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映画 『アンダー・コントロール』(☆☆☆)

現役~廃炉に至る原子炉の後半生を追う、
これまたドイツのドキュメンタリー。
『イエロー・ケーキ』では、
主にそこに納められる核燃料を作る過程で、
いかに人間を、環境を汚すかについてが主なテーマだったわけだが、
今作では一度動かしたら簡単には止められない
原子炉の現実を淡々と描いている。
淡々としすぎていて、説明不足の面も散見するが、
シーメンス製のドイツ国産の技術で、
世界最高水準の安全技術を誇り、
日本に比べて地質学的に言っても圧倒的に安定した地盤の上に建っていても、
チェルノブイリ以降原子力発電に対しては消極的になり、
90億マルクかけて作った高速増殖炉を
運転前に廃炉し、今や古い原子炉から順次廃炉しているのが、
ドイツの原子炉の現実である。
以前は「技術更新によって永久に利用できる」
と考えていたようだが、
実際に動かしてみると核燃料の移動の難しさなどもあるのか、
「そのままその場所で使い続けざるを得ない」
という現実にぶち当たってしまったようである。
奇しくも3月9日の『モーニングバード』内の
『玉ペディア』のコーナーで、
福島第一原発の燃料貯蔵プール内に残された
核燃料の移動の難しさについて語られていたが、
まさに今作の話と符合する。

水問題も深刻である。
原子炉を1度でも通した水は、浄化しても原子炉に戻すしかなく、
しかも浄化し切れなくなったら
コンクリートで固めて埋めるしかなくなってしまう。
つまり、確実に水資源を消耗するのである。
3・11以降も、ベトナムなどで原子力発電の計画が着々と進んでいる。
しかし、果たして真水を安全に確保できるのであろうか。
食糧以上に人間にとって不可欠な資源である水は、
今や世界中で争奪戦が行われている資源である。
このまま行けば、特に途上国において、
人間と原子力発電所で真水の争奪戦が行われる可能性すら
あるのではないだろうか。
原子炉内で臨界さえさせなければ、後戻りはできるのだ。
引き際のリスクや環境に与える本当の影響などを良く考えた上で、
それでもコスト以上の利益を安全に得られる保証があるならば、
確かに原子力は夢のエネルギーなのだろうが…。

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