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映画 『ふがいない僕は空を見た』(☆☆☆☆☆)

煽情的な始まり方とは裏腹に、
終わってみれば心にずぅんと来る力作。
2011年本屋大賞2位なんだけど、
同年の1位が『謎解きはディナーのあとで』って聞くと、
やっぱ単に本屋が売りやすい本選んでるだけの賞のような
気がしてならないんだけどねぇ…。

とにかく、登場人物がリアルというかやたら生々しい。
男である自分が見ると切なくなってくるほど、
男性の登場人物がザンネンに描かれている。
(ラストのセリフにもそれが現れている)
対する女性陣もたいがいだが、
コッチはやはりたくましいというか、したたかに生きてる感じ。
その辺は、原作者も監督さんも女性だからっていうのもあるのだろう。
ムラ社会日本とネット社会(大くくりに言えば情報化社会)。
望まれる命と望まれない命。
産む親のエゴ。産ませる人々のエゴ。
生まれいずる悩み(by有島武郎)。
自分が幸せなのか不幸なのか。
どれも、人間の業みたいなもんだと思うんだよね。
それらを上手く描き切ってて、
よくできた作品に仕上がっていると思う。

もちろん、不満な点も幾つかある。
煽情的な始まり方にしたため(原作に忠実なのかも知れないが)に、
同じシーンを二度も見せられることが冒頭にあった。
そのため、時系列が整理されておらず、
ちょっと難解な第一印象を受けたこと。
里美(田畑智子)と夫の慶一郎(山中崇)の馴れ初めがよくわからんこと。
ダンナが里美にシンパシーを感じていることはわかったが、
今ひとつ接点が(作中の情報から想像できんでもないが)
ピンとこないんだよねぇ。
あと、結局卓巳(永山絢斗)の父が何をやってる人なのか
全然分かんなかったこと。
ソコに触れないんだったら、いっそ出さなくても良かったのでは…。
後半の2点については、原作で触れてるかもしれないが、
2時間半ぐらい使ってる作品なんだから、
もう少し描き方に配慮があっても良かったのでは…。

とはいえ、色々な切り口がある、という意味では、
実に深みがあって趣のある作品。
ちょっと甘めの採点だが、
邦画では『青い鳥』(2008年のワシの『勝手に映画賞』最高賞)以来の、
心にずぅんと響く力作だったので、
『青い鳥』と同じく☆5つを贈る。

ただし、今作は18禁指定映画なので、お子ちゃまは要注意。
正直15禁(壇蜜主演の『私の奴隷になりなさい』でも15禁なんだから)
ぐらいで良かったような気はするんだけどねぇ…。
まぁ、濡れ場も色んな意味で生々しいんだけどね。

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