映画 『華麗なるギャツビー』(☆☆☆☆)
「恋は盲目」と言うけれど、
盲目になるからこそその目標に一心不乱に突き進むこともできるし、
逆にそうであるからこそ相手の気持ちを慮ることも
おろそかになってしまうのかも知れない。
そういう恋の悲喜こもごもを、
他人の目からわりとポジティブに捉えている作品と言えるだろう。
また、原作が書かれた1920年代初頭という、
アメリカがある意味最も輝いていた時代を、
現代の映像技術と高級ブランドの力を借りて、
きらびやかに演出しているところも見どころ。
そして、それだけきらびやかに飾り立てても、
人間は死んだ時にこそ真価が問われること。
そして、千金に替え難い友情の存在など、
過去の名著はやはり普遍的価値をテーマにしているからこそ、
不朽の作品たりうるし、
今作のように何度もリメイクされるということだろう。
あとは、やはり少なくとも当時のアメリカの現実とも言える、
移民の国でありながら厳然と存在する階級の問題。
階級を超えた恋愛は、使い古された命題ではあるが、
下流からのし上がったギャツビー(レオナルド・ディカプリオ)と
上流階級のトム(ジョエル・エドガートン)の冷戦は、
やはり単なる恋敵以上のものを感じさせてくれる。
単純な純愛では片付けられない面白さのある作品である。
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