映画 『クラウド アトラス』(☆☆☆☆)
非常に哲学的な作品という観方もできるし、
そういう意味ではやや難解な作品と捉えることもできる。
場面転換があまりにも頻繁で観ている方が追いつかないという
批判ができる一方で、
同じようなエピソードをいろいろな方向から捉えることにより、
観客を飽きさせないよう工夫していると見ることもできる。
ある意味では観客の資質を問われる作品であり、
そういう意味では合う合わないがはっきりと出る作品かも知れない。
つまり、諸手を挙げてオススメできる映画ではない。
しかし、「輪廻転生」や「既視観(デジャヴ)」、
「人と人との繋がりあい」といった抽象的な概念を、
壮大な物語として表現しているという意味では、
相当に意欲的な作品ではある。
ただ、それらの部分を重視しすぎたがゆえに、
一つ一つのエピソードが希薄になってしまったというか、
それぞれのエピソードに関する説明が
なおざりになってしまっているのも事実。
映画の上映時間という縛りの中に、
6つもエピソードを無理にぶち込む必要があったんかねぇ。
あと、特殊メイクもひとつのウリみたいだが、
顔を変えすぎてしまったがために、
それぞれのエピソード間の繋がりがわかりにくくなってしまった。
製作者側の意欲が空回りしてしまってる作品ではあるが、
もう1回ぐらい観ても良いかな、と思わせる魅力はある。
全体の構造をちゃんと理解できれば、
☆5つの価値も充分ある作品。
ただ、ワシのオツムの出来はそこまで良くなかったみたい…。
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