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映画 『アーティスト』(☆☆☆☆☆)

サイレント映画(今作は完全なサイレント映画ではないが)が
アカデミー作品賞を取るのは第1回以来というから、
アカデミー賞の歴史は、
トーキー映画の歴史と言っても過言ではないかもしれない。
ワシは、サイレント映画といえば、
チャップリン映画のそれをいくつか、
しかも断片的にしか観ていないので、
ついていけるか心配だったんだが、
今作の内容自体はそう難しい話ではなかったので、
興味深く観ることができた。

セリフがない分、相対的に音楽の価値が高まり、
場面の雰囲気を伝える重要な役割を果たしている。
また、セリフがないために
犬(さまざまな賞に輝いた名優犬のアギー)の
好演も手伝って、
まるで犬までしゃべっているように、
脳内で補完された。
もしかしたらワシだけかもしれないが、
これはセリフが無いからこそなのかも知れないと、
ワシは思うんだが…。

題材は、まさにサイレント映画からトーキー映画に
移行する時期に
サイレント映画の大スタージョージ(ジャン・デュジャルダン)と、
これからトーキー映画のスターになって行く女優ペピー
(ペレニス・ペジョ)のラブストーリー。
そういう背景がまた、彼らの仲を微妙なものにして行くのだが…。
今作が完全なサイレント映画ではないというのは、
例えばジョージの夢の中でジョージは声が出ず、
犬は吠え、女優たちが笑い、コップを置けばちゃんと音がする、
といった演出が施されているからである。
しかし、変にサイレント映画に固執せず、
こういった効果的な演出としてトーキーの部分を用いているのが、
今様というか心憎い。
観る前は「別にカラーでも良かったのでは」とも思ったのだが、
むしろ時代の雰囲気を盛り上げる意味では、
白黒で良かったと、観て思った。

作中、サイレント映画における誇張した演技を
あげつらう場面があるが、
誇張に関しては現代のトーキー映画でも
誇張したセリフ回しや演技にしたって残っている部分があるし、
そういう部分が決して進化しているわけではないと思う。
「あえてサイレント映画」という表現手法が
充分通じることを示したという意味で、
非常に意義深い映画だと思う。
観客の想像力を試すという意味では、
ハードルの高い映画とも言えるが、
セリフなしでも伝え方一つで伝わるので、
ぜひ観てもらいたい映画。

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