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映画 『人類資金』(☆☆☆)

『亡国のイージス』は、
ハリウッド映画的割り切りで作品としては成功したが、
それでは結局のところ劣化ハリウッド映画止まり。
時間配分と日本らしさのバランスが取れた、
真の秀作日本映画を期待したんだが…。
結局既存の社会は日本映画が陥る
説教臭さを払拭することはできず…。
しかも、無駄なカットが多く、
結果的に緩慢なダラダラ映画になってしまった。

「新しいルール」と、今作では盛んに言いたてるが、
あの紙屑(=紙幣)は、結局便利だから存在するわけで、
例えば全人類が今作に出てくるようなPDAを持ったとすれば、
紙幣ではなくそれこそ数字そのものが貨幣としての力を持ち、
通信インフラを掌握する一部の者が、
世界の覇権を握ることになるだろう。
文明の起こりから、いやそれ以前から脈々と存在する、
経済の基本原則である(等価)交換のルールから、
我々は逃れることはできないのだ。
単純に言えば、交換のためのツールが変わるだけということ。
交換のための価値を、自ら生み出さなければ、
経済に満足に参加できないということである。
今作では、その価値を生み出すための手伝いをするために
「M資金」は存在すると言っているが、
相変わらず日本人はお人好しだね。
優勝劣敗は、人間界どころか生物界の基本原則なのに、
わざわざ敵手を増やす意味なんてあるのかねぇ。
それに、「M資金」がもしそういった高邁な理想を持って
作られたとしても、
戦前から金融資本主義に目覚めていたアメリカと、
そんな資金を共同管理したところで、
結局金融資本主義の潮流に飲まれるなんて、
もともと目に見えてたんじゃないかねぇ。

ツッコミ所満載のだるい映画。

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