映画 『黒部の太陽』(☆☆☆)
「世紀の難工事」と言われた黒部第四ダム建設のうち、
地質的に特に難しかった重機搬入用トンネル掘削工事の顛末を、
石原裕次郎率いる石原プロと、
三船敏郎率いる三船プロのタッグによる
当時としては豪華キャストで、見事に再現した
スペクタクル映画作品。
CGも特撮技術もまだ未発達の1968年の作品だけあって、
出演陣が体を張ったリアルな描写も注目
(実際石原裕次郎など数人のけが人が出ている)。
ラストの慰霊碑に刻まれた殉職者の数が、
今作が今でいうリアリティ系作品とは一線を画する
重みを与えているとも言える。
ただ、それは同時代に観ていればこその感想かも知れない。
あれだけ苦労して、福島第一原発1号機より
発電容量が少ない(代わりにあと200年は使えるらしいが)なら、
原発の方が手っ取り早いとか考えちゃうわなぁ。
まして、アメちゃんが猛プッシュしてきてるんだし。
挙句に「脱ダム宣言」とか言い出す輩まで出てくるしさぁ。
電気は、どっかから湧いて出るわけじゃあない。
どこかが責任を持って作らなければならない。
また、工期至上主義で人命軽視のお偉いさん方の態度も気に食わない。
作中では黒部第三ダムでのトンネル掘削の話も出ていたが、
正直全然懲りてないっていうね…。
この辺りの話を、当時の人はどんな気持ちで観ていたんだろうか…。
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