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映画 『100,000年後の安全』(☆☆☆)

現代人は傲慢である。
数千万年以上前の地層まで掘り起こし、
それを燃やして地上に多大な迷惑をかけながら、
まだ足りないらしい。
今度は、10万年先の人類(どういう存在かすら不明だが)にまで迷惑をかけるモノで、
エネルギーを作っているのだ。

今作では、現在考えうる最も安全な放射性廃棄物の処理方法である、
永久地層処分場を取り巻く様々な問題を取り上げている。
現在それは、フィンランドの地下の固い岩盤を削って作られているわけだが、
その耐用年数は10万年に設定されている。
プルトニウム239の半減期が2.4万年だから、
少なくとも放射線量が1/16になるまで耐えられる、
ということになる。
問題は、10万年先までその場所が危険であるということを
伝えなければならないということである。
作中の事例でもあったが、
10万年前の人類が何をやっていたか、
我々は断片的にしか知らない。
文字や記号、絵などによって伝えるのはどうか。
我々は、過去に存在した全ての言語すら、
未だその全てを解読したとは言えないのだ。
それに、下手なことを書いて逆に未来の人類の興味を引いたら逆効果である。
何らかの形で語り継いだり、
アーカイブのような形で残すのはどうか。
作中ではルーン文字の事例を引いていたが、
これもあまり意味がない。
単純な話、「雷様にヘソを取られるよ」なんて迷信、
今時信じる人間などいないだろう。

とはいえ、我々は一度これに手を出してしまった以上、
もう後戻りはできないわけで、処理の方法も含めて考えていかなければいけないのだが、
今回の地震でも分ったが、
この国にこんな危ない物体を埋めておけるところなどそうそう無い。
アメリカと合同でモンゴルに用地を確保した、とか言ってるが、
そもそも自国で何とかできないものを軽々しく使わないでもらいたい。
10万年ごとは言わないまでも、1000年、
いやせめて100年前後のことは念頭に置いておいてほしかった。
いまさら言っても遅いのかもしれないが…。

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