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映画 『イエロー・ケーキ』(☆☆☆)

「札幌の奥座敷」と言われる定山渓から
さらに山の中に入って行ったところに、
今は廃坑となった豊羽鉱山がある。
様々な鉱物が採れたと聞いた記憶があったが、
その中にウランもあったと記憶している。
ウランもれっきとした鉱石であり、
鉱石である以上精製した時に多くの不純物が出る。
ウランの場合、鉱石自体はもちろんのこと、
不純物も放射能を持っているわけで、
今作ではまず、旧東ドイツで大規模に採掘された
ウラン鉱山の現状が語られている。
ドイツ統一後そこは廃坑となったが、
言わば「低レベル放射性ボタ山」が大量に残された。
それを露天掘りした昔の鉱山に埋め戻す作業を
元鉱夫たちが行っているのだが、
彼ら自身被曝者であり調査の結果重度の被曝者が大勢発見された。
クリーンなエネルギーを作るために、
まずその元を掘り出す人々が汚されているという矛盾を提示したわけだ。
他にも、現在世界最大のウラン鉱山があるナミビアや、
原子力発電を一貫して請け負える世界唯一の企業
アレバ社のウラン鉱山があるカナダ、
そのアレバ社に抵抗する
オーストラリアの少数民族の長、
などが登場するドキュメンタリー。
相変わらず山場とかが無いので眠い映画ではあるが、
我々がいかに表面的にしかものを見られていないかを示す、示唆的作品。
そして、現在ウランに直接触れている人々が、
いかに無知で、かつその環境に慣らされてしまっているかもわかる。
ただ、使いだしたら止められないのもまた事実で、
即時全廃みたいなハードランディングは不可能である。
うまい付き合い方を模索せざるを得ないのが、
無力な我々人間の立たされているのが現状なのである。

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