映画 『偽りなき者』(☆☆☆☆)
1日遅れだけど「ウソ」がきっかけの作品。
スクリーンサイズの内容でもないし、
ラストも全然すっきりしないんだけど、
終始胸にずぅんと来る映画。
洋の東西を問わず、田舎町の閉鎖性っていうのは変わらない。
そんな町の幼稚園に勤めるルーカス(マッツ・ミケルセン)は、
教え子のひとりクララ(アニタ・ヴィタコプ)のついた
小さなウソがきっかけで、
幼児性愛者(要するにロリコン)扱いされて白眼視されてしまう。
この話、ルーカスにも全く非が無いわけではないのだが
(単純に言えば彼女の好意を無にしたわけだが)、
クララのついたウソが、
正直ついてはいけないレベルのウソ
(しかも彼女が無邪気についた嘘だっていうところがタチが悪い)
だったことと
「ウチの娘にかぎってウソをつくわけがない」
と思う親心(まぁ、わからんではないが…)、
さらには「子供と酔っぱらいはウソをつかない」
(日本じゃあ、どっちもウソつきの代名詞みたいなもんだが)という
ヨーロッパのことわざを真面目に信じてる大人たちのせいで、
ルーカスはどんどん窮地に追い込まれる。
それがまたかなり露骨で、
買い物に来るなとか、殴る蹴るだとか、家に石投げ込むとか、
小心者のワシなんかには到底耐えられないレベル。
それでも信じてくれる友人がいてくれたりするおかげで、
最後にはなんとか友情を取り戻すに至るわけだが…。
ラストに入るところでいきなり1年ぐらい経って、
なんか仲直りちゃってるのがまずモヤモヤするんだよねぇ。
正直、これだけ派手にやり合ったんだから、
お互い相当気まずいと思うんだけどなぁ…。
しかし、本当の悪人などいないこともまた確か。
みんながみんな、信じるものや正義があって行動してるんだからねぇ…。
「イジメ良くない」って大人は言うけど、
そう言ってる大人たちの身の回りにも、
本人たちが気付かないだけで
イジメのタネなんかゴロゴロしてると思うんだよね。
東日本大震災後の原発事故絡みでもあったみたいだし、
世界から称賛されたって言うけど一皮むけばたいして変わんないって。
そういう、人間の暗部というか恥部と、
どう向き合って行くのかを考えさせられる映画だね。
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