全じゃないから、
どうしても気持ち悪いんだよね。
後編観てもやっとした人は観ておいてもいいかも知れない。
『序章』単体では☆3つぐらいかな。

「寺田寅彦で読む 『地震と日本人』」 第1期目次

始めるにあたって
http://you-max.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/post-5ef2.html

地震雑感(大正13年5月『大正大震火災誌』より)
http://you-max.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/13-af81.html

津波と人間(昭和8年『鉄塔』より)
http://you-max.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/8-6e81.html

災難雑考(昭和10年 『中央公論』より)-①
http://you-max.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/10-8bc9.html
災難雑考(昭和10年 『中央公論』より)-②
http://you-max.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/10-1e77.html

天災と国防(昭和9年11月『経済往来』より)-①
http://you-max.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/911-cc40.html
天災と国防(昭和9年11月『経済往来』より)-②
http://you-max.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/911-0440.html
天災と国防(昭和9年11月『経済往来』より)-③
http://you-max.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/911-45eb.html
天災と国防(昭和9年11月『経済往来』より)-④
http://you-max.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/911-5aee.html

日本人の自然観(昭和10年10月 『東洋思潮』より)-①
http://you-max.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/post-7117.html
日本人の自然観(昭和10年10月 『東洋思潮』より)-②
http://you-max.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/post-57a4.html
日本人の自然観(昭和10年10月 『東洋思潮』より)-③
http://you-max.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/post-d2b9.html
日本人の自然観(昭和10年10月 『東洋思潮』より)-④
http://you-max.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/post-d2b9-1.html
日本人の自然観(昭和10年10月 『東洋思潮』より)-⑤
http://you-max.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/post-6a81.html

第1期最終回
http://you-max.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/post-c3ad.html

「寺田寅彦で読む 『地震と日本人』」 第1期最終回

「第1期最終回」と銘打ってることからもわかるように、
このシリーズ自体を終わらせるつもりはありません。
ただ、ダラダラやってても仕方ないので、ひとまず区切りをつけるだけです。
そもそも、寺田寅彦みたいな多才な人、ほっとく方が間違いです。
こんな素敵な年のとり方を、ワシもしてみたいです。
前置きが長くなりましたが、ココまででワシが得たことやら感想やらを、
「第1期最終回」として列記したく思います。

①進歩なんてなかった
『孫子』を読み進めていた時の感じたことだが、
昔の人間の書き残したことが現代でも色褪せることなく、
現代人の心に響くということは、
実は未来を生きる我々にとって恥ずかしいことなのではないかと、よく思うんです。
寺田は、いくつかの作品で「人は忘れるものである」というようなことを書いている。
だからこそ書があって、人の心に響き続ける限りその言葉は生き残って行くわけだが…。
しかし中国思想には、「郢書燕説」(韓非子、注1)や、
「君の読む所は古人の糟魄のみなるかな」(荘子、注2
のように書を軽んじる、あるいは書を超えよという考え方もある。
彼らの言うように、書というハードウェアに頼るのは良くないのかも知れない。
しかし、人間は忘れるという宿命を持っているから、
結局書に頼ってしまうのではなかろうか。
それに、覚えた気になっているのも良くないのだと思う。
覚えるだけではなく、道具として使いこなせるように
しておくことが、本当に必要なことなのだと思う。
その段階を経なければ、今後も人間に本当の「進歩」は訪れないのではなかろうか。
(注1)郢書燕説=こじつけてもっともらしく説明すること。
【故事】 「郢」は中国の春秋戦国時代の楚の国の都。
「燕」は現在の北京付近にあった国の名前。
「郢」の人が、燕の大臣に手紙を書いたとき、
部屋が暗いので「燭をあげよ」と言いながら、うっかりそれを手紙に書いてしまった。
それを受け取った燕の大臣は、それを「明るい人間(賢人)を登用せよ」と解釈して
王に進言し、その結果、国が良く治まったと言う故事による。
(注2)君の読む所は古人の糟魄のみなるかな
【故事】昔、輪扁という車大工がいた。
斉の桓公がしきりに書を読んでいるのを見て、公に問うた。
「お読みになっていらっしやるのは何の本ですか?」
桓公は答えた。
『聖人の書だ』
「聖人というのは今いる人でございますか?」
『いや、すでに亡くなったお人じゃ』
「それじゃ公のお読みになっていらっしやるのは古人の糟魄(かす)ってわけですね」
桓公は怒った。『おれが本を読んでいるのを車大工のお前が何を言うか。
何か言い分があるというならよし、でなければ死罪だぞ』
車大工はそこで言った。「いや私はただ私の経験から申しているのです。
車の輪をけずるのに、けずり方が少し多いと輪がゆるんでしまいますし、
けずり方が少ないとギシギシときしみます。
その加減というものは手がこれを覚えて、心にその呼吸を悟る外はありません。
口ではこれをいうことができませんが、
そこにおのずから自然の数(理)というものがあります。
私自身自分の子に伝授することが出来ず、子供もまた私から受け継ぐことが出来ません。
それで七十のこの年になってまだ車を作っているのです。
ですから古の聖人だといっても道は伝えることができずに死んだに違いありません。
それゆえ公のお読みになっているのは古人の糟魄ばかりだと申したわけでございます」

②真の防災とは…
災害は多かれ少なかれ全て人災であると、寺田は書いている。
文明が進めば進むほど災害の規模も大きくなるとも、寺田は書いている。
かといって我々は、先史時代のような生活には、今更戻れない。
つまり、災害をなくすことはできないのである。
地震を起こさないようにする。
台風を消す。
火山を噴火させないようにする。
こんなことは、どだい無理な相談なのである。
だから、真の防災とは「災害を起こさないようにすること」
ではなく、「災害を大災害にしないこと」なのだと思う。
全ての災害が人災であるとするならば、
逆に言えば災害の規模は人間の側でコントロールできる、
ということなのではないだろうか。
だとすれば、人間の平時の行動次第では災害の規模を最小限に抑え込むことだって
可能だということである。
それには、我々一般民衆が常日頃怠りなく備えることも必要だろうし、
行政の側も研鑽努力が必要なのだろうが…。

③『日本人の自然観』の結び
『日本のあらゆる特異性を認識してそれを生かしつつ
周囲の環境に適応させることが日本人の使命であり
存在理由でありまた世界人類の健全な進歩への
寄与であろうと思うものである。
世界から桜の花が消えてしまえば世界はやはりそれだけさびしくなるのである。』
この言葉は、『日本人と自然観』を読んで始めて触れたが、
非常に意味深長であると私は思った。
日本人は、微細な差異にも心動かし、
それぞれに美しいな名前を与える、特異な民族である。
現代にの若者ファッションなどの中にもそれを垣間見ることはできるが、
残念ながら彼らにはそれらに新しい名前を与えるセンスがないためか、
全て「カワイイ」で片付けてしまっている。
それはそれで残念なことである。
寺田は、日本人のその微細な違いを認めるセンスに着目し、
それを活かすことが日本人の存在意義であり、
世界のためにもなると考えていた。
SMAPの『世界に一つだけの花』などは、まさにその発露と言えるわけだが、
残念ながらアレを世界に発信しようという動きはまだ無い。

翻って現代日本はどうだろうか。
地震の後に、「助け合い」の美名の下裏腹に起こった「自粛」、「ガマン」の強要。
「不謹慎」なるものの排除。
これらの同調圧力自体は、「村八分」という言葉の
できた頃から各地の集落に存在する。
問題は、「日本村」化して同調圧力が日本全体を支配してしまったことにある。
その原因はどうも太平洋戦争にあるらしく、
よく考えたら「一億総火の玉」とか「ぜいたくは敵だ」とか言ってましたものねぇ。
そのおかげで日本は奇跡の復興を果たしたという人もいますし、
私もそれ自体否定するつもりはありません。
では、我々は小さな違いを認め、むしろそれを愛で、
活かす心をどこかに置いてきてしまったんでしょうか。
上記の例からみても、そうではないでしょう。
オリンピックの時、我々に日本人は外国選手の素晴らしい技量に、
惜しみない賞賛を与えます。
そういうことを、無邪気に行えるのです。
「日本国憲法」の前文などを読むと、
そういう日本人の心が反映されているように思われます。
「違う」ということを恐れない、そういう日本人に、私はなりたく思います。

第2期は近々始めたく思います。
取り上げるのは、いままでの中で省略されていた『神話と地球物理学』や、
よそさんのブログなどで取り上げられていたものの中から、
いくつかピックアップしてお送りいたしたく思います。
もっとも、ワシがそれぞれの随筆を読んだ感想や注釈をさらすだけの、
簡単な作業なんですが…。
あと、もしこれを読んで少しでも気になってくださった方がおられましたら、
ぜひとも原文を読んでみることをお勧めいたします。
このブログではあくまで要約(といっても、ただ文章削ってるだけですが)なので、
できましたら寺田寅彦の息吹を、原文から感じ取ってもらえるとありがたく存じます。

同質性と異質性が同居する国、日本 日本人の自然観(昭和10年10月 『東洋思潮』より)-⑤

~結語~
①日本の自然界が空間的にも時間的にも複雑多様であり、
 それが住民に無限の恩恵を授けると同時に、また不可抗な威力をもって彼らを支配
②結果、彼らはこの自然に服従することによってその恩恵を
 充分に享楽することを学んできた
③この特別な対自然の態度が日本人がの物質的ならびに精神的生活の各方面に
 特殊な影響を及ぼした
④その影響が日本に及ぼした短所
・自然科学の発達に不利
・芸術の使命の幅員を制限した
⑤自然も変わり人間も昔の人間も違ったものになった
(例)
・交通機関の進歩によって鎖国を破り日本と世界の他の部分と接触するようになった
→問題の日本人の自然観にもそれに相当して何らかの変化をきたさなければならない
→この新しい日本人が新しい自然に順応するまでには、
 これから先相当に長い年月の修練が必要
→多くの失敗と過誤の苦い経験を重ねなければならない
⑥日本人はやはり日本人であり、日本の自然はほとんど昔のままの日本の自然
→科学の力をもってしても、日本人の人種的特質を改造し、
 日本全体の風土を自由に支配することは不可能
→にもかかわらずその道理がしばしば忘れられ、西洋人の衣食住を模し、
 西洋人の思想を継承しただけで、日本人の解剖学的特異性が一変し、
 日本の気候風土までも入れ代わると思うのは粗忽(=軽率)
⑦日本のあらゆる特異性を認識して、それを生かしつつ、
 周囲の環境に適応させることが日本人の使命であり、存在理由であり、
 世界人類の健全な進歩への寄与
→世界から桜の花が消えてしまえば、世界はそれだけさびしくなる
※①~④までは、おおむねここまでのまとめ。
 ⑤、⑥は、開国から50~60年を経た日本のありようの変化を、
 寺田なりに感じ取った上で、戦争に没頭していく日本に
 やんわりと警鐘を鳴らしていると思われる。
 ⑦は、締めにふさわしく深い話。
 この辺りの私見など含めて、
 次回は「寺田寅彦で読む 『地震と日本人』」第1期最終回をお送りいたします。

今も昔も、日本人の周りは神だらけ 日本人の自然観(昭和10年10月 『東洋思潮』より)-④

~日本人の精神生活~
(1)宗教
①一神教と多神教
「単調で荒涼な砂漠の国には一神教が生まれる」と、
誰かは言った
→多彩にして変幻極まりない自然を持つ日本では、
 逆に八百万の神が生まれ崇拝され続けてきたのは当然
→山も川も木も、一つ一つが神であり人
→それを崇め、それに従うことによってのみ生活、生命が保証される
→また、地形の影響で住民の定住性や土着性が決定された結果は、
 いたるところの集落に鎮守の社を建てさせることになった
②仏教の浸透
仏教が土着し発育を持続した要因
=教義の含有するいろいろの因子が日本の風土に適応したため
=仏教の根底にある無常観には、日本人のおのずからな自然観と
 相調和するところがある
→地震や風土の災禍が頻繁で、しかも全く予想し難い国土に住むものにとっては、
 天然の無常は遠い祖先からの遺伝的記憶となって、五臓六腑に染み渡っている
※常に自然との対峙を余儀なくされる日本では、
 ある意味多神教になるのが必然と言えるかもしれない。
 それを土着化傾向の強さがさらに補強して、
 集落ごとに神が生まれた結果、「八百万の神」が生まれたと言えるかもしれない。
 それをある程度許容できる仏教が日本文化には組み込まれ、
 許容できないキリスト教は簡単に浸透しなかった違いかもしれない。

(2)科学
①日本以外の国
・雨のない砂漠の国では天文学は発達しやすい
・自然の恵みが乏しい代わりに自然の暴威が緩やかな国では、
 自然を制御しようとする欲望が起こりやすい
②日本
・多雨の国である日本では、天文観測を常に行えるとは言い難く、
 天文学の発達が妨げられた
・全く予想し難い地震や台風に鞭打たれ続けている日本人は、
 それらの現象の原因を探求するよりも、それらの災害を軽減し回避する
 具体的方策の研究にその知恵を傾けた
→おそらく日本の自然は、西洋流の分析的科学が生まれるためには、
 あまりに多彩で、あまりに無常であったかもしれない
→日本人の頭脳が低級なためではなく、環境のせいであって、
 事実日本古来の知恵を無視した科学が大恥をかいた例も、数えきれないほどある
※自然をくみしやすい相手と見るかそうでないものと見るかは、
 確かに大きな違いかも知れない。
 西洋科学の粋を結集しても、地震を起こすことはできても、
 地震の到来を予想し、それを抑え込む方法はいまだ見つけられていない。
 優劣というのは、しょせん相対的なものである。
 地震の経験値などは、日本の方が圧倒的に積んでいるわけだし、
 今回のことでもわかったことだが地震研究は国防に直結するとも言える。
 もちろん行政の側にも聞く耳を持つことが必要なのだが…。

(3)文学、諸芸術
①記紀
・『神話と地球物理学』という別著に詳しい
②おとぎ話や伝説、口碑(=口伝)
・日本の自然とその対人交渉の特異性を暗示しないものはない
③源氏物語や枕草子
・日本のあらゆる相貌を指摘する際に参考すべき、一種の目録書きが包蔵されている
④短歌、俳句
・短歌や俳句で扱う自然は、科学者が扱うような人間から切り離した
 自然とは全く趣を異にしたもの
・単に普通にいわゆる背景として他所から借りてきて添加したものでもない
・人は自然に同化し、自然は人間に消化され、
 人と自然が完全な全機的(≒普遍的)な有機体として生き動くときに
 おのずから発する発音のようなもの
・全機的世界の諸断面の具象性を決定するに必要な座標としての時の指定と
 同時にまた空間の標示として役立つものが、いわゆる「季題』
・『枕詞』には、それ自体が天然の景物を意味するような言葉が非常に多く、
 中には季題となるものも少なくない
→それらが表面上は単なる音韻的な連鎖として用いられ、
 悪くいえば単なる言葉の遊戯であるかのごとき感を呈しているにもかかわらず、
 実際の効果においては単なる言葉遊びの範疇に収まらないことは、
 多くの日本人の疑わないところ
→寺田的には、ある特殊な雰囲気を呼び出すための呪文のような効果を示すもの
→日本人のような特異な自然観の所有者に対してのみ有効
・俳諧(=俳諧連歌)から発句(=俳句)への変化が、日本固有の自然観を
 広く一般民衆の間に伝播するという効果を生じた
→俳句を理解したフランス人などに言わせると、「日本人は皆詩人である」という
→俳句の詩形が短く、誰でも真似しやすいため
&そういう詩形を可能ならしめる重大な原理が、
 まさに日本人の自然観の特異性の中に存し、その上に立脚しているという
 根本的な事実があり、それが国民の間に染み渡っているという必須条件が
 立派に満足されていう事実を忘れてはいけない
※このあたりは、俳人の一面も持つ寺田だけのことはある。
 ワシみたいな素人が突っ込んだりする隙などございませんな。

⑤絵画
・仏教的漢詩的な輸入要素、和歌的なもの、俳句的なものとの
 三角形的な対立が認められる
  狩野派=仏教的漢詩的
  土佐派=和歌的
  四条派=俳句的
・いずれの流派にも言えることは、日本人が輸入しまた想像しつつ発達させた絵画は、
 その対象が人間であっても自然であっても、それは決して画家の主観と対立した
 客観のそれではなく、両者の結合し交錯した全機的な世界自身の表現
・西洋にそれを気付かせたのは、浮世絵との偶然の出会いから
⑥音楽
・純粋な器楽に近い三曲(注4)も、その表現せんとするものがしばしば自然界の音である
・楽器の妙音を形容するために、自然の物音がしばしば比較に用いられる
・以上より、日本人は音を通じても自然と同化することを意図しているように思われる
(注4)三曲=三曲合奏
近世邦楽の三種の楽器(筝(=琴)、三味線、尺八(もしくは胡弓))による合奏

あるがままを、味わい、楽しむ。それが日本人 日本人の自然観(昭和10年10月 『東洋思潮』より)-③

~日本人の日常生活~
(1)食生活
①太古
・魚貝や鳥獣の肉を常食としていたと思われる
②弥生以降
・南洋または大陸からいろいろな農法が伝わる
・一方で肉食を忌む仏教の伝播とともに菜食が発達
・その中から米穀が主食物となったと思われる
③肴
・「さかな」と読み、「酒菜」とも書く
・このことより、副食物は主に魚貝と野菜
・ともに種類、数量とも豊富
・新鮮な物が手に入りやすい所に主要な人口が分布していた
・余計な手間をかけずに新鮮な材料本来の美味を、それに含まれた
 ビタミン(注3)とともに、損なわれない自然のままで摂取するのが
 最適であることを知っていた
  (注3)ビタミン
 この場合、今日的なビタミン以外にもミネラルなども含まれると思われる

④食物の季節性
・季節に応じた食用の野菜魚貝の年周期的循環が、
 それだけでも日本人の日常生活を多彩にしている
→「はしり」を喜び「しゅん」を貴ぶ
※料理という技術が発展するということは、
 裏を返せば素材のままでは食べられない何がしかの理由があるということ。
 「日本料理」というもののイメージが漠然としているのは、
 逆に言えば調理の必要がないほど素材がよく、そのままでもおいしくいただけることの証。
 そして、素材のままをいただいているから、「はしり」や「しゅん」を
 敏感に知ることができる。
 技術も大事かもしれないが、旬の素材をそのままいただける幸せを、
 日本人なら味わいたいものである。

