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映画 『裏切りの戦場 葬られた誓い』(☆☆☆)

オーストラリアの東に浮かぶ、ニューカレドニアと総称される島々。
当地は、現在に至ってもまだフランス領である。
そんな本国から2万5千キロ(作中による数字)離れた島で、
1988年4月一部原住民が独立を目指して暴発。
現地の警官4名が死亡、30人を誘拐する事態に発展した。
時あたかも、本国では大統領選の最中。
本国から送られたルゴルジュ大尉(マチュー・カソヴィッツ)は、
平和的解決を模索して政府と原住民の間を奔走するが、
政権交代が近づく本国側は功を焦って解決を促す。
ついには、原住民に対する攻撃命令が当時の大統領
ミッテランの名の元に下されてしまう。

現地警官の殺害も、
結局は不意の遭遇戦による偶発的なもののようであったが、
結局はそこのボタンの掛け違いが最後まで尾を引いちゃうんだよね。
原住民側は、自分たちの文化や風習を守るための手段として、
仕方なく独立を持ち出したにすぎない。
彼らの権利を保証さえすれば、
こんな悲劇はおそらく生まれなかったであろう。
しかし、フランス側は原住民をテロリストと決めつけ、
また死者の英霊に報いるためと称して
断固たる措置を取ろうと考えていた。
ルゴルジュは、当初から孤立無援に近い状態だったと言えるだろう。
それでも、平和的解決の糸口をつかむところまで行ったのだから、
彼の手腕も相当なものであろう。
ただ、時期が最悪だったことが彼の交渉を困難にした、
とも言えるだろう。
距離の壁も彼にとって大きな敵だったことだろう。
最後まで無理解な現地軍を説得するには至らなかったのだから。

ポスト冷戦とは、彼ら原住民のようなマイノリティの権利主張に対して
先進諸国(自称途上国の中国なんかも含まれるだろうが)が
どう向き合うかが大きなテーマと言えるだろう。
そういう意味で今作は、ひとつの答えを導き出している
(完全な成功例ではないが)といえるだろう。

ちなみに映画としては、
単純な戦争映画ではないこともあって、やや地味。
ただ、緊張感と無力感はけっこう高い。

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