映画 『デッドマン・ダウン』(☆☆☆)
復讐なんてしたって何も帰って来ないことは、
みんな承知してるんだけど、
なまじ生きてるがゆえに、
失ったショックを相手にも与えたいと思う心が、
人を復讐に駆り立てるのかもしれない。
今作では、自分の家族を殺した組織に潜入し、
内側から全滅させようとする男(コリン・ファレル)と、
女の命とも言える顔を酔っ払い運転でダメにされ、
復讐など半分諦めていた女(ノオミ・ラパス)の、
人生が交差するところから物語が始まる。
女は、男が復讐の途中の現場を目撃し、
「彼を使えば自分の復讐を果たせるのでは」
と思い接近する。
男も、現場を見られ、それをバラすと言われれば、
協力せざるを得ない。
男は、自分の復讐の合間をぬって
女の復讐対象の行動を分析し、
女は女で謎めいた男の素性を知ろうと追い回す。
そのうち、復讐の終了が互いの縁の切れ目になると考えた二人は、
思いがけない行動へと走るわけだが…。
たいていの復讐劇が陥る悲劇的な終末の原因は、
復讐自体が成就しないか、
復習が成就したがゆえに生じる虚しさに起因するのだが、
今作ではそれを回避してハッピーエンドを迎える。
それはそれで良い話なわけだが、
ラブストーリーを苦手とするワシにとっては、
どうにも甘ったるいエンディングなのだ
(死んだら死んだで「ありきたり」って言うんだろうけど)。
ありきたりじゃない、という意味では評価できるが、
結果的にワシ好みではない作品になってしまった、
ということでこの評価。
デートムービー向けと言えそうだが、
そういう意味ではやや地味ではある。
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