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映画 『欲望のバージニア』(☆☆☆)

禁酒法時代のバージニア州に実在した、
密造酒で名をあげたボンデュラント兄弟の、
悪徳取締官との戦いを描いた作品。
登場人物にかなりのデフォルメ
(特に悪徳取締官役のガイ・ピアーズ)が施されており、
非常にわかりやすい映画に仕上がるはずなんだが…。
しかし、ストーリーラインがややわかりにくく、
バージニア州の田舎のコミュニティが、
最後にはよそ者である悪徳取締官に牙をむく、
という構図が突然現れるので、ご都合っぽく見えてしまうのは、
今作において非常に損している点だと思う。
ボンデュラント兄弟にしても、仲がいいんだか悪いんだか、
って感じで最後まで行くし、
全体的に消化不良な印象を受ける。
爽快感はそれなりにあるので、そこに持って行く流れで、
いろいろな失敗をしているのではなかろうかと思うんだが、
どうだろうか。

とはいえ、こういう犯罪史の1ページを、
おそらく加害者(と呼ぶべきなのかわからんが)側の人間が、
小説にしてカネ儲けしてるんだから、
アメリカって国はやはり懐が深いよね。
日本なんて、あの戦争のことを末端の兵士ですら
まともに語ろうとしないうちに、
40年、50年、60年といたずらに過ごしてしまったため、
周りの国からあれこれ突っ込まれても、何も言い返せない。
まぁ、口をつぐんだということは、
口にできないような恥ずかしいことをやってきた、
と思われても仕方ないわけで、
そういう意味ではもうまともな「総括」なんて
望むべくもないと思うんだよ、
少なくともあの戦争については。
だからこそ、あの震災に関しては同じテツを踏んではいけない
と思うんだけどなぁ…。
さっそく当時の原発所長が死んじゃったし、
周辺に対する取材もなんかおざなりな印象を受けてしまう。
国家なり事業なりの継続性を考えるならば、
汚点であっても包み隠さず構成に語り継いで行くことが、
責任ある行動だと、
歴史を学んだ者としては切に思うところであるのだが…。

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