(2)衣服
①素材
・植物性の麻布や綿布が主要な材料
・毛皮や毛織物はたいていが輸入品
・日本の気候には麻や綿が向いていると思われる
・養蚕の輸入後は、それがまたちょうど風土に適したため絹布は輸出品となるほどに
 成長した
②様式
・近代では洋服が普及したが、固有な和服が跡を絶つのは考えにくい
→冬湿夏乾の西欧で発達した洋服が、冬乾夏湿の日本の気候で育った和服に比べて、
 生理的効果が優れているかは、科学的研究を経た上でなければ判断しにくい
→日本に来ている西洋人が夏に好んで浴衣を着たり、ワイシャツ一つで
 軽井沢の街を歩いているのを見ても、和服が決して不合理ということではないと言える
→しかし、日本の学者はそういう身近なテーマについて研究したがらない、
 不思議な学風がある
※ワシも夏場は甚平を愛用しとります。
 ダボダボのTシャツとかも悪くないんだけど、
 汗かいてもまとわりつかないのが、甚平の素敵なところ。
 浴衣ともなると、最近では男女別なく夏の風物詩的になりつつありますな。
 着物となるとフォーマルすぎることもあってなかなか着る機会はないが、
 和服が復権しているのはいい傾向と思われる。

(3)家屋
・木材が主に使われている
・いたるところに良材が繁茂していたから
・頻繁な地震や台風の襲来に耐えるため平屋か二階建て
・五重塔などは特例
→これは建築に示された古人の工学的才能であり、現代学者でも驚嘆するところ
・床下の通風を良くして土台の腐朽を防ぐのは、高温多湿の気候には絶対必要で、
 これを無視して造った文化住宅は数年で根太が腐る
→一方で田舎の旧家には百年の家が平気で建っている
・ひさしや縁側を設けて日射と雨雪を遠ざける工夫は、日本の気候に適応した巧妙な設計
→西洋人も東洋暖地に来てようやくバンガローのベランダ造りを思いついたほど
・障子もまた存外巧妙な発明
=光線に対しては乳色ガラスのランプシェードのように光を弱めずに拡散する効果を持つ
=風に対しても、その力を弱めつつ適度な空気の流通を調節する効果を持つ
・屋根の勾配やひさしの深さなどには南国と北国でそれぞれ固有な特徴を持つ
・近来は鉄筋コンクリートの住宅も増えつつある
=地震や台風、家事に対する抵抗力は申し分ない
→分厚い壁が熱伝導を遅らせるために、夏の初半は屋内の温度が高く、
 冬の半分は乾燥が激しい
→長い将来の間にまだ幾多の風土的試練を経た上で、はじめてこの国土に
 根を下ろすことになるであろう
※以前も触れたが、東京スカイツリーには五重塔と同じ「心柱」が用いられている。
 これなどは、現代建築が風土的試練を受けた末に生まれた
 一つの完成形と言えるだろう。
 いっぽうで鉄筋コンクリートの住宅は、エアコンや除湿器、加湿器などの
 電化製品を利用して弱点を補おうとした。
 しかし、それらによる内外温度差が、例えば結露や、
 例えばエアコンを原因とする冷え性など、
 結果として様々なひずみを生んでいるわけで、
 そういう意味で言えばまだまだ風土的試練を受ける必要があると言えるかもしれない。

(4)庭園
・日本人の自然観の特徴を説明するのに格好な事例
・西洋の庭園
 自然を勝手に手製の鋳型にはめて幾何学的な庭を造って喜んでいることが多い
・日本の庭園
 なるべく山水の自然を損なうことなしに住居のそばに誘致し、
 自分はその自然の中に抱かれ、その自然と同化気持ちになることを楽しみとする
・中国の庭園
 本来は自然をかたどったものだろうが、むやみに奇岩怪石を積み並べた
 貝細工の化け物のような庭は、純日本趣味の日本人の目には
 自然に対する変態心理者の暴行に見える
・盆栽、生け花、床の間の花鳥風月の掛軸
 =庭園の延長であり圧縮とも言える
・花見遊山、月見、星祭
 =庭園の拡張と考えることができる
※この項を見ると、こぞって高尾山に登る理由もうかがい知れるというもの。
 日本人に必要なのは、公園のような作られた緑地ではなく、
 日本庭園のような凝縮された自然や、
 あるいはそれこそ高尾山のような自然そのものであると言えるだろう。
 そういうものが都会のそば近くにあれば、庭なしのマンションでも
 問題ないのかもしれない。

(5)農林業
・日本人口の最大多数=植物栽培に関与
→(4)に関連して庭園的な要素を持つとしている
・農業者
=あらゆる職業者の中で最も多く自然の季節的推移に興味を持ち、
 自然の異常現象を恐れる
→この事が彼らの不断の注意を自然の観察に振り向け、
 自然の命令に従順に服従することによって、
 その厳罰を免れ、その恩恵を享有するよう努力させる
   (反対例)寺田の知り合いの忙しい実業家
  寺田がその人に、眼前の若葉の美しさについて話したら、
  その人は「なるほど、今は若葉時か」と言って、
  初めて気がついたように庭上を見渡した
  →気忙しくばかりしていて、時候のことについて考えたりする余裕がなかった
  →こういう人ばかりでは農業は成立しない
※思えば最近若者の就農がブームになり始めているのは、
 都会の気忙しさに若者が疲れたということなのか。
 それとも、一億総中流化を経て生活を楽しむ余裕が生まれてきた証拠なのだろうか。

(6)漁業
漁師もまた、日々の天候に対して敏感な観察者
→古老の中には、気象学者もまだ知らない空の色、風の息、雲のたたずまい、
 波のうねりなどの機微なる兆候に対して、尖鋭な直感的洞察力を持っている
→長い間命がけの勉強で得た超科学的科学知識により、
 海の恩恵を受けつつ海の禍を避けることを学んできた
→山幸彦と海幸彦の神話に代表される、海陸生活の接触混合が
 大八洲国(=日本)の住民の対自然観を多彩にし、豊富にしたことは疑いもないこと
※関東平野や十勝平野以外に広大な平野を持たない日本では、
 もともと山と海が接近している。
 最近の研究で、山の恵みが海を育んでいるという事が知られ始めているが、
 昔の日本人は経験則か感覚か何かでそれを知っていたのではなかろうか。

複雑な地形が「ムラ社会」を生んだ 日本人の自然観(昭和10年10月 『東洋思潮』より)-②

(2)地形的地理的要素
日本の土地は大陸の辺縁のもみ砕かれた破片
=プレート理論で言えば、4つのプレートが寄り集まった上に日本列島は乗っかっている
→そうした複雑な地質の存在と相違を生む原因となった地殻運動のせいで、
 複雑な地形の分布や水陸の交錯を生み、頻繁な火山現象がそれを助長
①複雑な地形
=居住者の集落の分布やその相互間の交通網の発達を阻害
→山脈や川の流れによって細分化された地形ごとに小都市の萌芽が発達
→民族の土着する傾向になりやすくなる
→土着した住民は、それぞれの土地に適応しながら次第に分化
→地方的特性を涵養しながら、各自が住み着いた土地への根強い愛着の念を
 培養してきた
※日本がしばしば「ムラ社会」と言われるのは、その複雑な地形に起因するという説。
 そしてこのことは、日本人の愛国心が愛郷心の延長線上にこそ存在するという
 証左になりうる。
 我が北海道への開拓の入植は、しばしば町や村単位で行われ、
 しばしば元の町や村の名前をそのまま入植地に付けるのも、
 こういったことに起因しているのだろう。
 震災復興が叫ばれている今、こういったコミュニティの存続が今後
 問題となってくる場合もあるだろうし、コミュニティを街づくりに活かすという
 考え方も必要になってくるかもしれない。

②地震
=地震系に感じる程度の地震なら日本のどこかで一つ二つ起こらない日は稀
=顕著あるいはやや顕著と称する(=体感のある地震)地震の起こらない月はない
=破壊的で家屋損壊を生じ死傷者を出すような地震でも、
 3、4年も待てばきっと帝国領土のどこかに突発するものと思って間違いない
→この現象は我が国建国以来おそらく現代とほぼ同じ頻度で繰り返されてきただろう
  (例1)日本書紀第十六巻
 太子が鮪(しび)という男に与えた歌にも「ない(注1)」が現れている
  (注1)「ない」=地震の古称
  (例2)日本書紀第二十九巻
 天武天皇の御代における土佐国大地震と、それに伴う土地陥没の記録
→動かぬものの例えにさえ引かれる大地が、時として大きく震え動くという
 体験を持ち得てきた民族とそうでない民族とは、自然というものに対する観念において
 かなり大きな懸隔をしても不思議ではない
→このように恐ろしい地殻変動の余韻として、複雑な景観を作り出しているわけだから、
 地震の見方というものも少しは違ってくるのではなかろうか

③火山活動
・日本の山水美は火山に負うところが多い
→国立公園として推された風景の多くが火山関係である事実
→美しい曲線美を持つ火山は、しばしば女神にたとえられる
(小まとめ)
日本の大地は、「母なる土地」であると同時に、「厳父」としての側面も垣間見せる。
→その配合よろしきを得られれば、人間の最高文化が発達する見込みがあるだろう
※地震や火山活動に関しては、書いてある以上でも以下でもないと思われる。
 豊穣や四季の彩を見せる母なる大地としての側面と、地震や噴火といった
 厳父のような側面を、我々日本人は有史以来見続け、
 付き合ってき続けているわけで、この国に住む限りそれは続くことだろう。

④地殻のモザイク、日本
・特殊な鉱産物に注目すると、その産出額の物足りなさを感じさせる
 →日本の地殻構造が細かいモザイク状であり、他の世界の種々の部分を
  狭い面積内に圧縮した、ミニチュアとでも言ったような形態になっているため
・地質の多様な変化による植物景観の多様性
  (例1)
 花崗岩ばかりの山と浸蝕のまだ若い古生層の山
 →山の形態が違う上に、それらを飾る植物社会に著しい相違が目立つ
  (例2)
 おなじ火山の裾野でも、土地が灰砂で覆われてる所と溶岩の露出している所。
 また溶岩の噴出年代
 →おのずからフロラ(注2)の分化を見せている
  (注2)フロラ=ある地域に生育する各種植物の全体
  (例3)
 農産物の多様性と、複雑な地形が生み出す曲線的な田畑の輪郭
  (例4)
 同種の植物の著しい分化
 →図鑑片手に素人目に見てもその判別が難しいほど植物にさえ
  このように多様な分化を生じせしめた、日本の環境の多様性
 →人間の生理を通してその心理の上にまでも何かしら類似の多様性を
  分化させる効果を持たないでは済まない
 →植物界は動物界を支配する
 →不毛の地に草が芽を出せば、それが昆虫を呼び、昆虫が鳥を呼び、
  その鳥の糞が新しい種子を運び入れる
 →その繰り返しが獣類をも呼び込むと、ついには一つの社会を現出する
 →多様な「社会」が現出している日本に生まれた幸福を、充分に自覚していい
・水産生物の種類と数量の豊富さ
  (理由)
 ・日本の海岸線が長く、また広い緯度の範囲に渡っているため
 ・いろいろな温度、塩分、ガス成分を含みながら相錯雑する暖流と寒流
先史時代(石器時代、縄文、弥生の時代)の遺跡からは、貝塚が発見されている
→その頃の漁場は浜辺岸辺に限定
→船と漁具の発達により、次第に漁場を沖の方に押し広げ、同時に漁獲物の量、
 種類とも豊富に
→現在では発動機、冷蔵庫、無線機を載せて、千海里近い沖までも海の幸の領域を拡張
→また海藻、ウニ、塩辛類、肝油などには、今だ科学では解明されていない
 多様な成分が含まれているが、日本人は何百年も前からそれらを好んで食べていた
※植物園などに行っても、見た目ほとんど変わらない植物にそれぞれ
 名前を与えられている光景を目にすることができる。
 人間にも同じことが言えるのではないか、というお話し。
 また、同じ食べ物であっても食べ方にヴァリエーションがあるし、
 そういう意味では日本人は非常に個性豊かで、
 コレと捉えにくい民族であるとも言えるだろう。

(まとめ)
・複雑な環境の変化に対応せんとする不断の意識的ないし無意識的努力は、
 その環境に対する観察と精微と敏捷を招致し養成する
・自然の驚異の奥行きと神秘の深さに対する感覚を助長し、その神秘と威力を
 知れば知るほど、人間は自然に対して従順になり、自然に逆らう代わりに
 自然を師として学び、自然地震の太古以来の経験を我が物として、
 自然の環境に適応するように務める
・大自然は慈母であり厳父である。
 厳父の厳訓に服することは、慈母の慈愛に甘えるのと同等に我々の生活の安寧を
 保証するために必要
・日本は自然の慈母の慈愛が深くて、その慈愛に対する欲求が満たされやすいため、
 住民は安んじてその懐に抱かれている
・一方で厳父の厳罰の厳しさ恐ろしさが身について、その禁制に背き逆らうことの
 不利をよく心得ている。
・結果として自然の充分な恩恵を甘受すると同時に、自然に対する反逆を断念し、
 自然に順応するための経験的知識を収集し蓄積することに務めてきた
・西洋科学の成果を、何の骨折りもなくそっくり継承した日本人が、
 もし日本の自然の特異性を深く認識し、自覚した上でこの利器を適当に
 利用することを学び、そうしてただでさえ豊富な天恵をいっそう有利に
 享有すると同時に我が国に特異な天変地異の災禍を軽減し
 回避するように努力すれば、おそらく世界中で我が国ほど都合良くできている
 国は稀であろう
・現代の日では、ただ天恵の享楽にのみ夢中になって、天災の回避の方を
 忘れてるように見えるのは、まことに惜しむべきこと

明確な四季と天気がもたらす複雑な気候 日本人の自然観(昭和10年10月 『東洋思潮』より)-①

「寺田寅彦で読む 『地震と日本人』」のシリーズよ始めるにあたって、
一番読んでおきたかった「日本人の自然観」を5つ目に取り上げる。
そもそも検索でこの作品が引っ掛かったことから、
ワシと寺田寅彦があったわけで…。
地震のことばかりではなく、日本人って、日本って何だろうかを、
地震を通して考察している、深い作品である。
今までの中ではかなり長い部類に入るので、5分割でお送りいたします。

~緒言~
日本人の自然観=実は漠然としている
 (例1)
 九州と東北(「内地」の南端と北端)ですら、一つの自然として見ることは
 妥当とは思われない。
よって、「日本人」というくくりも空疎で散漫
 (例2)
 九州人と東北人
 →各個人の個性を超越するそれぞれの地方的特性の支配が、歴然と認められる
そのため、「日本人の自然観」を導き出すのは容易ではない

それでも、有史以来二千有余年この土地に土着した日本人が、
たとえいかなる遺伝的記憶を持っているとしても、その上層を大部分
掩蔽(=覆い隠す)するだけの経験の収穫を、この日本の環境から受け取り、
それに適応するよう努力してきたことは疑いようがないことであろう
→まず、日本の自然というものを知る必要がある
※緒言は序論的な部分であり、どういった感じで話を進めるかを書いている。
 ただ、日本人が多様な個性を持っているということは、
 『秘密のケンミンショー』などを見ても明らかであり、
 共感される方も少なくないことであろう。

~日本の自然~
(1)気候
昭和10年当時の日本領
=北は樺太(亜寒帯)から南は台湾(亜熱帯)まで
→それはごく近代のことであるから、この中では「日本は温帯」という前提で話を進める
温帯の特徴
=季節の年週期(=明確な四季があるということ)
=「天気」という言葉も温帯だけで意味を持つ言葉
 (予測し難い変化をすればこそ「天気」と言える)
→季節の交代や天気の変化は人間の知恵を養成する
=周期的、あるいは非周期的に複雑な変化を示す環境に適応するためには、
 人間の不断の注意と多様な工夫が必要だから
日本の特異性
①大陸の西端に位置する島嶼であることと、列島の南北両側に暖流が
 進入することにより、大陸性気候と海洋性気候の両面が複雑に交錯
→「天気」が多様で、かつ変化が頻繁
  (例)
   雨の呼称の多様性を中心に、気象に関する語彙の多彩さ
   →日本人の自然観の断片が凝縮されている
②台風の存在
 「野分」、「二百十日」
 =日本人が古くから台風を恐れ、その襲来を予期する言葉であり、
  外国人にとっては空虚な単なる言葉として響くだけ
※明確な季節の存在は、外国人からも指摘される、日本の素敵なところの一つと言える。
 また雨や雪の呼称の多彩さは、TVCMなどでも取り上げられるように、
 現代人にとってももはや珍しいものとなってしまった。
 しかし、天気のような微妙な変化を多方面から捉え、
 それぞれに美しい言葉を与えるということは、「虫の音」を「noise」と言いかねない
 欧米人にはわからないかも知れませんね。

「新・中央競馬予想戦記」 2011-03-27

阪神09R 四国新聞杯(4上1000万下 芝短)
  ◎ ④エーシンウェズン
  ○ ⑦サトノロック
  ▲ ⑮ターニングポイント

阪神10R 梅田S(4上1600万下 D中)
  ◎ ⑦シャア
  ○ ⑭サンライズモール
  ▲ ⑥ミダースタッチ
  △ ⑪タイセイワイルド

阪神11R 高松宮記念(4上GⅠ 芝短)
  ◎ ④キンシャサノキセキ
  ○ ⑮ワンカラット
  ▲ ⑤ジョーカプチーノ
  △ ①レッドスパーダ
 本命は、8歳馬ながら連覇のかかる④。
 前走でもまだまだ通用してくれるところを見せてくれたし、
 馬名の元ネタ、モハメド・アリよろしく王者返り咲きの目は充分にあると見る。
 対抗には、休み明けを1つ叩いた⑮。
 前走は明らかに馬体重の重い状態で5着。
 調教後の馬体重では確実に落としてきている。
 もうひと絞り欲しいと言えば欲しいが、地力は高いので逆転の目もあると見る。
 3番手には、芝1200m4戦4勝と実績完璧な⑤。
 関西馬なのに阪神初体験なのは正直どうかと思うが、
 メンバー中3頭しかいないGⅠ馬の一角だけにこなせば当然逆転も。
 あとは、前走の内容に不満が残るが、安定感は買える①を押さえておく。

