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映画 『凶悪』(☆☆☆☆)

年寄りがたびたび詐欺の対象になるのは、
まず彼らがシコタマ蓄え込んでいるからであり、
また体力的にも頭脳的にも与し易い相手だからであろう。
一方で介護となれば(しかも作中では認知症のオマケつき)、
家族で面倒を見なければならず、
それは家族の誰かの犠牲なしには成り立たない。
それは一人で背負って行くにはあまりにも重い荷物であり、
この国にはそれに対する明確な答えを出してはいない。
「死ね」と思う気持ちが芽生えたり、
手を上げてしまところまで発展してしまう可能性を、
充分孕んでいるわけである。
一方で、人は(特に日本人は)都合が悪くなると
口をつぐんでしまう。
悪いとわかっていても、見ないフリをして、
なかったことにしてしまう悪いくせがある。
それもまた、闇の部分と言えるだろう。

しかし、どんな悪人にもいい面があったりする。
面倒見が良かったり、
賢い(ズル賢いとも言えるが)人だったり、
仕事に対する確かな信念があったり(偏執狂とも言えるが)。
人間は、この二面性があるから面白いし、
だからこそドラマがあるわけである。
今作は、そういう意味では非常に深みのある作品であろう。

(以下ブログのみの付記)
今作でも在宅介護か施設介護かで
離婚の危機に至る話が出てくるが、
少し前の生活保護騒動でも、
最近のみのもんた絡みの話でも思ったことだが、
いくら「血は水よりも濃い」と言っても、
いつまで親子間で責任が及ぶのか、
この国では曖昧を通り越していいかげんであり過ぎると、
今作を観て改めて感じたわけであります。
親が勝手に多額の借金を抱え、
結局その責任が家族にまで及んでしまうから、
家族としては保険金でも使って…、
みたいな発想になるし、
そこをまんまと「先生」に付け込まれるわけで…
(貸し手もソコを当てにし過ぎてる、という問題があるわけだが)。
こんなこと言うと不謹慎なのかもしれないが、
もう少しドライでいいとような気はするんだけど、
そうすると今度は孤独死が増えるような気もするし、
まぁその辺がこの国のバランスの悪さを、
一つ象徴してる気はするんですけどねぇ。

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