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映画 『コン・ティキ』(☆☆☆)

「そこに山があるから登る」人もいる。
「地球が丸いんなら、西へ西へ進んでもインドに行けるはず」
という言葉信じて未知の大洋に漕ぎ出した人もいる。
今作の主人公であるトール・ヘイエルダールは、
後者のように自説証明するために、
古代のポリネシア人がしたであろう
(あるいはそれしかできなかったであろう)
方法であるイカダで外洋に漕ぎ出すという冒険に旅立ったのである。

最近でも、80歳越える御身でエベレスト登ったり、
盲目の航海士とともにヨットで太平洋を渡ろうとしたりするなど、
常に「冒険」というものは、特に男の心を強く揺り動かすようだ。
と同時に、インドへ西回りで行こうとした彼の時代から、
冒険にはカネがかかると相場が決まっているのだ
(80ウン歳の彼の袖にはスポンサーのタグが並んでいたし、
盲目の航海士と旅立った彼は、彼自身が出資者だろう)。
ヘイエルダールも、最後は出発点であるペルーの大統領に直談判したり、
記録映像や日々の通信によって
なんとか出資を取り付けようと奔走していた。
しかし、荒れ狂う波やそれによって軋む船体、
さらにはサメのような危機が丸太一本挟んで足元にあり、
その上想定通りに行かない航海が続く極限の状況で、
仲間たちの精神状況も危険を孕んでいく。
そういうことが事細かに…、
はこの映画では描かれれないんだよねぇ。
ヘイエルダールの人間臭いところは随所に見られるが、
特段それを深く掘り下げるでもなく、
全体的に浅い作りになってしまってるのが残念。
こういう冒険譚は、変にエンタメにしないで、
本人に話を聞くのがイチバンということだろう。
実際、今作でもベースにしたであろうヘイエルダールの著作は、
全世界で5000万部以上も売れたというし、
記録映画はアカデミー賞も受賞している。
今作は、そういった一次創作への入り口としては、
悪くない出来だとは思うが、どうだろうか。

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