阪神12R 毎日杯(3歳GⅢ 芝中)
  ◎ ⑭トーセンレーヴ
  ○ ②アルティシムス
  ▲ ⑱サイドアタック
  △ ①ボレアス
 本命は、2戦2勝の超良血⑭。
 阪神実績もあるし、距離実績もメンバー中唯一の2勝。
 ココを勝って本番に向けて弾みをつけたいところ。
 対抗には、重馬場でしか勝ったことのない②。
 阪神も走ったことないし、スタートにも難はあるのだが、
 相手なりには走れそうなので2着3着に食い込むセンスは充分と見る。
 3番手には、1戦1勝と底を見せていない⑯。
 鞍上も勝負気配で、ココで最終切符を手に入れに来ていると見たので、
 その意気込みを買ってみる。
 あとは、芝実績は無いがこなせば強そうな①を押さえておく。

小倉10R フリージア賞(3歳500万下 芝中)
  ◎ ⑬アバウト
  ○ ⑩サウンドバスター
  ▲ ⑮エーシンミズーリ
  △ ⑨シルクフラッシュ

小倉11R 南九州特別(4上1000万下 D中)
  ◎ ⑩ゴーアップドラゴン
  ○ ⑭ツルマルスピリット
  ▲ ③アドベンティスト

小倉12R 熊本城特別(4上500万下 芝短)
  ◎ ⑬サアドウゾ
  ○ ⑩シエラデルタ
  ▲ ⑧フレデフォート
  △ ⑮マスターチアフル

「新・中央競馬予想戦記」 2011-03-26

阪神09R 心斎橋S(4上1600万下 芝短)
  ◎ ⑩サザンスターディ
  ○ ⑭バンガロール
  ▲ ⑮マルカベスト

阪神10R 六甲S(4上OP 芝短)
  ◎ ⑭モエレビクトリー  OPなら
  ○ ⑥クレバートウショウ いろいろ戻って
  ▲ ⑯ファイヤーフロート 安定感買って
  △ ⑨フィフスペトル    地力は上位

阪神11R スプリングS(3歳GⅡ 芝中)
  ◎ ⑰リベルタス
  ○ ⑦ペルシャザール
  ▲ ⑥オルフェーヴル
  △ ⑮ステラロッサ
 本命は、間隔こそ空いたが他には隙の無い⑰。
 距離実績も阪神実績もあるし、何と言っても血統が良い。
 対抗には、これも距離実績のある⑦。
 前走は外枠を引かされ、終始外外を回らされる厳しい内容。
 今回はいいところを引けたっぽいので改めて期待だ。
 3番手には、平坦馬場では重賞でもいい内容の競馬を続ける⑥。
 芙蓉Sぐらい走ってくれれば、チャンスはあると思うんだが…。
 あとは、数少ない距離実績組からリスポリ騎手のガチ稼ぎに期待の
 ⑮をピックアップ。

阪神12R フラワーC(3歳GⅢ 芝中)
  ◎ ⑰マイネイサベル
  ○ ⑪ハブルバブル
  ▲ ⑦サトノフォワード
 本命は、唯一の重賞実績がある⑰を素直に評価。
 前走も休み明けで惜しい内容だったし、地力上位と言えるだろう。
 対抗、3番手は阪神実績のある2頭から。
 距離実績もある⑪を対抗に、まだ底の見えない1戦1勝の⑦を3番手に推す。

小倉10R 牧園特別(4上500万下 芝中)
  ◎ ④サンライズスカイ
  ○ ⑧アキノカウンター
  ▲ ②マイネアロマ
  △ ③ホワイトヒロイン

小倉11R 吉野ヶ里特別(4上1000万下 芝短)
  ◎ ⑥ステラーホープ
  ○ ⑪コクトー
  ▲ ⑨リビングプルーフ
  △ ⑮リキサンシンオー

小倉12R 川内特別(4上500万下 D中)
  ◎ ⑩マカリオス
  ○ ①トーセンヤッテキタ
  ▲ ⑨マーブルアロー
  △ ⑮タコ

「新・中央競馬予想戦記」 2011年第3開催を振り返って

今開催を振り返って
①枠連2つゲット(弥生賞中京記念)で以下のカテゴリーが良かった
 ・重賞全体
   
(全体:11戦通算170.9% :6戦通算168.9% :5戦通算173.7%)
 ・芝中距離
   
(16戦通算148.3%)
 ・小倉競馬場
   (18戦通算127.7%)
②500万下が悪かった
   (11戦通算6.1%)
③重賞が良かったのにオープン戦が相当悪い
   (6戦通算9.5%)
④ダート戦も相当悪い
   (全体:10戦通算16.3% 短:5戦通算12.2% 中長:5戦通算20.0%)

重賞で運良く回収できていたので、開催回収率は82.6%。
年間回収率も63.9%まで回復し、最悪の時期を脱した(と思いたい)。
もっとも、別に予想の精度自体が上がってるわけではないので、
全然楽観視できないのだが…。
とはいえ、焼け太りと言われようが、この勢いはキープしたい。

地震による中山、福島開催がなくなり、
重賞は阪神に集中の上、小倉は実質3週間の延長。
特に小倉は芝コースの痛みが既に相当進んでいる上に、
残り3週間もこのコースで施行するため、
内枠、先行は今週試験的に減点措置を講じる。
今週の買い方は以下の通り
 阪神:条件戦=複勝1点買い OP以上=ワイド
 小倉:条件戦=単勝1点買い OP以上=枠連

「新・中央競馬予想戦記」今週の反省 2011-(10)

3/19の結果
 2勝(須磨特別、ファルコンS) 4敗

3/20の結果
 4勝(伊丹S、阪神大賞典、薩摩S、中京記念) 2敗

3/21の結果
 1勝(フィリーズレヴュー) 3敗
  年間回収率 63.9%
  通算回収率 70.7%

各レースの反省
3/19阪神09R 須磨特別(○)
 長期休み明けながら2番人気に推されたモルガナイトが勝利。
 阪神コースとの相性は、相当良さそうだが、
 長期休み明けというのがあったためやはり買いにくかった。
 本命のランリュウオーはなんとか3着をキープして、複勝回収成功。
 前走同クラスを格上挑戦で勝っているだけに、
 今回はやや距離が長かったかもしれない。
  ※関東馬の入着は、ドリームバスケット(2着)
3/19阪神10R 但馬S(×)
 9番人気のミッキーパンプキンが1着。
 2着に5番人気のスマートシルエット、
 3着に6番人気のデンコウオクトパスが入り、馬連万馬券。
 3頭ともわりと平坦向けっぽい馬たちが来ていたので、
 私の想定とはかなり違う結果になってしまった。
 本命に推していたロイヤルネックレスは5着止まり。
 テン乗りの浜中騎手とは、いま一つ呼吸が合わなかったのか。
  ※関東馬の入着は、ありません
3/19阪神11R ファルコンS(○)
 1戦1勝で休み明けのヘニーハウンドが9番人気で勝利。
 鞍上もなかなか魅力的であるが、実力も相当なものなのかもしれない。
 NHKマイルCでは台風の目になるかもしれない。
 2着には繰り上がり3番手評価(注)のスギノエンデバー、
 3着には対抗評価のテイエムオオタカが入り、ワイドはゲット。
 一方で本命に推したアフォードは、10着に敗れる。
 勝った馬が勝った馬だけに、経験不足を一概に敗因とはしにくい。
 ローカルでの連勝なので、実力不足というべきかも知れない。
  (注)3番手評価のエーシンヒットマンが出走を取り消したため
  ※関東馬の入着は、テイエムオオタカ(3着)

3/19小倉10R はなのき賞(×)
 6番人気のメモリアルイヤーが1着。
 2着にも7番人気のメイショウツガルが入る中波乱。
 キャリアの少ない馬でも、実力があれば勝ち上がれるという話。
 本命に推していたエーティーガンダムは10着に惨敗。
 鞍上と合わなかっただけかな、と思いたいが…。
  ※関東馬の入着は、ありません
3/19小倉11R 海の中道特別(×)
 7番人気のナリタジャングルが勝利。
 今回体重が10㎏減っていたが、
 関東馬ということもあって正直的体重がわからない状態。
 ただ、血統的には長距離向けっぽい感じには見えるので、
 レース選択が良ければオープン昇格も夢ではないだろう。
 2着に対抗のドリームセーリングが入ったものの、
 本命のカノンコードは5着止まり。
 1枠に入ったのに、正直位置取りが後ろ過ぎたか。
  ※関東馬の入着は、ジャングルハヤテ(1着)
3/19小倉12R 香椎特別(×)
 9番人気のマイネルナタリスが勝利。
 2着に5番人気のヤマニンシャスールが、
 3着に7番人気のマイネルアウストロがそれぞれ入り、馬単万馬券。
 勝ったマイネルナタリスは、馬体減が良かった以上に、
 大野騎手の思い切った騎乗が光る。
 芝1800mでの持ち時計を一気に2秒近く縮めてきているので、
 鞍上と良く噛み合った結果とも言えるだろう。
 本命に推したヴァンダライズは5着止まり。
 思い切った騎乗で内枠の不利を克服したマイネルナタリスに対して、
 あまりにも自分の競馬に徹しすぎたため、
 直線で結局外外を回らされる羽目に。
 自慢の差し脚もあれでは活かしきれまい。
  ※関東馬の入着は、マイネルナタリス(1着)、マイネルアウストロ(3着)

3/20阪神09R 伊丹S(○)
 これは順当。人気通りだし、3連単でも安すぎなぐらい。
 勝ったインペリアルマーチは、これで3連勝。
 ようやく良血開花といったところか。
  ※関東馬の入着は、ありません
3/20阪神10R 若葉S(×)
 12番人気のダノンミルが勝利。
 持ち時計を一気に2秒以上縮めてきているので、
 やればできる子ということなのだろう。
 本命に推したダノンシャークが手堅く3着に入っていただけに、
 せめてもう1頭入着して欲しかった。
  ※関東馬の入着は、ありません
3/20阪神11R 阪神大賞典(○)
 芝3000mの持ち時計2位のナムラクレセントが勝利。
 初重賞がステイヤーズSだった和田騎手が騎乗だっただけに、
 鞍上は長距離が得意なのかもしれない。
 2着に実質本命のコスモメドウ、
 3着に3番手評価のモンテクリスエスが入り、ワイドはゲット。
 芝3000mの持ち時計トップのオウケンブルースリは8着に惨敗。
 負けが込んできているし、終わってしまったかなぁ…。
  ※関東馬の入着は、コスモメドウ(2着)

3/20小倉10R 薩摩S(○)
 これは順当。
 小倉が得意なようなので、今夏の小倉の重賞戦線
 (距離適性的には北九州記念辺りか)を賑わせる存在になりそう。
 一方、対抗に推したケンブリッジエルは7着。
 去年の夏から休みなく使われてるせいなんですかねぇ…。
  ※関東馬の入着は、ストロングポイント(2着)
3/20小倉11R 中京記念(●)
 また、やっちゃいましたねぇ。
 1着には順当にナリタクリスタルが入着したものの、
 2着には海外GⅠを勝ったことがあるとはいえ
 8番人気のシャドウゲイトが入着。
 同枠のチョウカイフライトを4番手評価で買っていたため、
 枠連3930円ゲットしちゃいました。
 牝馬限定戦減点法を使ったのも良かったようで、
 セラフィックロンプ12着、ブロードストリート8着など惨敗。
 しかし、代わりに買ったバトルバニヤン(16着)やラフォルジュルネ(15着)がもっとダメ。
 とりあえず今回は、この幸運を素直に受け取っておくとしよう。
  ※関東馬の入着は、シャドウゲイト(2着)
3/20小倉12R 錦江湾特別(×)
 休み明けで13番人気のデンコウヤマトが勝利。
 2着のアドベンティストはともかく、
 3着にも10番人気のナリタカービンが入り、3連単198万馬券の大波乱。
 デンコウヤマトに関しては、リフレッシュできたと判断するしかないかなぁ…。
 本命に推したキングオブヘイローは惜しくも4着。
 上がりタイムなどを見ても余力がなかった。
 やや重ということで切れ味勝負の様相になったのが敗因か。
 テン乗りの北村友一騎手にはやや荷が重かったか。
  ※関東馬の入着は、デンコウヤマト(1着)、アドベンティスト(2着)

3/21阪神08R 阪神スプリングジャンプ(×)
 長期休み明けで9番人気のオープンガーデンが勝利。
 2着の5番人気テイエムトッパズレはともかく、
 3着にも11番人気のスズカスペンサーが入り、3連複15万馬券の波乱。
 オープンガーデンは、もともと力がある馬だけに、
 本当ならここを弾みに中山グランドジャンプ制覇と行きたいところだったろうが…。
 地震が恨めしいと思ってるかもしれない。
 本命に推したタマモグレアーは6着に敗れる。
 阪神の障害戦は初めてだったのだが、何かしっくりこない部分があったのだろうか。
  ※関東馬の入着は、オープンガーデン(1着)
3/21阪神09R うずしおS(×)
 8番人気ながら対抗評価だったスプリングサンダーが勝利。
 勝っても負けても僅差の戦いが続いていたので、粘り強さが身上。
 連勝で勢いが出てきているので、次も相手次第では面白い1頭だろう。
 一方で本命に推したホーカーハリケーンは10着に惨敗。
 前走の長距離輸送が、実は相当大ダメージだったのかも。
 ちょっと間隔を開けた方が良いかもしれない。
  ※関東馬の入着は、ありません
3/21阪神10R ポラリスS(×)
 8番人気のダイショウジェットが勝利。
 2着のマルカベンチャー同様不良馬場を利した結果といえるだろう。
 本命に推したケイアイガーベラは実力上位で不良馬場にも対応できたが、
 あと1頭が間に合わず回収はならず。
  ※関東馬の入着は、ありません
3/21阪神11R フィリーズレヴュー(○)
 3番手評価のフレンチカクタスが勝利。
 相手なりに走れるタイプだっただけに、存外順調に来ている馬とも言える。
 本番では強い馬が1頭いるが、相手候補としては買いやすい1頭だろう。
 もちろん人気にはなるだろうけど…。
 2着のスピードリッパーは間隔が開いていてちょっと買いにくかったものの、
 3着に本命のエーシンハーバーが入ってワイドで4ケタ配当ゲット。
 スピードリッパーは次も横山典弘が乗るならそれなりに人気になりそうな気はする。
  ※関東馬の入着は、フレンチカクタス(1着)、スピードリッパー(2着)

関東馬は出走数の割にはきっちり入着しているので、
地震の影響は思ったより低そう。
出てくる馬はきっちり仕上げてきているということだろう。
これ以上のことは、開催総括にて。

国を守るのが、愛国心で大和魂の発露なら… 天災と国防(昭和9年11月『経済往来』より)-④

台風の襲来を未然に予知し、
進路や勢力の消長を今より確実に予測するためには…
・太平洋上、日本海上にさらに若干の観測地点を設置
・大陸方面やオホーツク海方面にも観測網を拡大
→現状(昭和9年)では、細長い日本島弧の上に、
 ただ一連の念珠のように観測所の列が分布しているだけ
(例)伝え聞いたアメリカの計画
太平洋上に浮き飛行場を設けて横断飛行の足がかりに
→これが可能ならば、洋上に浮き観測所の設置も可能なのでは?
※現代においては、AMEDASによって、
 気象観測の範囲は南鳥島や与那国島、南大東島にまで及んでいる。
 しかし、日本領だと主張している尖閣や竹島にはそれは無く、
 竹島に至っては韓国の気象観測台が置かれ、
 竹島の天気は韓国側が取ったデータをそのまま流用しているという話もある。
 その辺りも含めて、領土問題には戦略的な対処が必要なように思われるのだが…。

人類の進歩に伴って、愛国心や大和魂も進化すべき
→砲煙弾雨の中に身命を賭して敵陣に突撃するのも貴い大和魂かも知れない
→下手な敵国よりも強敵である天然の暴威に対して、
 普段から国民一致協力して適当な科学的対策を講ずるのも、
 また現代にふさわしい大和魂の進化の一側面として期待すべき
→天災の起った時にはじめて大急ぎで愛国心を発揮するのも結構だが、
 20世紀の科学的文明国民の愛国心の発露は、
 もう少し合理的な様式があってしかるべき!
※締めで、やはりやんわりと「対外戦争なんかやってる場合なんですか?」と主張。
 戦争が国家間の努力によって回避できるのと同様、
 天災だって民衆の普段の努力によって被害を最低限に抑えることは可能である、
 というのが寺田の主張であると思われる。
 今日行われている助けあいも大いに結構なことだが、
 それは結局のところみんなで痛みを分かち合うということ。
 あらかじめ被害を最低限に抑えることができれば、
 そもそも痛みを分かち合う必要すらなくなる可能性だってあるわけだし、
 その方が合理的なんじゃないの、と寺田は考えてるのだと思われる。

陸軍、海軍、防災軍! 天災と国防(昭和9年11月『経済往来』より)-③

以上を踏まえて、文明と災害の関係を充分自覚して、
平生からそれをに対する防御策を講じる必要があるのに、
それがいっこうにできていない理由とは…
→そういう天災が、きわめて稀にしか起こらないため
→しかし、昔の人間は過去の経験を大切に保存し、蓄積してその教えに頼ること甚だ忠実
 ・過去の災害に耐えたような場所にのみ集落を保存
 ・時の試練に堪えたような建築様式のみを墨守
→そうした経験に従って造られたものは、関東大震災でも多くは助かっている
(例1)震災後横浜から鎌倉にかけて検分した時…
 ・丘陵のふもとを縫う古い村家は存外平気
 ・田んぼの中に発展した新開地の新式家屋は、めちゃくちゃに破壊されていた
(例2)室戸台風の被害の伝聞
 ・古い神社仏閣は存外あまりいたんでいない
 ・時の試練を経ない新様式の学校や工場は無残に倒壊
→文明の力を買いかぶって自然を侮りすぎた結果ではと、寺田は想像
→これは決して当局者だけに任せるべき問題ではなく、
 国民全体が日常めいめいが深く留意すべきこと
※ダーウィンの「自然淘汰説」ならぬ「社会淘汰説」といったところか。
 日本建築は地震や台風と数千年にわたって戦ってきているわけだから、
 にわか勉強の西洋建築では太刀打ちできない場合が存外多いのかもしれない。
 東京スカイツリーには、五重塔と同じ「心柱」が入っているようで、
 そういう意味で言えば、ハードウェア面における和魂洋才自体は、
 着実に進んでると言えますね。


