映画 『ファイヤー・ウィズ・ファイヤー 炎の誓い』(☆☆☆☆)
どんな優れた制度があっても、
それを正しく運用できる強固な基盤が無ければ、
優れた制度そのものが仇になったり、
時には悪用されてしまうことをうまく表現している作品。
証人保護プログラムは、証人の命を守るために人権を蹂躙してしまいうる、
いわば諸刃の剣。
一方、その証人が立つべき司法の場も、
手段を問わず優秀な弁護士を雇えばクロでもシロにできかねない世界。
主人公のジェレミー(ジョシュ・デュアメル)は、
ギャングのボスヘイガン(ヴィンセント・ドノフリオ)の殺人現場を目撃してしまう。
ヘイガンに相棒を殺されたセラ刑事(ブルース・ウィリス)は、
ヘイガンを追い詰めようとジェレミーに裁判での証言を依頼するが、
ヘイガンはいち早く手を回してジェレミーの身辺を洗い出し、脅迫する。
セラたちは、ジェレミーの命を守るため証人保護プログラムを発動させるが、
それは結果的にジェレミーの身辺から大事な人を引き離すことになってしまう。
それでもヘイガンの執拗な追跡が続くジェレミーは、
証人保護プログラムの隙をついて、
自らヘイガンに復讐すべく動き出すのだが…。
法のスキを突くっていうのは、
クライムサスペンスの常套ネタではあるが、
いろんな人間の思惑が絡み合っていて、
今作はなかなかうまい作りになっていると思う。
エピソード的にはわりとベタな部類に入るものが多いが、
組み合わせの妙でこういう作品も生まれうるということだろう。
☆の数としてはやや甘いが、
考えさせる作品には違いないと思うんだよね。
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