映画 『風立ちぬ』(☆☆☆☆)
内容的には、非常に実写向けではあるが、
カプローニの飛行機や、
そもそも宮崎駿がアニメを表現手段として選択しているので、
(大きな)子ども向けのアニメに仕上がったのは仕方ない。
本当に問題なのは、
スタジオジブリの映画が子供の情操教育に非常に良いと宣伝し続けた
某民放のイメージ戦略であり、
それに盲従した親たちにあるのではないかと思われる。
だいたい、堀越次郎という名前にピンとくるようなのは
(ワシもボンヤリと名前聞いたことあるかな、程度)
けっこうコアなミリオタさんだと思うし、
スタッフロールに『月刊モデルグラフィックス』の
名前が入ってるぐらいだから、
(大きな)子ども向けの映画であることは明白。
ジブリの名前につられて観に行く方が悪いと思うんだが…。
閑話休題。
ワシなんかは、非常にマニアックで、
かつ宮崎駿のオタクっぷりが存分に発揮されていて、
とてもディテールにこだわった美しい作品に仕上がってると思う。
某『ゲ○戦記』以来のジブリ映画だったけど、
今作は良い映画だと思った。
ただ、じゃあ上記したうように実写でやったら、
商業的に成功したかどうか大いに疑問符がつく。
とはいえ、既存のジブリ映画のイメージで観に行くと、
子供は寝るだろうし(専門用語も散見するし)、
フツーの大人が観に行ったんじゃちんぷんかんぷんだろうね。
しかし、取りようによっては現代に対して
皮肉と矛盾を突きつけてるセリフがいくつもあり、
風刺のきいた作品とも言える。
先ごろ、「憲法改正などとんでもない」といった趣旨が含まれた
宮崎駿氏の手記も出たように、
今作は宮崎駿個人のメッセージ性が強い作品と言える。
つまり、現代に対する1つの問題提起と言えるのではないだろうか。
なんとなく観に行く映画ではないと、ワシには思えたわけだが…。
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