小学校の倒壊がおびただしいことは、実に不可思議
・政党政治の宿弊に根を引いた不正な施工のせい(噂)
・吹き抜き廊下(片面が柱だけで壁が無いため?)のせい
・大概の学校は周囲が広い空き地に囲まれているため、
 風当たりが強くその上2階建てであるため
→いずれももっともらしい気もするが、
 ともかく今回のような烈風の可能性を知らなかった、もしくは忘れていたことが、
 全ての災厄の根本原因であることに疑いない
→工事に関係する技術者が我が国特有の気象に関する深い知識を欠き、
 通り一遍の西洋直伝の風圧計算のみを頼りにしたためでもあるのでは…?
→工学者の謙虚な反省を促すとともに、天然を相手にする工事では、
 西洋の工学のみに頼ることはできないと、寺田は考える
※小学校の耐震強度問題は現代においても数年前から問題になってますが、
 代替施設などの問題もあるのか、なかなか立て直しは進んでない様子。
 広大な土地と一通りの施設がある学校は、
 災害時避難施設となっているところも多いと思われるので、
 この機に耐震強度の見直しなども行った上で、
 安心して避難できる施設としての学校歳築を目指してもらいたいものであるが…。

室戸台風で損害の特に甚大な地域は、明治以降発展した新市街地なのではと、
寺田は推測
→明治以前、その新市街地があった辺りは、災害に弱い地域であるがゆえに、
 自然に人間の集落が希薄になって行った場所
→せっかく自然淘汰されたのに、浅薄な「教科書学問」が横行したために
 淘汰の事実が忘れられてしまった
→そうして付け焼刃の文明に陶酔した人間は、
 すっかり天然の支配に成功したと思い上がって、所かまわず薄弱な家を建て連ね、
 枕を高くして審判の日をうかうかと待っていたのでは?
戦争
・ぜひとも避けようと思えば人間の力で避けられなくもない
天災
・科学の力でもその襲来を止めるわけにはいかない
・いつ、いかなる程度の地震、暴風、津波、洪水が来るか、
 今のところ容易に予知することができない
→戦争よりも天災の方が恐るべき敵である!
→国家の安全を脅かす敵国に対する国防策は、熱心に研究されている
→一国の運命に影響する可能性の豊富な大天災に対する国防策は、
 政府のどこで研究し、いかなる施設を準備しているのか甚だ心もとない有様
→日本のような特殊な天然の敵を四面に控えた国は、
 陸海軍以外に科学的国防の常備軍を設け、
 日常の研究と訓練によって非常時に備えるのが、むしろ当然なのでは?
→こういった警告を我々科学者は、しばしば当局や国民に与えていたのに、
 当局は目前の政務に追われ、国民はその日の生活にせわしくて、
 そういった忠言に耳を貸す暇がなかったように見える
→誠に遺憾なことである
※前半は繰り返し「社会淘汰論」の話。
 しかし、いくら災害があっても海辺に住みたがるのは日米とも同じらしい
 (『ダイヤモンドオンライン』にそういう記事があった)。
【記事リンク】http://diamond.jp/articles/-/11556
 そういうところにコミュニティを構築してしまった上は、
 簡単には動きたがらない人も多いみたいだしねぇ
 (詳細は、『日本人の自然観』で詳述)。
※ここで寺田が述べている理念は、現代の自衛隊によってある意味達成されている。
 しかし、領土問題が深刻化する現状や、
 消防など地場の救助機能を支える機関とのさらなる連携が必要なケースが、
 確実に増えているわけで…。
 訓練機能や情報の共有化、さらに防衛力強化の観点からも、
 海保や消防との機能統合など防衛省の再編拡充を、
 防災の観点から考えてみる手もあるように思われるのだが…。

文明あるところに災害あり 天災と国防(昭和9年11月『経済往来』より)-②

文明が進めば進むほど、天然の暴威による災害が、その劇烈の度を増すという事実

~経済編~
①人類がまだ草昧(原始時代)の頃、
・頑丈な岩山の洞窟の中に住んでいれば、たいていの地震や暴風でも平気だし、
 破壊されるような造営物自体持ち合わせていない
②小屋を作るようになる時代(冷害と:縄文時代)
・テントや掘っ立て小屋の類ならば地震に対しては安全だし、
 風に飛ばされても復旧は甚だ容易
 →こういう時代には、人間は極端に自然に従順
③文明が進んだ時代(例:現代)
・人間の中に自然を征服しようとする野心が生じる。
・重力に逆らい、風圧水力に抗するいろいろな造営物を建築。
・すっかり自然の猛威を封じ込めたつもりになっていると、
 何かの拍子にオリを破った猛獣の大群のように自然が暴れだす
・災禍の原因は、天然に反抗する人間の細工にあると言っても不当ではない
・災害の運動エネルギーとなるべき位置エネルギーを蓄積させ、
 いやが上にも災害を大きくするように努力しているのは、他ならぬ文明人自体
※冒頭の言葉は有名な言葉であり、また肝に銘じておくべき言葉。
 このまま覚えておいてもよかろう。
 以下は、冒頭の言葉を端的に実証した例の一つ。
 造営物に金をかければかけるほど、それが被災した時のダメージが大きくなるのは、
 確かに当たり前と言えば当たり前なわけだが…。



~社会編~
国家あるいは国民と称するものの有機的結合が進化し、
その内部構造の文化が著しく発展してきたために、
その有機系のある一部の損害が、
系全体に対して甚だしく有害な影響を及ぼす可能性が多くなり、
時には一小部分の損害が全系統に致命的となりうる恐れがあるようになった
(例、というか寺田の想像)
先住アイヌ(のような種族)が日本の大部分住んでいた頃に、
関東大震災や室戸台風が起った場合…
・彼らの小屋は弱震も烈震も、毎秒20mの風も毎秒60mの風も効果にそう差はない。
 よって、彼らの受ける物質的損害は些細なものに違いない。
 それは、野生の鳥獣が地震や風に堪えるのと同様
・食物や衣服も住居も、めいめいが自身の労力によって獲得するものであるから、
 天災による損害は結局各個人めいめいの損害。
・いって、その回復もまためいめいの仕事であり、
 まためいめいの力で回復し得られないような損害は、はじめからありようがないはず
対して、文明が進むと…
・例えば村の貯水池や共同水車小屋が破壊されれば、
 多数の村民が同時にその損害の余響を受ける
・高等動物の神経や血管のように張り巡らされたインフラ網の、
 1ヶ所に故障が起これば、その影響はたちまち全体に波及する
・しかも、高等動物のそれは注意深く保護されているが、
 一国のそれは野天に吹きさらしで、一朝事あれば断絶してしまう。
・もちろん工学者が計算によってそれなりの安全設計を考案しているだろうが、
 例えば変化の激しい風圧を静力学的に考え、
 風速計の数値から導き出した平均風速だけを目安に勘定したりするような、
 アカデミックな方法で作ったものでは、
 弛張の激しい風の偽周期的衝撃には堪えられない
※いまさら原始的な生活に戻ることはできないが、
 現代文明のような相互依存が著しく進んだシステムでは、
 その一部に大災害が起これば今の日本のように、その影響が全体に及ぶというお話。
 ワシみたいに直接には被災していない人間でも、
 一時的に通信が滞ったり、東京にモノを送れなくなったり、
 観たい映画が観られなくなったりと様々な影響を受けるわけです。
 政府などは、そういうことにも留意していないといけないわけですねぇ。
※インフラが血管のように注意深く守られていないという話は、
 まさに福島第一原発のことを予見したようなお話。
 そして、おそらくそれに続く文節のような計算を行って原発を建てているのだろうが、
 アカデミック(この場合「純理論的な」という意味だろう)な方法で作っても、
 「想定外」の力が襲ってきたらかなわないのである。

今そこにある危機 天災と国防(昭和9年11月『経済往来』より)-①

4つ目は、寺田災難論の集大成ともいえる、「天災と国防」。
昭和9年という、『あの戦争』に向かって行くこの国で、
やんわりと「戦争してる場合じゃないんじゃないの?」と訴えるわけですが、
その訴えは現代人にも通じるのではないかと思うのですが…。
ちょっと長いので、今回は4分割でお送りいたします。


昭和9年、日本の「国際的非常時」
・満州国で溥儀が皇帝となる(3月)
・ヒトラー、ドイツ首相と総統を兼務(8月)
・日本、アメリカに対しワシントン海軍軍縮条約の単独破棄を通告(12月、今作発表後)
昭和9年、日本の天変地異の「非常時」
・兵庫県但馬地方の大雪(1月、16名死亡)
・東日本で暴風雨(3月、50名死亡)
・函館大火(3月、2166名死亡)
・東北地方、冷害と不漁で飢饉発生(5月)
・北陸地方で大水害(7月、手取川下流域だけで100名以上死亡)
・室戸台風(9月、2702名死亡)

国際的非常時=まだ無形で実証のないもの
天変地異の非常時=最も具象的な眼前の事実
→こういう時、人は何かしら神秘的な因果作用を想像
→祈祷や厄払いといった他力にすがろうとする
→しかし、統計学的に言って、こういった災禍が重畳したり、
 または平穏無事な年があったりするのは、全くの偶然
→悪い年回りが必ず来るのが自然の鉄則であると覚悟して、
 良い年回りのうちに充分に準備しておくべきというのは、明白すぎるほど明白
→しかし、これほど万人がきれいに忘れがちなのも稀
→一般人は、「そうやって忘れているから日々楽しく生きられる」
 と言っていてもいいが、
 せめて一国の為政の枢機に参与する人々ぐらいは、
 この健忘症に対する診療を常々怠らないようにしてもらいたい
※軍部支配が進む当時の日本において、
 言葉を選んでやんわりと「戦争してるな歳じゃないですよ」という提言。
 例えば室戸台風などは、現代でも語り草になるような激甚災害の一つ。
 もっとも、軍部はこういうのも宣伝に利用して、
 「こういう災害の多い日本には、満州のような安定した土地が必要なのだ」
 とか言いそうだけどねぇ…。
※「こういう悪い巡り合わせ」という意味では、
 今年もすでに「悪い年回り」に該当しうると思われる
 (今回の地震以外にも、山陰地方の大雪や、
  今回の地震にも関係あると言われている新燃岳の噴火)。
 寺田は、こういう年のために良い年回りのうちに
 怠りなく準備すべきだと言っているわけだが、
 例えば阪神大震災から16年、政府は何をやっていたんでしょうねぇ…。
 もっとも、政権選択をしているのは、ほかならぬ我々なわけですが…。



日本は、その地理的な位置が極めて特殊
→国際的にも特殊な関係が生じるため、
 いろいろな仮想敵国に対する特殊な防御が必要
→気象学的、地球物理学的にも極めて特殊な環境の支配を受けるため、
 絶えず特殊な天変地異に脅かされているという事実を、
 一日も忘れてはならないはず
→地震、津波、台風が、このように頻繁に、
 かつ激甚な被害をもたらす国は世界的にも稀
→そのことは、日本人の国民性に優れた諸相を育んだことも否定できない
※日本の、日本人の特殊性と国民性を、災害と結び付けて論考。
 詳細は次回の②で語られているが、
 奇しくも今回の地震によって世界も改めて日本の特殊性を
 思い知ったのではなかろうか。
 そういうことを丹念に発信していくのも、政府の務めだと私は思うのだが…。

映画 『平成ジレンマ』(☆☆☆☆)

戸塚宏氏が捕まった1983年当時、私は8歳でした。
ニュースが流れていたのはぼんやりと覚えてますが、
その顛末についてはこの作品を見るまでよく知りませんでした。

まずびっくりしたのは、入学金の高さ。
ヨットの代金など経費がかかるからかもしれないが、
入れる方としてはけっこうな覚悟が必要に思われる。
入れる方としても、けっこう追い込まれている
という諸事情の話も出てくる。
就職事情と同様に、教育の現場でもドロップアウターは
基本的にいないものとして諸制度が出来上がっているのは問題である。
親たちが頼ってくると同時に、
相変わらず体罰問題がくすぶっており、
人権派(と思われる)弁護士がチームを組んで、
再び戸塚氏を訴追しようと動いているようだ。
しかし、ドロップアウター対策を国や自治体の方で、
もっと充実させなければ、
いつまでも戸塚ヨットスクールは「必要悪」として
存続しうると思われるし、
いくら戸塚氏を訴追したところで根本的な解決にはならないと思われる。

地震以来、寺田寅彦にはまっているのだが、
『災難雑考』という随筆の中で
「艱難、汝を玉とす」という一節が引用されていたり、
「災難をなくすればなくするほど、
人間の頭の働きは平均して鈍い方に移って行く勘定である」
と言っていたりする。
戸塚ヨットスクールの方法論って、
実はこういうことと一脈通じるものがあると、
私は思ったわけであります。
戸塚氏も「体罰は、訓練生を進歩させるためにやっている」
と言っていた。
とはいえ、やはり死者を出したのはまずかったのだろう。
80年代って、「金八先生」や「スクールウォーズ」なんかでも
校内暴力や体罰が問題になった、マスコミが敏感だった時期。
戸塚氏は、ある意味見せしめにされたのかもしれない。
その結果日本の教育は、ついに「ゆとり教育」をも招来し、
学級崩壊やモンスターペアレントを生み出し、
力関係すら逆転してしまった。
戸塚氏の言葉の中には金言がいくつも出てくる
(「教え方より覚え方」が特に印象的だった)。
教育界に一石を投じる名作。

映画 『冷たい熱帯魚』(☆☆☆)

基本エログロなので、万人向けの映画ではありません。
しかし、吹越さんとでんでんさんの、
キレキレの演技が、まじヤバイ。

内容的には『悪魔を見た』と同様の猟奇モノ。
吹越さん演じる社本は、もう典型的ダメオヤジ。
どうやって、妙子さん(神楽坂恵)みたいな人を
再婚相手にもらえたのか不思議なぐらい。
いっぽうのでんでんさん演じる村田は、
話しぶりなどを冷静に聞けば、典型的詐欺師。
アメとムチノ使い分けとか、人をたらしこむ技術とかが、
もう完全にそっち方面。
気弱な社本は、強気な村田に外堀も内堀も埋められて、
村田の悪事の片棒を担ぐことになるわけだが…。

しかし、相変わらず警察の間抜けっぷりったらないよね。
行方不明者30人以上出してる、
しかも手口もだいたいわかってるやつと接触してる相手に、
「アンタ、もしかしてもう共犯者なのかな?」
なんて聞いちゃいかんでしょう。
そんな風に脅されたら、協力したくてもできなくなるって。

それにしても、監督のシュミなのか何なのか知らんが、
出てくる女性陣がことごとくエロい。
セックス描写もあるし、
祝日+会員デーで1000円で観られるったって、
女性が見る映画じゃないような気がするんだが、
混んでる中にけっこういたねぇ。
どんな気持ちで観てたんだろうか。

映画 『トゥルー・グリット』(☆☆☆☆)

西部劇って、日本で言えば時代劇と同じような位置付けだと、
やっぱり思うんです。
でも、今回特に違いを感じさせられたのが、余韻。
時代劇のそれって、事成し遂げた後の虚しさっていうか、
無常感が漂ってくるんだけど、
西部劇は序盤から練り上げて行った、
出会いと、ともにいる時間と、それによって生まれた絆を、
別れという形で解き放つときに生まれる
さまざまな感情が良いと思ったんですよ。

それを今作で改めて堪能したね。
もちろん人間同士のそれも良い感じに描かれてるんだけど、
競馬好きのワシとしては、
リトルブラッキー(マティ(イリー・スタインフェルド)の乗馬)
との別れのシーンが特にグッと来たわけ。
もちろん人間じゃないから演技とかするわけじゃないんだけど、
とにかく最後までタフで主人思いに思わせるものがある。
いい味出してるんですわ。
ラストで流れるカントリー(曲名わからん)が、
また哀愁漂わせてくれるもんだから、
目頭熱くなっちゃいましたよ。
西部劇らしいガンファイトも緊張感があって良いし、
俳優陣の公演も光る。
『英国王のスピーチ』ほどの大作感は無いが、
エンタメとしては上質な一作。

「新・中央競馬予想戦記」 2011-03-21

阪神08R 阪神スプリングジャンプ(4上JG2 障害)
  ◎ ⑫タマモグレアー
  ○ ②マッハジュウクン
  ▲ ⑬ダノンバッカス
 本命は、中山大障害2着の実績を持つ⑫。
 前走は平地競走だったのでとりあえず度外視するが、
 地脚もあるし鞍上との相性も良く、今回も勝ち負け充分と見る。
 対抗には、こちらも地脚の高い②。
 OP昇格後惜しい競馬を続けており、阪神障害での実績もあるので、
 地の利を活かせば逆転も充分と見る。
 3番手には、やや間隔は空いたが連勝機の⑬。
 メンバー中唯一この条件で実績があるので、
 状態万全なら互角以上に戦えると見る。

阪神09R うずしおS(4上1600万下 芝短)
  ◎ ①ホーカーハリケーン
  ○ ⑩スプリングサンダー
  ▲ ②クロワラモー

阪神10R ポラリスS(4上OP D短)
  ◎ ⑤ケイアイガーベラ 阪神に戻って
  ○ ⑥ワールドワイド   距離は向く
  ▲ ①ミリオンディスク  近走内容充実

阪神11R フィリーズレヴュー(3歳GⅡ 芝短)
  ◎ ⑥エーシンハーバー
  ○ ⑨フォーエバーマーク
  ▲ ⑪フレンチカクタス
 アネモネSがなくなった今年、実質桜花賞の最終トライアル。
 本命は、連勝中で3戦3連対の⑥。
 鞍上も魅力的だが、阪神ではやや末が甘くなるかもしれない。
 対抗、3番手はともに関東馬。
 OPも勝ってる⑨は、本来なら本命だが関東馬ということで一応この評価。
 とはいえ、地力上位だから逆転も充分。
 3番手には、相手なりに走れそうな⑪。
 前走も内容的にはそう悪くないし、
 輸送さえこなせば上位に食い込む力は充分あると見る。

「新・中央競馬予想戦記」 2011-03-20

阪神09R 伊丹S(4上1600万下 D短)
  ◎ ⑫メイショウボンハオ
  ○ ⑦エアウルフ
  ▲ ②インペリアルマーチ

阪神10R 若葉S(3歳OP 芝中)
  ◎ ④ダノンシャーク     連勝の勢いで
  ○ ⑦ヴェルデグリーン   鞍上魅力
  ▲ ⑧ユニバーサルバンク 惜しい競馬続く
  △ ⑮ヒラボクインパクト   連勝機

