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映画 『藁の盾』(☆☆☆)

法をタテに人を説得しようとしても、
多分理屈っぽくなるだけで無駄なのはわかってるんだけど、
それでも今作では暗に命の価値が不平等だと認めてるようで、
それはそれで許せないんだよね。
いちおう、この国は法治主義国家を標榜してるんだから、
「クズの命を、命を賭けて守る意味なんてあるのか」なんてことを、
法の執行者である警察官に言わせちゃいかんと思うんだが…。
一方で、彼らもまた欲望を持った人間である以上、
命とか家族とかカネとか、そういうものの前で
迷うのもまた当然なわけで、
まして清丸(藤原竜也)が本当にクズともなれば
(そういう意味では藤原竜也の怪演が光るのだが…)、
容易にタガが外れそうなものだが…。
だからこそ、
銘苅(大沢たかお)が最後まで清丸の護衛を全うしたことには、
そういう単なる欲得以上のものをラストに期待してたんだけどねぇ…。
いや、仕事人間という意味では、
これほど頑健な人はいないだろうけどねぇ。

5月3日は憲法記念日。
「与えられた憲法論」に代表される改憲論着が
にわかに活況を呈しているが、
そもそもこの国はありとあらゆる権利を、
自らの血と肉とによらず、
すべからく借り物によって賄ってきた歴史を持つ国である。
法の下には、人間にクズも宝も無いのである。
それが「法の下の平等」ということである。
ゆえに刑法典では私刑や仇討ちを禁じてるわけで、
蜷川(山崎努)のような行いが認められたら
カネで法を曲げることができることになってしまう
(理屈っぽ過ぎるね、きっと)。
日本人は、そもそも法の何たるかから学び直した方がいいのでは、
という根源的な疑問を結局解決できないまま、
今作を観終えたわけだが…。

そこまで深く考えなくても、
人間の強さと弱さを再認識させてくれる作品であることは確かである。
ワシには、以上の理由から少々物足りなかったわけだが…。

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