映画 『暗闇から手をのばせ』(☆☆☆☆)
風俗嬢という、決して世間から良い目で見られない職業と、
障碍者という、ややもすれば憐れみられるという、
考えようによっては世間から腫れもの扱いされる人々の組み合わせ。
冒頭は、ドキュメンタリーっぽい感じの、
やや平板な展開(それでも、ホーキング青山の存在感が異色)だが、
下半身不随の青年(森山晶之)が出てきてから一気に物語が展開して行く。
途中、ストーカー(モロ師岡)と留置所で再会した沙織(小泉麻耶)が彼に、
「障碍者だって、健常者だって、何か欠けてることは同じでしょ」
的なセリフが出て来て、正直しびれてしまいました。
みんながそう思えれば、みんな差別しないだろうし、
みんな助け合うことができるんでしょうけど、
障碍者の家族ですら障碍者本人のことを本当に理解してるとは言えず、
また風俗嬢である沙織に対して冷淡な態度をとったりしちゃうのが、
現実なんですよね。
それでも、救いのあるエンディングを用意しており、
真面目でなかなか練られた作りの作品に仕上がってます。
また、沙織と青年の純愛的な流れだけにしてないのが、
生々しくて、またバランスがとれていて良いと思います。
ただ、題材が題材なので、
天下のNHKでは企画化できないよなぁ、確かに…。
逆に、こういうことが「映画だからできること」のような気はするが…。
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