阪神11R 阪神大賞典(4上GⅡ 芝長)
  ◎ ⑫オウケンブルースリ
  ○ ②コスモメドウ
  ▲ ⑩モンテクリスエス
 トーセンジョーダンが取り消してしまい、一気に混戦模様に。
 その中で本命は、唯一のGⅠ馬である⑫。
 このところ案外な成績が続いてはいるが、
 GⅢ級のこのメンバー相手なら巻き返し必至だろう。
 対抗には、長距離OP戦連勝中の②。
 本来なら本命とすべきところだが、
 関東馬は今週はひとまず本命に推しにくい。
 とはいえ長距離適性は高いのでその利を活かせれば、逆転も充分。
 3番手には、万葉Sで②の2着だった⑩。
 近走を見ても、やはり長いところは向きそうなので、
 本命不在のこのメンバーなら浮上の目はあると見る。

小倉10R 薩摩S(4上1600万下 芝短)
  ◎ ⑨ドリームバレンチノ
  ○ ①ケンブリッジエル
  ▲ ④アスターエンペラー

小倉11R 中京記念(4上GⅢ 芝中)
  ◎ ④ナリタクリスタル
  ○ ⑦ラフォルジュルネ
  ▲ ⑫バトルバニヤン
  △ ⑮チョウカイファイト
 本命は、鞍上が武豊に戻って改めて期待の④。
 安定感もあるし、前走のような無様な競馬にはならないと思う。
 対抗には、3連勝でOPまで駆け上がってきた⑦。
 田辺騎手が合うのか、小倉が合うのかはよく分からないが、
 とにかく勢いでは他を圧倒するものがある。
 3番手以下が混戦。
 3番手には前走評価されて斤量も背負ってる実力上位の⑫を、
 休み明けを叩いた⑮を4番手に推す。
 3枠や4枠の牝馬勢は一長一短あって正直使いにくい。

小倉12R 錦江湾特別(4上1000万下 D中)
  ◎ ⑤キングオブヘイロー
  ○ ⑯スティールパス
  ▲ ⑫ハジメレンジャー
  △ ①テツキセキ

「新・中央競馬予想戦記」 2011-03-19

まずは、前回の反省会で書かなかった今週の買い方から
 阪神:条件戦=複勝1点買い OP以上=ワイド
 小倉:条件戦=単勝2点買い OP以上=枠連

阪神09R 須磨特別(4上1000万下 芝中)
  ◎ ④ランリュウオー
  ○ ⑬サイレントメロディ
  ▲ ③オレイエンタルジェイ

阪神10R 但馬S(4上1600万下 芝中)
  ◎ ④ロイヤルネックレス
  ○ ⑨ダノンスパシーバ
  ▲ ⑤ソウルフルヴォイス

阪神11R ファルコンS(3歳GⅢ 芝短)
  ◎ ⑯アフォード
  ○ ⑪テイエムオオタカ
  ▲ ⑧エーシンヒットマン
  △ ⑥スギノエンデバー
 本命と対抗は、ポイント的にはほぼ同格だが、
 地震後と言うこともあって関東馬はやや割引。
 というわけで、2戦2勝の⑯が本命、
 重賞ですでに惜しい競馬をしている⑪を対抗に置く。
 3番手以下も混戦だが、
 安定感のある⑧を3番手に、はまれば強い⑥を4番手とする。

小倉10R はなのき賞(3歳500万下 芝短)
  ◎ ⑯エーティーガンダム
  ○ ①ベストクローン
  ▲ ⑤エーシンプリーマ

小倉11R 海の中道特別(4上1000万下 芝長)
  ◎ ①カノンコード
  ○ ⑧ドリームセーリング
  ▲ ②ブルーモーリシャス
  △ ③ビエナファンタスト

小倉12R 香椎特別(4上500万下 芝中)
  ◎ ⑥ヴァンダライズ
  ○ ⑫ユキノサイレンス
  ▲ ④メルヴェイユドール

困難を乗り越えて、人は強くなる。それならば… 災難雑考(昭和10年 『中央公論』より)-②

人間の歴史は災害の歴史とも言えるほど、あらゆる災害を繰り返してきた
→とすると、「災難の進化論的意義」が存在するのではと考えられる
→他の動植物が食うか食われるかという危険な状況の中で研鑽淘汰されているように、
 人間も災難という危険な状況によって研鑽淘汰されているのでは…?
 (例)
  ・中国の言葉にも「艱難汝を玉にす」(注4)という言葉がある
  ・植物も少しいじめないと花実をつけないものがある(例:麦)
  ・単細胞生物もあまり恵まれた環境に置いておくと分裂を止めて死滅するが、
   少し揺さぶってストレスを与えると復活する
  (注4)文中では中国の言葉とされている(とするなら『易経』と考えられる)が、
     英語の「Adversity makes a man wise.」(逆境は人を賢くする)
     の意訳とする説などもある

→虐待は繁盛のホルモン、災難は生命の醸母であるとすれば、
  地震も結構、台風も歓迎、戦争も悪疫も礼賛に値するのかも…
→そういう意味では日本の国土は相当恵まれている
  ・台風の道筋に並行するように弧を張っているため毎年引っかかる
  ・大陸塊の縁辺の上に乗っかって、そば近くに海溝を控えているため、
   世界有数の火山数を誇り、また地震も多い
  ・冬や春の乾燥した季節風は火事をあおる
  ・夏の山水美が実は雷雲を生む原因になっている
  ・秋の野分(台風)は稲の花の咲く頃や刈入時を狙ってくるようである
→日本人を日本人たらしめているのは、学校でも文部省でもなく、
  神代から根気よく続けられてきた災難教育の賜物なのでは?
→だとすれば、科学の力を借りて災難の防止を企てるのは、
  せっかくの教育の効果を減殺していることになるのでは?
→いかに科学者が予防法を発見しても、政府はそれをそのまま実行できないし、
  一般民衆もそういうことには無頓着
→そういう意味では世の中うまくできている
→災難は日本だけとは限らない
 ・アメリカ
   たまに相当な大地震がある
   大規模な山火事、熱波、寒波、竜巻もある
   南部では台風の親類であるハリケーンもある
 ・ロシア、シベリア
   海を閉ざす氷と猛吹雪、大地も凍らせる寒さがある
   冬は空気が乾燥しているため野火が起こることもある
 ・中国
   大地震や大洪水があるが、地域が限られている
   大部分が平穏であるがゆえに戦乱、争奪の地になりやすい。
   そのため、庶民が安堵する暇が少ない
→災難にかけては万里同風(どこも似たようなものという意味)。
  浜の真砂が磨滅して泥になり、野の雑草が絶えるまで、
  災難の種も尽きないというのが自然界人間界の真実らしい
※ココで示された考え方は、後日触れる『日本人の自然観』でさらに掘り下げられる。
 それにしても、寺田先生の識見の広さには頭が下がる。
 それに、政府や民衆の本質というのも、なかなか変わらないようですなぁ。
 

雑草=野山に自生する草で何らかの薬にならないものは稀
   →たいがいの草が何かの薬であり、薬でない草を探す方が難しいほど
   →神がそう仕向けたのではなく、草の成分が薬になるように
     人間を含めた動物が進化した結果と考えればさほど不思議でもない
同じように、たいがいの災難でも何かの薬にならないことは稀
→薬も分量を誤れば毒となるように、無制限に災難歓迎というわけにもいかない
→こういった、優生学的災難論の展開も可能か
→災難の予知や災難に常に備えている人間だけが「ノア」のように生き残り、
  その子孫が繁栄すれば、人間の質も向上間違いなし
→そういう意味では、災難は優良種を選択するメンタルテスト(知能試験)
→逆にいえば、災難を減らすということは人間の頭の働きを鈍らせることになる?
→人間の頭脳の最高水準を次第に下げて、みんな凡人になってしまった
 「ユートピア」を夢みる人々にとっては、災害防止は急務
→人間の最高水準を下げれば、最低水準も下がってしまうのが自然の法則だから、
 ゆくゆくは人間も類人猿になってしまうかも?
※ハーバート・スペンサーが唱えた「適者生存」的なお話。
 そして後半の話は、今の日本の現状をそのまま予言したようなお話。
 草食男子が跋扈しだした現代日本は、
 着実に「ユートピア」化しつつあるということだろうか。

~私的総括~
寺田から見れば、災害を押しとどめるのはどう考えても不可能のようなので、
今作ではどう付き合っていくかを模索しているともいえる。
西洋風に言えば、日本人は常に神の試練を受けているということになるのだろう。
注意の上に注意を払うことで、災害をいかようにも軽減できるが、
『津浪と人間』でも災害を災害たらしめているのは人間であると言っているように、
人間が生きている限り災害を根絶することは不可能だし、
むしろそういう刺激をたまに受けておかないと人間が劣化してしまう、とさえ言っている。
この時期にする話としては、やや不謹慎とも思える話だが、
生き残った人たちは生き残ることを許されたとも言えるわけだから、
死んで行った人たちに対して恥ずかしくない生を、
死んで行った人の分まで全うしようと、生き残ったワシも思うわけであります。

災害は、多かれ少なかれ人災! 災難雑考(昭和10年 『中央公論』より)-①

3つ目に取り上げるのは、『災難雑考』。
『津浪と人間』に比べると、かなり大づかみな話であり、
また物理学者らしからぬ社会科学的論考を多く含む内容。
持って回ったような言い方も少なくないので、2分割でお送りいたします。

(例)箱根の吊り橋での出来事
修学旅行の記念写真を撮ろうと、先生が生徒たちを吊り橋の上に並べた
→吊り橋が揺れたのに驚いた生徒が騒ぎ出す
→揺れがさらに激しくなり、ついには橋のワイヤーが切れた
→橋ごと生徒は渓流に墜落。多数の死傷者を出す
→世評は先生を責めるものと橋の弱さを責める者に二分
→寺田的には、どっちにも責任がるとも言えるし、無いとも言えるとしている
→日本という国は、この吊り橋のようなもので、
  しかもいつワイヤーが切れてもおかしくない状況
→極端な話、明日にも宝永4年(注1)や安政元年(注2)のような
  大規模広域地震が起きるかもしれない
→そうすれば、犠牲者の数は吊り橋の件の比ではない
(注1)宝永4年の大規模広域地震
 推定マグニチュード8.6~8.7といわれる東海・南海地震のこと
 東海道、紀伊半島、四国でを中心に2万人以上の死者を出した。
 さらにその直後、連動するように富士山が噴火。その周辺にも大きな被害をもたらした。
(注2)安政元年の大規模広域地震
 前回『津浪と人間』でも触れた安政江戸地震(安政2年)の前に起きていた、
 おもに安政東海地震、安政南海地震のこと。
 この2つだけでも2万人以上の死者を出している

※冒頭のこの話は、日本の地理的危うさを物語るエピソードとも言える。
 ただ、橋の話に例えるのなら、
 民衆は常に注意を払っておかなければならず、
 政府は民衆に常に注意を喚起しておかなければならないということだろう。

吊り橋ならば、注意なり補強なりをすれば被害は防げるかもしれないが、
地震は前触れもなしに起ってしまう
→しかし、「地震の現象」と「地震による災害」とは区別して考える必要がある
・現象=人間の力ではどうにもならない(起こるのを食い止めることはできない)
・災害=注意次第でどんなにも軽減されうる可能性がある
(例)台湾での地震と家
地震の頻度
 =20世紀(1901~1935)の間に10数回の死傷者を出す地震が発生
 =平均して3年半に1回ぐらいのペース
 →執筆時点で前の地震から5年ほど地震が起きていない
 →いつ起きても不思議ではない状態
 →そういう土地で多く建てられているのが土角造り(トウカツづくり、注3)の家
   (理由)
    木造の家はシロアリにすぐ食われてしまう
    それに対して土角造りは断熱性があり、しかも安い
   (注3)土角造り
    竹の柱、茅葺の屋根、粘土を木枠に入れて固めたもの
    (これを土角という)を積み重ね、
    その上から泥を上塗りして隙間を埋めたものを壁とした家

 →そういう家で地震が来ると、中にいる人間は崩れた壁によって圧殺されてしまう
 →行政がなにがしかの手段を講じてやる必要がある
   (例)コンクリート製の家を建ててやる
     土角造りの長所を生かしつつ短所を補う安価な工法の研究、開発
 →研究、開発には、事故の物的経過を災害の現場について詳しく調べ、
  その結果を参考にして次の設計の改善に資するが特に大切
 →しかし、日本では多くの場合…
   ・責任者に対するとがめ立て
   ・それに対する責任者の一応の弁解、ないしは引責で問題が解決したような
    気がして、物的調査による後難の軽減という眼目が忘れられてしまう
 →ひどい場合になると…
   ・誰にも責任が及ばないように実際の原因をおかしくする
   ・見て見ぬふり
   ・強引にもっともらしい不可抗力のせいにする
  などして、問題を打ち切ってしまう
(例)ツェッペリン
  現代においても、ヒンデンブルグ号の墜落(墜落自体は今作発表の後)
  などが有名だが、草創期の度重なる失敗は当時から有名だった。
  →しかし、度重なる失敗にもかかわらず、本人は切腹もしなければ隠居もせず
  →失敗を生かして安全な飛行船を完成させたため、
   そのうち同型の飛行船はすべて「ツェッペリン」と呼ばれるまでになった
  →ツェッペリンが日本の管理であったら、こうはならなかっただろうと寺田は分析
※民衆が便利な方に流れて行くのは仕方ないとしても、
 政府はその流れのままにしておくわけにはいかないので、
 打つべき手を打っておかなければいけないという話(前半)。
※ツェッペリンの例は、今日でも充分通用する、これまた耳の痛い話。
 特にマスコミは、常に新しい獲物を探し回り、
 それまで散々取り上げていたネタには見向きもしなくなるわけだから、
 現在においてはこの傾向はむしろ助長されていると考えるべきかもしれない(後半)。
※『不謹慎」という理由で、科学者の方々もなかなか被災地に入れていない、
 という話をテレビで聞きました。
 そういう空気作りが日本は得意でありますが、
 原因究明という観点から見ればむしろいい迷惑とも言える。
 もっとも、「未来の何万人より、目前のひとりをまず助けろ」
 という話ももちろんありますが…。

しかし、災難の原因を徹底的に調べてその真相を解明して、
それを一般に知らせさえすれば、それで災難は根絶できるというような考え方は、
実は世間知らずな人間の机上の空論なのでは…?
 (例)
  ・いくら殺人犯を捕まえてそれを処刑し、世間に知らしめても、
   いっこうに殺人者はいなくならない
  ・大酒を飲んで不養生をすれば老いてから難儀することが明白でも、
   多くの人はその過ちを犯してしまう
  ・大津波が来たら一息で洗い流されるに決まってる場所でも、
   繁華街が発達して多くの人々が利権争いに夢中になる
   →いつ来るかわからない津波よりも日々の生活の方が切実だから
   →人間が人間の欲望を押しとどめるのは、星の運行を止めるより難しいかも
  ・ある国の炭鉱では、鉱山主が爆発防止の設備を怠っている
   →監督官が検査に来ると、無難な行動以外全部ふさいで検査はパス
   →しかし、結局時々爆発が起こってしまう
こう考えると…
 ・あらゆる災難は多かれ少なかれ人災で、それゆえ簡単に起こりやすい
 ・災難が人為的に起こるために、かえって人間を支配する不可抗な法則の
  支配を受けて不可抗なものになってしまっているだけなのでは
という結論さえ導き出しかねない
※原発の問題に関しては、普段からもっと注意を払っておくべきだったと考えられる。
 実際にはそれほどの危機ではないという言説もあるが、
 いい加減な回答を続けている東京電力のあり方を鑑みるに、
 既に相当な人災と言えるのではないだろうか。
 考えようによっては、最前線に核施設を野ざらしにしているようなもの
 だったわけだから…。
※とはいえ、マスコミ含めてそれをあげつらって責め立てるのは、
 決して建設的ではない、と寺田先生も戒めてるわけで…。 

地震や津波を災害たらしめるのは… 津波と人間(昭和8年『鉄塔』より)

2つ目に紹介するのは、「津波と人間」。
最初の例示からして、かなりタイムリーな内容。
そして、寺田先生から現代へ、含蓄ある提言も行われております。

(例1)昭和8年3月3日「昭和三陸地震」
マグニチュード=8.1
死者=1522名
行方不明=1542名
負傷=12053名
津波の最大波高=28.7m
(例2)明治29年6月15日「明治三陸地震」
マグニチュード=8.2~8.5
死者=21915名
行方不明=44名
負傷者=4398名
津波の最大波高=38.2m

以上のような同様の自然現象が37年を経て繰り返された
→同様の現象は歴史に残っているだけでも過去において何遍も繰り返されている
→現在の地震学上から判断される限り、
 同じことは未来においても何度も繰り返されるだろう
→このように度々繰り返される自然現象ならば、当該地方の住民は、
 とうの昔に何かしら相当な対策を考えてこれに備え、
 災害を未然に防ぐことが出来ても良さそう
→実際にはなかなかそうはならないのが、人間界の人間的自然現象

学者「この地方に数年か数十年ごとに津波が起こるのは既定事実なのに、
   それに対する備えもしないとは何事か」
罹災者「それならなぜ、津波の前に間に合うように警告してくれないんだ。
    今まで黙ってたくせに、起こってからそんなこというなんて、ヒドイ」
学者「10年も20年も前から言ってるのに、お前たちの注意が足りないからいけないんだ」
罹災者「そんな昔のことを、いちいち覚えてなんかいられない」

人間=津波が起こった当初は、それに懲りて高いところだけに居住
   →5年、10年と経つうちにいつともなく低いところを求めて人口が移って行く
津波=人間のそう言った現象などお構いなしに、時が満ちたら容赦なく押し流す
   →これが37年とかそういう長いスパンではなく、2年とか3年とかごとに襲ってきたら、
    津波は天変地異の類ではなくなる
   →逆に台風が地震のように30年おきとか50年おきとかに来るようなものなら、
    日本人は果たして台風に備えるだろうか
(ここまでの結論)
個人の心というものは移ろい、また忘れやすくできてるから、当てにならない
※身につまされるというか、耳が痛いというか、
 こんな正論が現在にも通用してしまうということは、
 我々は当時から一歩も進歩してないということなんだろうなぁ



政府の法令によって、永久的な対策を設けることは可能か?
→国がたとえ永続したとしても、政府の役人は100年をおかず必ず入れ替わる
→役人が代わる間には法令も時々は変わる恐れがある
→その法令が、無事な期間の生活において甚だ不便である場合はなおさら
→政党内閣などというものの世の中だとさらになおさら
※当時から現在の間に、国家体制は変わり、総理大臣がコロコロ変わり、
 与党も変わるありさま。寺田先生の慧眼や恐るべし!



