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映画 『飛べ!ダコタ』(☆☆☆☆☆)

確かに、少々説教くさいところも無くはないが、
こういうのがワシが思ういい映画。
てか、マジ久しぶりに泣けた。
日頃歴史かじってたとかい言ってるくせに、
こんな話まったく知らんかったよ。

終戦から5ヶ月後の佐渡に、
イギリスの高官を乗せたDC3(通称ダコタ)が不時着。
乗組員は無事なものの(うまく降りたもんだ)、
機体は損傷し、また滑走路もない当時の佐渡では、
すぐに飛び立てるはずもなく、
かつて(と言っても約半年前まで)敵であった彼らを、
複雑な思いを抱きつつ受け入れることにしたのだが…。

あの戦争と向かい合う、
あるいは地元の歴史向かい合うっていうのは、
たとえば今作のような作品のことなんじゃないかと、
感心しきりでした。
例えば、イギリス人を迎え入れる時の村長のセリフ。
「この島には、無宿者から天皇さままで流されてきた。
彼ら(イギリス人)は、それらの中で最も遠いところから流されて来た。
だから、同じように受け入れようじゃないか」
金山の島であり、流刑地でもあった佐渡。
そういう複雑な背景を持つ島であるが、
その現実から決して逃げていない。
それに、インパール絡みのエピソードも出てくるので、
イギリスとは直接絡んでくるわけだが、
それすらも最後は乗り越え、
手に手を取ってダコタを飛ばす滑走路作りを行う。
出発前の宴会では、「蛍の光」の合唱。
前日の『大統領の料理人』でも、
別れを惜しむ歌として歌われたが、
歌詞は理解できずともイギリス人たちはメロディで理解し、
英語の歌詞で歌いだすのだ。
歴史が培う村民性。音楽が持つ力。
そういう普遍的なテーマも内包しつつ、
終戦直後の微妙な空気感を映画化してる今作。
英語圏でも十分通用する映画だと思うし、
こういう話はむしろ積極的に発信すべきだと思う。
若干サービス含みではあるが、
今年は☆5つあんまり付けてないし、
ワシの『勝手に映画賞』最高賞まである傑作。

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