映画 『アルバート氏の人生』(☆☆☆)
『レ・ミゼラブル』にもあったが、
19世紀のヨーロッパでは、
女性が一人で生きて行くのは簡単ではなかったようである。
ある者は娼婦に身を堕とし、
ある者はメイドとなり、
またある者はは女工に身をやつす。
しかし、今作の主人公アルバート(グレン・クローズ)と
運命の出会いを果たすヒューバート(ジャネット・マクティア)は、
男として生きる道を選んだのである。
男尊女卑の時代だから仕方ない面もあるだろうが、
宗教的にタブーとされているヨーロッパでの話である
(アルバートは上司の目を気にしていたが、
ばれたら宗教的に罰せられる可能性もあったからであろう)。
しかし、秘密保持のためには孤独であり続けるか、
ヒューバートのように理解あるパートナーを得る必要があるわけで、
アルバートは店を持って独立するという野望を持って
せっせとチップを蓄財する一方、
理解あるパートナーを得ようと一人の女性に
アプローチをかけて行くわけだが…。
ある意味救いの無いエンディングが悲しみを誘うが、
アルバートが想いを寄せるヘレン(ミア・ワシコウスカ)への
アプローチが、彼女の秘密があるがゆえなのではあるが、
どうにももどかしいと言うか、スクリーン映えしないのである。
結果的に、全体として豊かな抑揚に欠ける、
よく言えば抑制の利いた作品に収まってしまっている。
題材としては悪くないが、いろんな意味で爽快感のない作品。
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