災害記念碑を立てて永久的警告を残すのはどうか
→はじめは人目に付きやすいところに立っていても、
 道路改修、市区改正などが行われるたびにあちらこちらに移され、
 しまいにはどこぞの山蔭の竹やぶの中にでも埋もれるとも限らない
→そういう時に若干の老人が昔の例を引いてやかましく言っても、
 例えば市会議員などというものは、相手にしないであろう
→そうして碑石がうもれた頃になって、津波は足音もなく忍び寄ってくる
(例)同文「追記」より
三陸災害地では、明治三陸地震の時に災害記念碑を立てたが、
昭和三陸地震の頃には二つに折れて倒れたまま転がっており、
碑文などは全く読めなくなっていた
※修学旅行でも、そういう石碑とか見に行ったりしますよね。
 でも、それについて事前に知識を入れておかないと、
 スプレーで落書きする輩が出てきたりするわけですよ。
 こういう石碑を残したことのみに満足していると記憶が風化するというのは、
 今も昔も変わらないようですな。



自然は過去の習慣に忠実
→地震や津波は新思想の流行などには委細かまわず、
 頑固に、保守的に執念深くやって来る
→科学の法則とは、つまるところ自然の記憶の覚え書き
→20世紀の文明という空虚な名をたのんで、安政の昔の経験(注1)を馬鹿にした東京は、
 関東大震災で焼き払われた
(注1)安政の昔の経験=安政の大地震とは
この場合、安政2年10月2日(西暦換算で1855年11月11日)に起きた
安政江戸地震(死者約4300名)を指す

※主要因こそ違うが、ともに東京の下町に大打撃を与えた地震であることから
「安政の経験を馬鹿にした」と表現したのだろう。
また、「20世紀の文明という空虚な名をたのんで」とは、
おそらく凌雲閣(東京初の12階建て高層ビルディング)のことを指していると思われる。
しかも、初期設計にエレベーターを付与して強度をわざわざ弱くするという
初歩的なミスまで犯している。
後述されるが、こういうものを作る愚か者が、「災害を製造する原動力となる」のだろう



こういう災害を防ぐ方法
 1:人間の寿命を10倍か百倍に伸ばす
  (法令や政治の継続性を担保するため)
 2地震津波の周期を10分の1か100分の1に縮める
  (こうなると、もはや天災ではなく年中行事のようなもの)
  →しかし、そんなことは無理な相談なので…
 3:人間がもう少し過去の記録を忘れないように努力する
という結論に到達する
※1や2は、もはや神業というべきレベル。
それに比べれば、3などたやすいと言わざるを得ない。
寺田先生は、ほかの著作でも、もちろん今作でも、このことを重ねて主張している



科学の発達
=過去の伝統の基礎の上に時代時代経験を丹念に克明に築き上げた結果
→だからこそ、台風が吹いても地震が揺すってもびくともしない殿堂ができた
→2000年の歴史によって代表された経験的基礎を無視してよそから借り集めた
 風土に合わない材料で建てた仮小屋のような新しい哲学などは、
 よくよく吟味しないと甚だ危ない
→にもかかわらず、うかうかとそういうものに頼って足下の安全なものを捨てようとする
→それと同じ心理が、正しく地震や津波の災害を招致する
→むしろ、地震や津波から災害を製造する原動力となる
→また、津波の恐れがあるのは三陸海岸ばかりではなく、
 寛永(注2)安政(注1参照)の場合のように太平洋沿岸の各地を襲う場合もある
→その時にはまた日本の多くの都市が大規模な地震活動によって将棋倒しにされる
 「非常時」が到来するはず
→いつ来るかわからないが、常にその時に備えるのが肝要
(注2)寛永の場合とは
寛永10(1633)年に起きた相模・伊豆・駿河地震のこと。
小田原城やその城下に甚大な被害を与え、城郭規模の縮小を余儀なくされた

※地震や津波は確かに恐ろしいが、もっと恐ろしいのは人間たちの慢心だというお話。
 東京電力のお偉いさんなんかに聞かせたい話ですな。


しかし、少数の学者らがいくら骨を折って警告を与えたところで、
国民一般も政府の当局者も決して問題にしない
→それが人間界の法則であるようだから、その法則を曲げることはできない
→明日のことなど心配せずその日その日の享楽を行い、
 一朝天災に襲われたらきれいに諦める
→そうして滅亡か復興かはただその時の偶然の運命に委ねようとする
 捨て鉢の哲学も可能といえば可能
→しかし、せっかく知識を授けられた人間であるならば、
 災害に関する知識の水準をずっと高めることができれば、
 その時にははじめて天災の予防が可能になるであろう
→そのためには、まず普通教育でもっと立ち入った地震津波の知識を授けることが必要
→世界でも有名な地震国である日本の小学校では、年に1時間や2時間ぐらい
 地震や津波に関する特別講演があっても不思議ではないと思われる
→地震や津波の災害を予防するのは、やはり学校で教える「愛国」の精神の
 具体的な発現方法の中で、最も手近で最も有効なものの一つだろうと思われる
(例)同文「追記」より
三陸災害地の人
=地震があってから津波が到着するまで通例数十分かかるという平凡な科学的事実を
 知っている者は稀であるという事実
※重ねて忘れないようにすることが大事であることを説き、
 そのためには学校教育の段階から浸透させていくことが重要だと説いてもいる。
 そして「愛国」という言葉に、
 昭和8年(満州国問題を契機とする日本の国際連盟脱退のあった年)という
 時代を感じさせる


~私的総括~
当時からその法則性と破壊力を危険視されていた三陸の大津波。
と同時に、既に人間の「のど元過ぎれば熱さ忘れる」という性分もまた
露見していたわけで…。
それを防ぐためには、いかにしてこの惨禍を人々の心に深く刻みつけ続けるか。
そのためには、学校教育で熱心に浸透させていくべきだと、寺田先生は説いている。
特別講演を行える人材は限られているだろうが、
それを補完する意味で中学ぐらいから寺田先生のこれら随筆を
国語の教科書に1編載せておくだけでも一定の効果があるのではなかろうか。
表現技法なんかも秀逸だし、国語の教材としても好適だと思うのだが…。

地震学の黎明 地震雑感(大正13年5月『大正大震火災誌』より)

最初に取り上げるのは、関東大震災の翌年に書かれた『地震雑感』。
これにより、当時の科学水準を知り、その中で物理学者たる寺田氏が、
いかに思索を巡らせていたかがわかるであろう。

①地震の概念
理学者以外の世人(=一般民衆)
→地震現象の心像はすべて自己の感覚を中心として見た展望図に過ぎない
・直接的なもの=振動の筋肉感、耳に聞こゆる破壊的な音響、
 眼に見える物体の動揺転落する光景など
→これには不可抗的な自然の威力に対する本能的な畏怖が結合されている
・これに附帯するもの
  地震の破壊作用の結果として生ずる災害の直接あるいは間接な
  見聞によって得られる雑多な非系統的な知識、
  それに関する各自の利害の念慮、社会的あるいは道徳的批判の構成など
※テレビなどのメディアはもちろんのこと、
 ブログや動画サイトなどの登場により、これらの伝播はより多角的、
 かつスピーディなものになったと言える

自身の科学的研究に従事する学者(例:寺田寅彦)
1:純統計学的な研究方面
2:地震計測の方面
3:地質学上の現象として地震を見る
4:物理学者の見た地震(=寺田寅彦的視点)
 →以上のように、
  同じ科学者の間でも各自の専門に応じて地震というものの対象がまちまち
→まだ本当の意味での地震学というものが成立していないことを
  意味するのではないか
→これらのあらゆる断面を綜合して地震現象の全体を把握することが
  地震学の使命でなくてはならない
※これが執筆される50ほど年前までは、
 ちょんまげ結って腰に刀差してた人が闊歩していた時代。
 地震と言えば、「ナマズがどうたら」とか言っていた時代でもあるわけで…。
 地震学という概念自体、まだまだ若い学問だったと考えられますね。
※日本における犠牲者の減少は、地震学という学問が曲がりなりにも成立、
 体系化された証左と言えるが、
 同時にまだまだ至らない部分があることも今回の地震で証明されてしまった

②震源
当時の新聞では、「震源争い」なるものが存在していた
→震源の存在を知りたがる世人の心理は、
  自宅に侵入した盗人を捕まえたがるのと同様と想像される
→震源の意味やそれを推定する方法を知る者にとって、
  新聞紙上のそれは全く無意味
(理由)
 1:震源なるものがそれほど明確な単独性を持った個体と考えて
   いいのか悪いのかさえ分からない
 2:たとえ震源が四元幾何学的の一点に存在するものと仮定しても、
   また現在の地震計がどれほど完全なものと仮定しても、
   複雑な近くを通過して来る地震波の経路を判定すべき予備知識が
   きわめて貧弱な現在の地震学の力で、
   その点を方数里の区域内に確定することは不可能
 3:今回のごとき大地震(=関東大震災)の震源はおそらく時と空間の
   ある有限な範囲に不規則に分布された「震源群」であるかも知れず、
   またそう思わせるだけの根拠は相当にある
→よって震源の位地を一小区域に限定することはおそらく絶望的に不可能
→観測材料の取捨によっていろいろの震源に到達するのはむしろ当然
→今回地震の本当の意味の震源を知るためには
  今後専門学者のゆっくり落ち着いた永い間の研究を待たねばならない
  (ことによると永久に分らないで終わるかもしれない)
※関東大震災の前後に多数の前震、余震があったことを踏まえての
 コメントと思われる。
 今回の地震でも前震、余震の範囲を考えると、同様のことが言えるだろう

③地震の原因
第1段階
 その地震が某火山の活動に起因するとか、某断層における地辷り(=地滑り)に
 起因するとかいうようなことが一通りわかれば満足
 →せいぜい地辷りがいかなる形状の断層に沿って幾メートルの距離だけ
  移動したということが分かれば万事解決と考える
第2段階
 如何なるメカニズムでその火山はその時活動が起こったか、
 また如何なる力の作用でその地辷りを生じたかを考える
 (例)近くの一部分にしかじかの圧力なり歪力なりが集積したために起こった
第3段階
 近くのその特別の局部に、そのような特別の歪力を起こすに到ったのかは
 何故かを考える
 →地球の物理を明らかにしないで地震や火山の現象のみの研究をするのは、
   事によると、人体の生理を明らかにせずして単に皮膚の吹出物だけを
   研究しようとするようなものかもしれない
 →地震の根本的研究はすなわち地球、特に地殻の研究ということになる
 →本当の地震学はこれを地球物理学の一章として見た時に
   始めて成立するものではあるまいか
地殻の構造について我々の既に知り得たところは甚だ少ない
・重力分布や垂直線偏差から推測されるアイソスタシーの状態
・地殻潮汐(注1)や地震伝播(注2)の状況から推定される弾性分布(注3)
 →以上のように直接観測し得られるべき与件(研究の端緒)の僅少な問題
   (例:数値の取捨、測定方法など)にたいしては
   種々の学説や仮説が可能であり、また必要でもある
・ウェーゲナーの大陸漂移説(注4)
・ジョリーの放射能性物質の熱によって地質学的輪廻変化を説明する仮説(注5)
→これらの仮説も、あながち単なる科学的ロマンスとして捨てるべきではない
→地震だけを調べるのでは、地震の本体は分りそうもない
(注1)地殻にも海と同様に月や太陽の引力、
   自転や公転によって生じる遠心力などが当然にして働くという意味
(注2)固体や液体など、地球内部の状態によって地震波の伝播のし方が
   変わってくるという学説
(注3)弾性波(この場合地震波)の到達位置の分布(と愚考する)
(注4)現在では半ば定説化されているが、当時は異端の説として
   日本に紹介されていた
(注5)ウェーゲナーの大陸漂移設を強化する目的で唱えられた学説。
   プレートテクトニクス学説が成立した現在では顧みられることのない仮説

※現在においても、地震波の伝播などによって地球内部の構造に関しては
 憶測の域を出ていない。
 (もっとも、マントル層に到達し得る技術すら、人間は持ち得ていないのだが)
 そういう意味では、当時の科学的水準からそれほど進歩していないとも言える

④地震の予報
・星学者が日蝕を予報するのと同じような決定的な意味で言うなら、
 地震の予報は不可能と寺田は考える
・医師が重病患者の死期を予報するような意味においてならば、
 あるいは将来可能であろうと寺田は思う
 →現在の地震学の状態ではそれほどの予報すらも困難
・統計学的予報ならやや可能
 (例)地球上のある地域内に向う何年の間に約何回内外の地震がありそう
 →しかし、方数十里の地域に起るべき大地震の期日を
  数年範囲の間に限定して予知し得るだけの科学的根拠が
  得られるか否かについて、寺田は根本的な疑いを抱く
 →一本の麻縄に漸次に徐々に力を加えて行く時にその張力が増すに従って、
  その切断の期待率は増加
 →しかしその時間を「精密に」予想することは難しい
 →その場所を予報することはさらに困難
・必要なのは、予報の問題とは別に地球の災害を予防すること
 →少なくともある地質学的時代においては、
  起こりうるであろう地震の強さに限りがあるだろう
  (地殻そのものの構造から期待すべき根拠がある)
 →その最大限の地震に対して安全なるべき施設を建てれば、
  地震であっても恐ろしいものではなくなるはず
 →そういう設備の可能性は、少なくとも予報の可能性より大きいと、
  寺田は考える
 →ただもし、100年に1回あるかないかの非常の場合に備えるために、
  特別の大きな施設を平時に用意することが、
  寿命の短い個人や為政者にとって無意味だという人がいれば、
  それはまた全く別の、容易ならざる問題
 →この問題に対する国民や為政者の態度は、またその国家の将来を決定する
  すべての重大なる問題にたいするその態度を窺わしめる目標
※①~③を踏まえて、寺田は予報に関しては限界を感じており、
 予報よりも災害予防を重視
※しかし、予防に関するコスト概念にもある程度留意してもいる
※物理学者は決定的論者であると今作でも言っているように、
 予報より予防の方が決定的対抗手段であると、寺田は考えているのだろう

~私的総括~
・地震学は当時に比べてかなり体系化され、成熟してきているが、
 科学的限界や人為的限界がいまだ厳然と存在しており、
 寺田の理想とする境地にはいまだ達してはいないだろう
・寺田に言わせれば、チリ地震(1960年)発生の時点で、その地震エネルギーに
 耐えうる施設を平時のうちに用意しておくべきだったらしい
・しかし、それだけの施設を作ることに国民の総意を得られたかどうかを考えると、
 政治や国民の心象風景は当時と現在とではそう相違がないのかもしれない

「寺田寅彦で読む 『地震と日本人』」を始めるにあたって

3月11日に起きた「東日本大震災」と呼ばれる災厄。
しかし、地震自体は日本市場において多数発生しており、
またそれを研究し、警鐘を鳴らしてきたものも少なくない。
そのうちでも、東京帝国大学地震研究所の所員も務め、
多数の著作を持つ寺田寅彦は、
物理学者でありながら地震と日本人の関りに関する著書も持ち、
その筋では非常に深遠な研究成果を残していると感じ、
この機に少しでも古人の知恵を掘り起こそうと考え、
この企画をぶち上げたわけである。

なお、このシリーズでは以下のようなルールのもと書き進めて行く。
①本文を読む際の手助けとなるよう、
 可能な限り本文の語句を活かす(冒頭&『私的総括』以外の黒文字部)
②どうしてもわかりにくい語句などについては注釈を入れる(青文字部)
③区切りごとに個人的な感想などを差しはさむ(赤文字部)
④作品全体のまとめを『私的総括』という形で残す
⑤各作品の底本は『青空文庫』のものを使用するものとする

以下に書き残したものが、
今後起こるであろう地震災害の予防の一助となることを切に願うものである。

出したり引っ込めたり

3月27日(日)までの中山競馬の開催中止について
http://www.jra.go.jp/news/201103/031501.html

まぁ、いたしかたないと思いますがねぇ…。
しかし、屋根落ちたりしてるわけだから、
昨日のうちにやれるかやれないかぐらい何となく察しがつきそうなもんだと思うんだが…。

これで、トライアルに馬が集中するので
(特にアネモネSがなくなり、フラワーCも1週遅れで日程的に厳しい牝馬クラシック)、
トライアルにすら出られない馬も出てくると考えられる。
ホント、どうなることやらねぇ…。

映画 『ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』(☆☆☆)

民主主義とは、迂遠な制度である。
合意形成無しには、何事も前には進まない。
それを無視すると、
そこここから反対の声とともに妨害や横槍が入る。
この作品は、国立美術館改装という一事すら、
迂遠なプロセスをいくつもこなさないと動かせないという事実を、
雄弁に語っていると言える。

2004年、アムステルダムにある国立美術館の館長は、
美術館であると同時に、
二つの地区をつなぐ門としての役割を持つこの建物を、
みんなに愛されるものにしたいと考えていた。
学芸員たちも、これを機に展示を見直そうと動き出す。
新しい展示にふさわしい内装作りを建築家に依頼し、
いざ発表という段になって最初の反対意見が出る。
アムステルダム市民の足である自転車の業界団体である。
彼らにとって、そこはまず通路である。
その通路が今度の改装で大幅に狭められると聞いて、
彼らは猛烈に反対したのである。
そのうち、地元民が景観が気に食わないだの、
展示品はこう改めた方がいいだの、
あちこちから不満が噴出。
結果、2011年に至る現在に至っても、
美術館は完成せず、
美術館長やスタッフも入れ替わる有様。
みんな、それぞれの立場で言い分があって、
それぞれにそれらしい理由を言っているのだが、
それを調整すべき者が存在せず、
また誰も全権を持っていないために、
結局誰も何も決められないのだ。

石原慎太郎が4選に向けて東京都知事選に出馬を表明した。
顔ぶれを見るまでもなく、
彼が出馬すれば彼が当選するだろう。
なぜなら、彼はよくも悪くも何でも決めてしまう人だからだ。
国政の惨状を見る限り、日本国民は
どこかでこの迂遠な制度に飽き飽きしている。
いっそ石原慎太郎のようななんでも決めてくれる人に、
全てを委ねてしまいたいと思う衝動に駆られるのだろう。
内を見れば麻原彰晃が、
外を見ればヒトラーなどの例もある。
もちろんそれは危険な思想なのであるが、
民主主義とは本来その責任を分かち合う制度である。
借り物の民主主義をやっている日本国民には、
その意識が希薄なのかもしれないが…。
我々は言うべきことは言った方がいい。
そして、その上でえらい人が決めたことは、
それなりに尊重しなければならない。
反対のための反対など、言語道断である。

