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映画 『マリリン・モンロー 瞳の中の秘密』(☆☆☆☆☆)

ワシみたいな小市民が、
これほどのセレブリティのことを、
わかった風な口で語るのは本当に忍びないのだが、
作品が作品なのであえて語って行こうと思う。

まず、「マリリン・モンロー」は、
「ノーマ・ジーン」が作り上げた最高傑作であり、
見事なアイドル(偶像)である。
この傑作なしには、
彼女が世に出ることはなかったであろう。
しかし、「ノーマ・ジーン」が
「マリリン・モンロー」であり続けるがゆえに、
また、あまりにも「マリリン・モンロー」の
出来が良すぎるがゆえに、
その狭間で彼女は苦しみ続けることになるのである。
彼女は、素晴らしい女優なりたいと思い、
そうあり続けようと努力を積み重ねた。
しかし、彼女は常に「マリリン・モンロー」を演じ、
ショウビズの世界も多かれ少なかれ
「マリリン・モンロー」を望んだのである。
つまり、何者にでもなれる女優ではなく、
セックスシンボルとしてのマリリンに需要があったのだ。
しかし、彼女は演じたかった、
いや台本の中の何者かになり切りたかったのである。
それはとても純粋で当たり前の欲求なのではあるが、
彼女に限ってはそれを望まれれいない、
ということが彼女にとって
最大の不幸だったということだろう。

先にも述べたように、
彼女は「演じる」ということに対してあまりにも純粋でありすぎた。
そして、彼女は「マリリン・モンロー」
であり続けることに汲々としており、周りが見えず、
また他人の痛みや恥の概念を
理解できなかったのではないだろうか。
それは彼女の生い立ちにも問題があったからかもしれないが、
そうであるがゆえに他者から見れば、
彼女はあまりにもわがままに映ったに違いない。
また、「演じる」ということに、
あまりにもこだわりすぎて、
内から湧き出でるものを生かせなかった、
あるいはそもそも「マリリン・モンロー」
という偶像にはそういうものがそもそも
無かったのではないだろうか。
何者かになる、ということは、
その何者かを理解することであり、
彼女は他者を完全に理解することはできないことを、
その身で思い知っていた。
にも関わらずその世界で生きて行こうとした。
彼女に関わった者の中には
「彼女には才能がある」と言う者もいた。
しかし、実際にその豊かな才能は、
おそらく「マリリン・モンロー」であり続けることに
費消されていたことであろう。
つまり、彼女にとって「マリリン・モンロー」であることは、
最大の強みであり、
同時に最大の弱みであったということではないだろうか。

「女優」という仕事に真摯に向かい合い、
後半生を「マリリン・モンロー」を
演じることで過ごした「ノーマ・ジーン」。
エセ女優ばかりの日本芸能界のお歴々に、
是非とも観てもらい、何かを感じてもらいたい。
何も感じないヤツがいるとしたら、
ソイツに女優を名乗る資格はないだろうね。
で、我々小市民はいかに今作を観るか。
正直、ワシはココまで苛烈には生きられないね。
そのぐらい、彼女は凄まじい人生を歩んできたということ。
自殺かどうかはともかくとして、
長生きできそうにないわな、この人生では。

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