映画 『ザ・マスター』(☆☆☆)
宗教っていうかスピリチュアルな話なのかと思ったら、
「秩序と混沌」の話なのね。
フレディ(ホアキン・フェニックス)は、
酒で身を持ち崩すまでもなく、
社会という秩序とは基本的に相入れないタイプの人間で、
マスター(フィリップ・シーモア・ホフマン)は
それを社会に適応させようとするが、
奔放な生き方をするフレディにどこか憧れてもいる。
一方のフレディも、社会に適応させようと
自分を実験動物みたいにすることに反発しながらも、
必要とされていると思うことに心地よさを覚えているのか、
マスターの元を離れようとしない。
ワシも、秩序立った社会に息苦しさを感じることがある。
そんな時に酒を飲んだりするが、
それは一時のことで、
フレディのように記憶がなくなるまで飲むなんて、
そもそも体が許してくれない
(つまり吐いてしまうわけだが…)。
その一方で、時間通りに来る列車の恩恵を受けて生活してるわけで
(だから、ちょっと止まっただけでイライラするし)、
要するにオンとオフの関係というか、
両方のバランスがよく保たれているのが、
いい人生なんだと思うんだよね、多分…。
そういう意味では、作中で語られる
前世の存在や催眠療法には、実はあんまり興味がなくて、
「信じるか信じないかはあなた次第」だと思うんですよ。
今作はそういうことじゃなくて、
獣にも神にもなりきれない人間という存在を考える、
そういうやや哲学的な作品なんだと思うんです。
ワシには、ちょっと難しかったな。
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