ひとまず今週末から再開のようですが…

まず、東北地方太平洋沖地震により被災されました方々に、
心からお見舞いを申し上げます。
被災地の一日も早い復興を心から祈念いたします。

http://news.nifty.com/cs/sports/horsedetail/nikkansp-f-hr-tp0-110314-0016/1.htm

3月19日(土)より、ひとまず中央競馬が再開となるようです。
しかし、今朝がたも震度4の地震に見舞われた美浦村には、
当然美浦トレセンがあって、たくさんの馬がいて、人馬とも被災してるわけで…。
しかも、トレセンと競馬場を結ぶ高速道路の状況も、
依然として予断を許さない状況であるわけだし…。
予想的に言っても、
関東所属の馬は特に実力を十全に発揮できるのかという疑念があるわけで…。
とはいえ、春のGⅠシーズンに向けて、
ここで権利を取りたい馬もいるので、
ステージを用意してやる必要もあるわけだから、
経営的観点から言ってもやらざるを得ない、と言うところが本音か。

まぁ、やるからには稼ぎに行きますが、
今年は成績が成績だけに、JRAに寄付と言うことになってしまうかもなぁ…。

「新・中央競馬予想戦記」今週の反省 2011-(9)

3/5の結果
 2勝(スピカS、淡路特別) 1分(あざみ賞) 6敗
  回収率 28.6%

3/6の結果
 1勝(弥生賞) 1分(仁川S) 7敗
  回収率 84.6%
  年間回収率 51.7%
  通算回収率 70.2%

各レースの反省
3/5中山09R 黄梅賞(×)
 3番人気のオメガブレインが勝利。
 前走は休み明けにしては悪くない内容だったし、
 鞍上も合ったのかも知れない。
 本命に推したリンゴットは6着に惨敗。
 ちょっと体重減り過ぎだった。位置取りが悪かったのもそのせいか。
 馬体回復が急務だろう。
3/5中山10R スピカS(○)
 これは順当。
 頭数も少なかったし、思うようなレースが出来たのだろう。
 ただ、実は思ったほど切れ味が無いのかも…。
 次走も位置取りには要注意だ。
3/5中山11R オーシャンS(×)
 3番人気のダッシャーゴーゴーが勝利。
 2着に2番人気のキンシャサノキキ、
 3着に1番人気のレッドスパーダ(対抗評価)が入り、順当な結果に。
 ダッシャーゴーゴーは斤量増を克服して勝ったものの、
 降着したり突然大負けしたりとポカが多く当てにしにくいタイプ。
 ただ、今年の高松宮記念は阪神での開催。
 この馬にとっては実績のある競馬場だけに、侮れない1頭となるか。
 本命に推したセイコーライコウは惜しくも4着。
 GⅠ級相手ではやや荷が重いのか。

3/5阪神09R 淡路特別(○)
 これは順当。
 鞍上強化も功を奏したと言えるだろう。
 ただ、今回も平凡な時計でスピード勝負では分が悪い。
 上に上がっても相手を選ぶ感じになるかもしれない。
3/5阪神10R 武庫川S(×)
 3番人気で3番手評価のブリッツェンが勝利。
 馬体減が功を奏したと考えられる。
 ただ、今回は時計が平凡。
 自在性があるので、うまく流れに乗れれば上に行ってもチャンスはあると思うが…。
 本命に推したサザンギャラクシーは、6着に惨敗。
 終始伸びを欠き、まったくいいところなし。
 よく見ると、1600万下に昇格した2009年12月以降連対なし。
 クラスの壁か、それとも年齢的なものなのか…。
 どっちにしても、次回以降ちょっと買いにくいかなぁ…。
3/5阪神11R チューリップ賞(×)
 本命レーヴディソールが馬体重10㎏増にも負けず圧勝。
 鞍上が追うまでもなかったというぐらい別次元の強さ。
 2着に阪神ジュベナイルフィリーズ3着のライステラスが入着。
 あのレースがフロックでないことが証明された。
 黄梅賞もそうだったが、そろそろ3歳戦も実績重視で良いのかも…。

3/5小倉10R あざみ賞(△)
 1番人気で対抗評価のミヤジエムジェイが勝利。
 2着に3番人気のビルケンハンマー、
 3着に2番人気のアンゲネームが入り、人気通りの決着に。
 ミヤジエムジェイは、今後中央場所で通用するかどうかが命題になってくるだろう。
 本命に推したオースミドライバーは13着に惨敗。
 新馬戦のタイムが一番良かったことを考えると、
 あの時点で馬体重がギリギリだったのかも知れない。
 馬体がもう少し増えてこないと力を発揮できないかも知れない。
3/5小倉11R 中京スポーツ杯(×)
 11番人気のタガノジョーカーが勝利。
 ハンデに救われた面もあるが、
 馬体重が減ったのが良かったのかもしれない。
 ともかく、1600万下で即通用と言う感じではないだろう。
 ハンデ戦の斤量次第かなぁ…。
 本命に推したルナキッズは、9着に惨敗。
 馬体重こそ変化はないが、使い詰めで疲労が蓄積していたのかも知れない。
 もしくは、単純にクラスの壁があるのかも知れないが…。
3/5小倉12R 大牟田特別(×)
 1着に11番人気のセルリアンレッド、
 2着に10番人気のブラーニーストーン、
 3着に7番人気のマスターチアフルが入る大波乱。
 こういうレースはちょっと取れませんねぇ…。
 本命に推したシルクマタドールは7着に惨敗。
 芝は向かないわけではないが、
 年齢も年齢だしこの辺りまでが限界なのかも知れない。
 今後もやや買いにくい馬か。

3/6中山09R 富里特別(×)
 2番人気のモンテエンが勝利。
 昇級初戦だし、持ち時計も無いので軽視していたのだが、
 今回は時計勝負にならなかったのがこの馬には良かったのかもしれない。
 パワータイプの馬なので、中山でもうひと勝負行きたいところか。
 本命に推したメイショウジンムは惜しくも4着。
 スピード勝負にならなかったのは良かったのかもしれないが、
 初の関東遠征に伴う輸送減りが厳しかったか。
 輸送向きの馬ではなさそうだ。
3/6中山10R ブラッドストーンS(×)
 5番人気のナムラカイシュウが勝利。
 連勝中とはいえ、昇級戦だし平坦馬場でしか実績が無いのを嫌ったのだが、
 充実期を迎えていろいろ成長してきたのかも知れない。
 3連勝と勢いは相当のもの。次も相手次第では。
 本命に推したデイトユアドリームは惜しくも2着。
 今回はナムラカイシュウの勢いに屈したが、
 内容は悪くないので次も期待して良さそうだ。
3/6中山11R 弥生賞(●)
 1番人気のサダムパテックが勝利。
 中山では末が甘くなるかと思って軽視したが、
 母方の血の方が強いのか、1600mは短かっただけかも知れない。
 2着は相手なりに走れるプレイ。
 ここでも相手なりに走って連対キープ。
 ただ、切れるタイプではないので、
 今後もこういう競馬が続きそうなイメージしか浮かばないなぁ。
 サダムパテックは勝ってなかったが、枠連でせこく4ケタ配当ゲット。
 一方本命に推したターゲットマシンはなんとビリ。
 まだ精神的に子供のようで、ゲート再試験の予定が入るほど。
 キャリアも浅いし、今後の成長に期待と言うことで…。

3/6阪神09R アルメリア賞(▲)
 印を打った3頭がすべて馬券に絡んだにもかかわらず、
 3番手評価のトーセンレーヴが勝ってしまったため回収ゼロ。
 馬券ベタですなぁ…。
 超良血のトーセンレーヴ、次走の毎日杯次第では皐月賞も視野に入る。
 内容次第では混戦の牡馬クラシック界を一気に統一か。
3/6阪神10R 仁川S(△)
 これは順当。しかし、ワイドと言うこともあって配当はかなり控えめ。
 ワンダーアキュートは、血統も良くココはむしろ勝って当然。
 重賞戦戦を賑わすことだろう。
 対抗のタガノジンガロは4連勝こそ逃したが、昇級初戦とはいえ上々の内容。
 次走も期待して良さそう。
3/6阪神11R 大阪城S(×)
 3番手評価のダンツホウテイが勝利。
 鞍上が戻ったのが良かったのかも知れない。
 また、使い詰めだったようなので休んだのも良い方向に行ったのかも。
 とはいえ、今回も斤量が軽かったことを考えると、
 もうしばらくオープンで修行を積む必要があるだろう。
 本命に推したシルポートは6着に敗れる。
 馬格から考えると、斤量はそれほど気にするタイプとは思えないが、
 阪神では極端な成績のようなので今回はだめな日だったということか。
 あとは、馬体重500㎏ではやや重いのかも知れない。

3/6小倉10R 球磨特別(×)
 人気のウインドミネーターが初の小倉コースをものともせず快勝。
 都落ちした甲斐があったというもの。
 逃げ馬にはおあつらえ向きの1番枠を引いたのも良かったか。
 本命に推したオモイカナウは、なんとビリ。
 挫跖の影響がまだ残っているのかもしれない。
 そもそも人気が無い(9番人気)から、実力不足かも知れないが…。
3/6小倉11R 大濠特別(×)
 5番人気のリュンヌが1着、
 7番人気のアイスカービングが2着、
 9番人気のメイショウサバトが3着に入り、馬単万馬券の波乱。
 芝実績が無いとはいえ、前走は昇級初戦とはいえなかなかの内容。
 初勝利が3歳の3月と言うことを考えると、まだ伸びしろは充分かもしれない。
 芝適性も証明したので、今後も注目していい存在かもしれない。
 本命に推したタガノシビルは6着に敗れる。
 切れ味のあるタイプではないので、
 もう少し前につけてないと勝ち負けは厳しいかも知れない。
3/6小倉12R 出水特別(×)
 3番手評価で8番人気のエーシンマイトップが勝利。
 もともと相手なりに走れるタイプの馬ではあるが、
 外枠だったことで荒れた内馬場を通らずに走れたのが良かったのかもしれない。
 上に上がっても、しぶとく走れれば上位は充分うかがえると見るが…。
 本命に推したチャームポットは8着に惨敗。
 これも切れるタイプではないので、
 もっと前前で競馬できないと昇級はままならないだろう。

3歳戦も、ようやく実績がモノを言うようになり始めた、
と思ったら超良血の新勢力が出てきたりと、
特に牡馬クラシックは混戦模様。
牝馬クラシックもレーヴディソール以外はそれほど差が無い感じ。
しかも、ココに来て地震による日程変更を余儀なくされ、
さらなる混乱が予想される。
ワシの馬券も含めて、どうなることやら…。

地震による競馬中止により、今週の買い方はもちろんナシです。

映画 『アレクサンドリア』(☆☆☆)

「キリストの意志を継ぐ者」を称する者たちの蛮行によって、
科学が、叡智が、失われてしまった、というお話。
黒い服を身に付け、その傲岸不遜な様を見るに、
ずいぶんと悪し様に描いたものだと思うが、
何も彼らばかりが悪いわけではない。
彼らの暴力的権威に屈した
アレクサンドリアの上層部も問題があるし、
主人公のヒュパティア(レイチェル・ワイズ)にも、
問題がないわけではない。
彼女は非常に研究熱心で、また頭脳も明晰であったが、
あまりにも合理的で、また権力や権威、
果ては人の心にに対して、
あまりにも無頓着であり過ぎた。
単純に言えば社会から浮いた存在であり、
それは当時の女性としては
ある意味許されざることだったとも言えるし、
その事によって人を傷つけているということも、
知らずにいてしまった。
それゆえに彼女は、最終的に誰の庇護も受けられずに、
科学とともに滅びる道を歩まざるを得なかった。

宗教とは恐ろしいものである。
誰しもが死の恐怖から逃れようと宗教にすがるのに、
宗教は死への恐怖を逆に煽りさえし、
挙句に人を死に駆り立てもする。
その開祖が平和と平等と愛を語りながら、
その使徒は正義の名のもとに、
それらとはかけ離れた行いを起こし続けてきた。
神とやらは、この人間たちの歴史を、
いかに見ているのだろうか…。

映画 『イップ・マン 葉問』(☆☆☆☆)

フィルムにキズ有とあらかじめ告知があったが、
それが気にならなかったというか、
それすらも味と思える、
伝統的手法のカンフーアクション。
ブルース・リーや
ジャッキー・チェンの『酔拳1』をテレビで観て育ったワシにとっては、
そういう懐かしささえ覚えさせる映画だった。

ブルース・リーが師と仰ぐ葉問(イップ・マン)の
一代記を描く後編
(前編の『葉問 序章』は札幌では3月末より公開)。
話の基本的な流れは、ジェット・リーの
『SPIRIT』とだいたい同じで、
時代的には戦後間もなくの香港。
中国本土から香港に逃れてきた葉問(ドニー・イェン)は、
香港で自分の流派である詠春拳を教え始めるのだが、
集まった門人は貧乏なならず者だらけ。
さらに道場を立ち上げるには、
他の道場主に実力を認められなければならない上に、
しょば代を納めなければならない。
貧乏な弟子から金は取れない上に、
自身も貧乏な葉問は、
香港一の実力者ホン(サモハン・キンポー)に
実力を認められながらも道場は興せなくなってしまう。
少しして、イギリス人ボクサーに中国武術を侮辱されたことに憤ったホンは、
そのボクサーと中国武術のプライドをかけて闘い、
死んでしまう。
葉問はそのボクサー相手に、ホンの意志を継いで闘うことになるのだが…。

『かちこみ! ドラゴン・タイガー・ゲート』では、
最後の美味しいところを全部持って行ってしまったドニーだが、
今回はサモハンとの濃厚な闘いや、
体格ではるかに劣る白人ボクサー相手に、
事実厳しい闘いを行っている。
街中でのチンピラ相手の闘いでも、
周りにある道具を自在に扱う、
実に香港カンフーアクションらしい闘いぶりを見せており、
観ていて安心感があると同時に、
昔を思い出して体にも力が入った。

無事公開が決まった『葉問 序章』ともども、
カンフーファン必見の一作。

映画 『ツーリスト』(☆☆)

見事に釣られてしまいましたよ、と…。
CMでネタ振りし過ぎて、
ちょっと気を回せば解けるレベルの謎です。
『ナイト&デイ』ほどには、
ジョニー・デップも、
アンジェリーナ・ジョリーも弾けないし.
観終わっても溜息しか出ません。

とは言え、今更ながら気づいたこともある。
実は、『忍者』の幻想に取り憑かれているのは、
他ならぬ日本人自身なのではないのだろうか。
主人公ふたりがともに用いている手法こそ、
実は忍者の手法そのものであり、
欧米のスパイフィクションの方が、
恐らく本来の忍者の姿を活写しているのだろう。
そう考えれば『7級公務員』も、
立派なスパイフィクションであり、
戦争映画同様このジャンルでも
日本は遅れをとっていると言えるかもしれない。
優良な資産があるというのに、
何とももったいない話ではないか。

その気付きに免じて、☆は2つで。
正直、それ以外何もない映画。

「新・中央競馬予想戦記」 2011-03-06

中山09R 富里特別(4上1000万下 芝中)
  ◎ ②メイショウジンム
  ○ ⑧ハイタッチクイーン
  ▲ ⑫オリエンタルジェイ
  △ ①マイヨール

中山10R ブラッドストーンS(4上1600万下 D短)
  ◎ ⑭デイトユアドリーム
  ○ ⑯ゴールドバシリスク
  ▲ ⑩ステイドリーム

中山11R 弥生賞(3歳GⅡ 芝中)
  ◎ ⑨ターゲットマシン
  ○ ③プレイ
  ▲ ⑦ウインバリアシオン
  △ ⑤オールアズワン
 本命は、2戦2勝で中山芝2000mでも実績もある⑨。
 中山で勝ったことのある馬自体2頭しかいないので、
 勢いでいきなりの重賞制覇も充分と見る。
 対抗には、いまだ条件級だがOPでも連対実績のある③。
 持ち時計自体は⑨よりも速いので、スピード勝負では見劣りするところはない。
 3番手には、OP実績がある⑦。
 重賞では4着2回と可も不可もなしだが、相手なりに走れそうな感じなので、
 長距離輸送さえこなせば今回も上位はうかがえると見る。
 あとは、重賞勝ちのある⑤も鉄砲が利きそうなので休み明けでも侮れない。

阪神09R アルメリア賞(3歳500万下 芝中)
  ◎ ②アバウト
  ○ ①ステラロッサ
  ▲ ⑤トーセンレーヴ

阪神10R 仁川S(4上OP D中)
  ◎ ⑨ワンダーアキュート 実力上位
  ○ ⑤タガノジンガロ    連勝の勢いで
  ▲ ②グリッターウイング 鞍上戻って

阪神11R 大阪城S(4上OP 芝中)
  ◎ ④シルポート    距離実績高い
  ○ ⑬マヤノライジン  阪神コース向く
  ▲ ⑨ダンツホウテイ OPなら

小倉10R 球磨特別(4上500万下 D中)
  ◎ ⑩オモイカナウ
  ○ ⑧トップオブザヘヴン
  ▲ ⑨シゲルアサマヤマ
  △ ②シルクエステート

小倉11R 大濠特別(4上1000万下 芝短)
  ◎ ③タガノシビル
  ○ ⑧ヤマニングルノイユ
  ▲ ⑬アディアフォーン
  △ ⑫シルクナデシコ

小倉12R 出水特別(4上500万下 芝中)
  ◎ ⑦チャームポット
  ○ ⑨ゴールドサクセス
  ▲ ⑬エーシンマイトップ

「新・中央競馬予想戦記」 2011-03-05

中山09R 黄梅賞(3歳500万下 芝短)
  ◎ ①リンゴット
  ○ ⑩サクラゴスペル
  ▲ ⑧プランスデトワール

中山10R スピカS(4上1600万下 芝中)
  ◎ ②ダイワファルコン
  ○ ⑦クーデグレイス
  ▲ ④ラルケット

中山11R オーシャンS(4上GⅢ 芝短)
  ◎ ③セイコーライコウ
  ○ ⑨レッドスパーダ
  ▲ ⑬スカイノダン
  △ ⑮ジェイケイセラヴィ
 本命は、関東に戻って改めて期待の③。
 前走もそう悪い内容ではないのだが、
 輸送の短い関東での競馬の方が本領を発揮できるのではと見る。
 対抗には、やや間隔は空いたものの重賞実績もある⑨。
 距離経験にも乏しいが、パワータイプなので中山は向くと見るが…。
 3番手には、中山は初めての⑬。
 距離実績は③同様高いのだが、中山の坂をこなせるかどうかが課題だ。
 あとは、これも他3頭と同様安定感はあるが
 坂のあるコースで勝てていない⑮辺りまでが争覇圏内と見る。

