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映画 『かぞくのくに』(☆☆☆☆)

日本と朝鮮半島をめぐるこの100年は、
今は竹島問題で主に語られている。
しかし、日本による朝鮮半島の併合に始まるこの100年は、
日本においては差別を生み出し、
半島においては国家の分裂を引き起こし、
武力衝突や拉致、賠償や領土問題も未だ積み残している。
そんな中で、個々人は帰属や思想に振り回されているわけである。
今作は監督であるヤン・ヨンヒ氏の実体験が元になっている。
北朝鮮の思想に忠実でありながら、
息子の大病の前にそのここかが立ちはだかって
立ち往生する父親(津嘉山正種)。
そんな父親を健気に支える母親(宮崎美子)。
兄は好きだが、兄がいる、父親が忠誠を尽くす
"あの国"が大嫌いな妹(安藤サクラ)。
父のために「帰国事業」に参加し、
病気療養のために25年ぶりに帰ってきた兄(井浦新)。
兄を監視する朝鮮人(ヤン・イクチュン)。
しかし、病気を治すためには長期滞在が必要。
父は滞在期間の延長を模索し、
妹は別の医者を探そうとするが、
無情にも兄の即時帰国が命じられてしまう。

作中、突然の帰国について「こういうこと、ホントよくあるんだよ」
と言っている。
しかし、金日成一族の健康管理には心を砕いているあの国のことである。
医療に関してはそれほど情報は遅れていないように思われるのだ。
つまり、作中で日本に帰って来られた三人は、
初めから3ヶ月も滞在することになっていなかったのではないだろうか。
つまり、時間がかかることを改めて確認しにきただけと考えられる。
言ってみれば、お為ごかしだったのはないだろうか。
また、病気治療が理由とはいえ、日本に帰国を許されるということは、
国家にとってよほど有為な人材であるか、
もしくは重大な任務を負って来ているかのいずれかではないか、
と考えることもできる。
でなければ、あれほど手の混んだ方法で日本に一時帰国させるなど、
あの国のことを考えればあり得ないことのように思えるのだ。

確かにあの国は異常である。
しかしその異常な国家に対して、
最近まで満足な方策を打って来なかったのも事実である。
あまつさえ、「厄介者を引き取ってもらえるなら」
的なニュアンスで帰国事業に乗っかったこの国は、
100年積み残して来た朝鮮半島との諸問題を、
今こそ清算すべき時なのかも知れない。
今作のような不幸な家族は、日本国内ばかりではなく、
韓国にも多くいることだろう。
家族の絆を、幸福を守れないという意味では、
三国とも失格である。
我々民衆一人一人の力は、あまりにも小さい。
だから、今作の家族のように
たくましく生きていくしか方法がないのかも知れないが…。

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