阪神09R 淡路特別(4上1000万下 芝中)
  ◎ ⑥トウカイオーロラ
  ○ ⑩ハートシューター
  ▲ ①タニノエポレット

阪神10R 武庫川S(4上1600万下 芝短)
  ◎ ④サザンギャラクシー
  ○ ⑧カネトシディオス
  ▲ ⑥ブリッツェン

阪神11R チューリップ賞(3歳GⅢ 芝短)
  ◎ ⑧レーヴディソール
  ○ ①ケイティーズジェム
  ▲ ⑪ユースティティア
 本命は、3戦3勝の⑧でキマリ!
 阪神実績のある馬もこの馬しかいないし、実績面でも逆らえない。
 対抗には、OP2戦とも4着の①。
 いちおう、芝1600mの持ち時計が良いので、
 スピード勝負では後れは取らないと思うが…。
 3番手は、昇級戦でいきなり休み明け&重賞&遠征だった⑪。
 いろいろと条件が厳しかったので、いちおう前走は度外視で。
 1叩きした後だし、輸送も短いので改めて期待ということで。

小倉10R あざみ賞(3歳500万下 芝短)
  ◎ ①オースミドライバー
  ○ ⑨ミヤジエムジェイ
  ▲ ⑥マイネルマサムネ

小倉11R 中京スポーツ杯(4上1000万下 D中)
  ◎ ④ルナキッズ
  ○ ⑩ハリマノワタリドリ
  ▲ ③エターナルロブロイ
  △ ⑨ツヨイキモチ

小倉12R 大牟田特別(4上500万下 芝短)
  ◎ ⑮シルクマタドール
  ○ ④リッカスウィープ
  ▲ ⑭コスモドロス

映画 『バレッツ』(☆☆☆)

昔つるんでワルやってた三人の友。
しかし、血で血を洗う抗争の中で、
一人(ザッキア:カド・メラッド)はのし上がり、
一人(シャルリ:ジャン・レノ)は足を洗い、
一人(マルティン:ジャン=ピエール・ダルッサン)はその間で揺れ動く。
のし上がった一人は、足を洗った男の隠然たる力に怯え、
ついには足を洗った男を殺そうとする。
かろうじて命はとりとめたものの、
恐怖がザッキアをさらなる凶行に駆り立てる。

この手の業界は因果応報だ、と言う点は、
洋の東西を問わないようである。
そもそも三人がつるんだのも、
シャルリの叔父が殺された報復のためなわけだし、
シャルリが当初ザッキアに対する報復を躊躇したのは、
自分が引退した身だからであり、
親友だからであり、
因果を断ち切るためでもあったのだろう。
しかし、『悪魔を見た』でもそうだったが、
こういうことには本来無関係のはずの
家族や友人も結果的に巻き込まれてしまう。
その辺りの葛藤が在るからこそ復讐劇は、
映画のネタとして格好のものなのだろうが。

アクションとしては及第点。
B級だから、むしろこんなもんだと割り切って観るべき。
少なくとも、『アーマード:武装地帯』なんかよりはるかにマシ。
ジャン・レノ好きには、まぁオススメできるんじゃないかな、と…。

「新・中央競馬予想戦記」今週の反省 2011-(8)

2/26の結果
 1勝(千里山特別) 8敗
  回収率 12.5%

2/27の結果
 1勝(潮来特別) 8敗
  回収率 10.0%
  年間回収率 53.2%
  通算回収率 70.4%

各レースの反省
2/26中山09R 水仙賞(×)
 6番人気のサトノタイガーが勝利。
 前走が良かったし、スタートも良かったので、
 状態自体は相当上向きだったのだろう。
 相手なりに走れるタイプではあるので、
 複勝でチマチマ拾うタイプの馬になるだろう。
 本命に推したインプレザリオは4着止まり。
 切れ味勝負できるタイプではない感じなので中山コース自体は合うと思うのだが、
 前が止まらなければあの位置では勝負にならないだろう。
2/26中山10R 上総S(×)
 9番人気のダノンエリモトップが勝利。
 -12㎏が逆に良かったのかも知れないが、これはやはり買いにくい。
 本命のストロングバサラは9着に惨敗。
 本来の位置取りからしたら、やや後ろ過ぎたかも知れない。
 この馬も、切れ味勝負できないタイプのようだし、
 実績面から言っても中山は向いてると思う。
 もう少し積極的な騎手の方が向くような気もするが…。
2/26中山11R 千葉S(×)
 3番手評価で1番人気のティアップワイルドが1着も、
 2着に8番人気のダイワディライトが入って馬券は外れ。
 3着にマハーバリプラムが入ってるので、
 ワイドなら的中(460円)していたが…。
 ダイワディライトは、近走こそ悪いが実績は上位。
 叩き良化型の馬なのかも知れず、むしろこれからに期待か。
 本命に推したブライトアイザックは惜しくも4着。
 昇級初戦だったことを考えると、悪くない結果。これも次に改めて期待だ。

2/26阪神09R 千里山特別(○)
 本来の評価では2番手の本命マックスドリームが、1番人気に応えて勝利。
 距離はもう少しあった方がよさげだが、鞍上の力で持ってきた感もある。
 デムーロ騎乗なら次も1発狙えるかも。
 本来のトップ評価で対抗のアンプレシオネは10着に惨敗。
 前走(春日特別)時使い詰めを懸念していたわけだが、
 今回は体重も若干減っていたようで、懸念が的中してしまった。
 やはり休ませるべきと思われるが…。
2/26阪神10R 御堂筋S(×)
 6番人気のブラストダッシュが勝利。
 前々走(寿S)時にパワータイプではないかと読んでいたが、
 今回は人気が示すように他にも良い馬がいたため4~5番手評価。
 しかし、芝の勝ち鞍はすべて阪神で挙げているように、
 阪神の芝がこの馬には相当合うようである。
 次走も阪神コースなら期待できそう。
 本命に推したシースナイプは、7着に惨敗。
 -12㎏ではなぁ…。とりあえずは、馬体の回復が急務と見るが…。
2/26阪神11R アーリントンC(×)
 2番手評価のノーザンリバーが勝利も、
 2着に11番人気のキョウエイバサラが入り、馬連万馬券の波乱。
 単純に言えば、初めての芝でも難なくこなしたということだろうが、
 その点はちょっと読めなかった。
 マル外なので、当面はNHKマイルが目標と言うことになるだろう。
 一方勝ったノーザンリバーは、今回の大幅体重減が気がかり。
 仕上がりすぎた感があるので、次はちょっと厳しいかもしれない。
 本命に推したノーブルジュエリーは7着に惨敗。
 放牧にも出されたようだし、やはり馬体減が大きい。
 また、牡馬相手は荷が重すぎたのかもしれない。

2/26小倉10R 沈丁花賞(×)
 対抗評価のスマートリブレが勝利。
 小回りか滞在競馬が向くのかもしれない。
 とは言えオープン入りしたので、次は中央のOP戦か地方の重賞になるだろう。
 小回り向きとするなら、後者の方が期待が持てそうだが…。
 本命に推したセンティラシオンは、6着止まり。
 ゴチャゴチャしたところに突っ込んだのがまずかったか。
 1つ叩いたので、次で改めて期待しても良いかも。
2/26小倉11R 大宰府特別(×)
 4番人気のエスピナアスールが連勝。
 勢いはかなりのものだと思うが、
 滞在競馬の割に体重減が大きいのが気がかり。
 次も体重を減らしてくるようだと、この勢いも失速しかねないだろう。
 本命に推したマイネルプリマスは惜しくも4着。
 内容自体はそう悪くないのだが、
 キレで勝負できないのでああいう競馬になってしまうと分が悪い。
 思い切った競馬も時には必要だ。
2/26小倉12R 甘木特別(×)
 7番人気のショウナンスマイルが勝利。
 黛騎手(3番手評価のメジロガストン)の無気力騎乗以外に勝因が見当たらない。
 上に行っても、当然使いにくい馬。
 本命に推したテイエムカルメンは12着に惨敗。
 まだ体が重そうだ。
 せめて休み前の馬体重まで戻らないと、上は望めないか…。

2/27中山09R 潮来特別(○)
 本来なら2番手評価のネコパンチを本命視して正解(複勝しか買ってないけど)。
 本質的にはこのぐらい距離が合った方が良さそうだ。
 とはいえ、当てにならない馬なので、上に行ってもしばらくは使いにくいだろう。
 本来の本命で2番手にしたマイネルシュトルムは3着。
 やはり、遠征競馬じゃない方が良さそうな気がするのだが、
 今回は頑張った方。次走阪神なら狙い撃ちもアリ。
2/27中山10R アクアマリンS(×)
 9番人気、15番人気、5番人気の順に入り、3連複6ケタの大波乱。
 これは無理だなぁ…。
 本命に推したケンブリッジエルは、なんとビリ。
 とにかく不可解。次走の結果次第だが、無かったことにしたいレース。
2/27中山11R 中山記念(×)
 強かったね、ヴィクトワールピサ。
 フランスでの成績は無視した方が良かったのかも。
 もっとも、キャプテントゥーレもリーチザクラウンも買う理由が見つからないので、
 どっちにしても外してただろうね。
 本命のレッドシューターは5着止まり。
 今回は相手が悪かったか。次走は遠征だがオープンなのでまだ見限れない。

2/27阪神09R すみれS(×)
 6番人気のロッカヴェラーノが勝利。
 前走みたいな後ろからの競馬より、前々で競馬するのが良いのだろう。
 皐月賞直行のようなので、脚質が他とかぶらなければ案外やるかも。
 本命に推したヴィクトリースターは7着に惨敗。
 使い詰めと馬体減、さらに落鉄もあったらしく、放牧も当然。
 休み明けは、リフレッシュ狙いもアリか。
2/27阪神10R なにわS(×)
 休み明けながら2番人気のレディルージュが勝利。
 新馬戦以来のダート戦だったが、地力はあるし血統的にもダートはこなせるので、
 人気面から言っても順当な結果かも知れない。
 本命に推したエーシンリードオーは惜しくも2着。
 地力上位だが、レディルージュにうまく乗られた感もある。
 OP昇格もそう遠くないと思われる。
2/27阪神11R 阪急杯(×)
 休み明けだが4番人気のサンカルロが勝利。
 地力はあるのだろうが、どうにも当てにできない馬。
 評価的には中の下ぐらいだったんだけどなぁ…。
 本命に推したワンカラットは5着止まり。
 とりあえず馬体重だね。逆に言えば、減ってくれば怖い1頭だろう。

2/27小倉10R 呼子特別(×)
 休み明けのナリタジャングルが勝利。
 馬体減がかえって良かったようだが、もともとこのクラスを勝てる力のある馬。
 5~6番手評価はできる馬だったし、距離も向いたようだ。
 本命に推したエイシンブイダンスは惜しくも4着。
 年齢的に行っても、もう伸びしろなさそうだし、
 2年半勝ちから遠ざかってるわけだし、終わってしまったかもなぁ…。
2/27小倉11R 虹の松原S(×)
 4番手評価で2番人気のヤマニンウイスカーが連勝。
 距離的にはもう少しあった方が良さそうだが、とりあえず小倉は向くようだ。
 本命に推したタガノエルシコは6着。
 屈腱炎による長期休養明けだったので、これでも充分な結果ともいえる。
 むしろ、何をとち狂ってこんな馬を本命にしてるんだか…。
 とは言え、地力はありそうなので次も期待したい。
2/27小倉12R 糸島特別(×)
 6番人気のタツサファイヤが勝利。
 1000万下でも2着できる力はあるのだが、
 もしかするとハンデキャップホースかも知れない。
 斤量53㎏以下なら一考の余地アリな馬かも。
 本命に推したヒカルジョディーは11着に惨敗。
 切れるタイプではないと思うんだが、新聞の脚質表示は差し。
 次走は、もっと思い切った騎乗を期待したい。

馬券的にはかなり悪いが、反省の効果が少しずつだが出始めている。
データの蓄積にまだ時間がかかるだろうが、
先を見据えてじっくり取り組んで行くことにする。
それにしても、やはりゲートを出てみないと展開が読めない。
こればっかりは、体重以上にどうしようもできないからなぁ…。
とりあえず、今週の買い方は以下の通り。
 中山:条件戦=単勝1点買い OP以上=枠連
 阪神:条件戦=単勝2点買い OP以上=ワイド
 小倉:条件戦=複勝2点買い OP以上=枠連

映画 『ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島』(☆☆☆☆)

良くも悪くも、
王道ビルドゥング・ロマンス(成長譚)。
春休み前だから、ターゲットは当然家族だろうけど、
3本目でようやく3Dをまともな脚本で観た感じ。
もっとも、今回も別に2Dで良かったんだが、
単に時間と折り合いをつけたら3Dしかなかっただけなんだけどね。

3Dは、ぶっちゃけ盗撮対策だって、
何かで読んだことがあるけど、
映画の良し悪しは結局脚本の良し悪しだと、ワシは思うし。
盗撮対策なら3Dのみで上映、
っていうわけにも現状では行かないわけで、
盗撮対策にしては設備投資に金がかかり過ぎとも言える。
例のカンニング対策同様、
提供する側にも相応の備えが必要だろうね。

閑話休題。
今回のナルニアは、
最近のアメリカ映画でわりと良く取り上げられる
「欲望とどう向き合うか」。
リーマンショックという欲望が生み出した恐慌に、
映画界としても何らかの回答を出したいのだろう。
つまるところ、彼ら自身欲望とどう向き合うかを模索しているわけで、
その辺り失い続けている日本人にとっても、
得るものはあるのではなかろうか。

☆の数は、ややおまけ的な感じ。

映画 『ウッドストックがやってくる!』(☆☆☆)

人類が月にはじめて降り立った1969年。
第三次中東戦争真っ盛りの1969年。
ベトナム戦争が泥沼な1969年。
アメリカの片田舎で、ビッグでカオスな祭りが起こった。
ウッドストックと呼ばれる、
ロックと平和とヒッピーとドラッグの祭典は、
今や伝説となっているが、
その起こりについてはワシもよく知らんかった。
ウッドストック自体はもともと大規模に他の場所でやるはずだったが、
主な観客となるべきヒッピーを嫌ったその場所が断ってしまった。
それに飛びついたのが、
親のモーテルを手伝っていたエリオット(ディミトリ・マーチン)。
町の商工会長も務める彼は、
モーテル自体と町の活性化のために、
ウッドストックを誘致したのだ。
その発表以来ステージの設営業者はもちろん、
元の開催地からは多数のヒッピーが流れ込み、
さらにはゲイのようなマイノリティーや、
一山当てようと群がるならず者もやって来て、
小さな町は大混乱。
もちろんモーテル程度のキャパシティではまかない切れず、
そこら中にテントが建ったり、
車中泊したりする者が現れ、
ジャンキーどもがお外でイタすし、道路も大渋滞。
もうとにかくてんやわんやで、
エリオットたち家族はその渦中で…。

題名が題名だが、内容は家族がテーマ。
どケチな母親に、そんな奥さんに疲れた父親。
そして、本当は田舎から出て行って画家をやって暮らしたいエリオット。
そんな家族がこの大イベントの中で
どう感じ、どう変わって行くのか。

外で戦争やりながら、
ロケット打ち上げたり、
お外で音楽聞きながらドラッグ吸っていい気持ちになったり、
当時のアメリカはとにかく無制限に
エネルギーが有り余ってたって感じ。
やっぱり、欲望が世界を転がして行くわけですよ。
ウッドストックだって、
チケットがバカ売れしたから資産家が金貸してるわけだし、
当初反対していた地元民も、
客が金を落として行くと
商魂たくましく水を売るやつまで現れる。
良くも悪くも、それが経済の本質だと思うわけ。
この混沌からまた新しいムーヴメントが生まれたわけだから、
何かを生み出す力強さと言う点では、
閉塞した現代をぶち破るには、
お父さんやエリオットみたいに
「当たって砕けろ」ぐらいの蛮勇が必要なのかもね。

映画 『英国王のスピーチ』(☆☆☆☆☆)

アカデミー賞発表直後の、
しかも札幌では月に一度の終日映画1000円の日。
激混みでした。
しかし、その観衆の期待に応える名作。
演者の演技のことはよくわからんが、
とにかく素晴らしい。

幼少時のトラウマから吃音になったヨーク公
(後のジョージ6世、コリン・ファース)。
吃音を治そうと医者に診てもらうが、
いっこうに治る気配もないし、
本人にもそれほど直す気が無いと言うか、
もう諦めに近い感じ。
そこに奥さんのエリザベス(ヘレナ・ボナム=カーター)が
見つけてきたのは、オーストラリア人の言語聴覚士ローグ
(ジェフリー・ラッシュ)。
これがまた、ヨーク公に劣らぬ偏屈者。
しかも王族相手に対等に付き合おうとか言い出す始末。
はてさて、ヨーク公の吃音はどうなることやら…。

何が良いって、夫を献身的に支えるエリザベスと、
ローグの奥さん。
ジョージ6世もローグも偏屈だから、
ヘコんだりケンカしたり。
でもそれを励ます二人の奥さんの言葉が、
結構しみるんですわ。
もちろん、ジョージ6世の己との戦いや、
それにあくまでも友として寄り添い支えるローグ。
この二人の真摯な姿に、思わず目頭が熱くなりました。
しかも、時にはジョークを交えたりと、
硬軟織り交ぜた多彩な攻めで、
観客を飽きさせない作り。
☆5つを持って、ワシは応えちゃうよ。

それにしても、
演説ベタのどもりのジョージと、
演説の天才で画家志望だったヒトラー。
これを同じ時代の対立する陣営に配置するとは、
神とやらも小憎らしいことするもんだね。

映画 『悪魔を見た』(☆☆)

復讐鬼(イ・ビョンホン)対
殺人鬼(チェ・ミンシク)の、
生産性ゼロの猟奇大戦。
まぁ、復讐からは何も生まれないってことを言いたいんだろうけど、
明らかにやり過ぎ。
例えば、本来の敵役以外に、
三人も四人も殺人鬼を出す必要があったんだろうか。
R18指定ということだから覚悟はしていたが、
お互いやり口がえげつなさ過ぎる。
さすがにヒくわぁ。

ビョンさん仕事を選んで欲しいわぁ、
と途中思ったが、
よく考えたら演者としての幅を広げに行ってるとも言える。
『GIジョー』などでハリウッド進出を果タた後も、
こういう影のある(ありまくる)役に挑戦するのは、
それなりに勇気のいることだとも言える。
作品としては評価しないけど、
ビョンさんの意気込みには拍手を送りたいね。

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