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2013 勝手に映画賞

まさかの213本に達した今年の映画鑑賞数
(鑑賞2回目の『ザ・レイド』を除く)。
観ようと思えばいくらでも観れてしまうもんですね…。
というわけで、星の数別の総チェックから。

☆5つ=7本(2012年=9本)
 ○二つの祖国で 日系陸軍情報部
 ○L.A. ギャング ストーリー
 ○マーヴェリックス
 ○マリリン・モンロー 瞳の中の秘密
 ○飛べ!ダコタ
 ○42~世界を変えた男~
 ○キャプテン・フィリップス

☆4つ=63本(2012年=37本)

☆3つ=87本(2012年=98本)

☆2つ=43本(2012年=35本)

☆1つ=13本(2012年=9本)
 ○R-18文学賞 vol.1 自縄自縛の私
 ○青木ヶ原
 ○アンタッチャブルズ
 ○奪命金
 ○ダイナソー・プロジェクト
 ○グランド・マスター
 ○マニアック
 ○ペーパーボーイ 真夏の引力
 ○嘆きのピエタ
 ○ガッチャマン
 ○R100
 ○ブロークンシティ
 ○タイガーマスク

最高賞は、いつもマイナーな作品から選ぶようにしてますが、
今年は、観た瞬間にほぼ『飛べ!ダコタ』に決めてまして、そのまま決着。
国産では2008年の『青い鳥』以来。
こんないい話が、地元でもあまり知られてなかったっていうのが、
日本人の国民性なんだろうかねぇ。
世界にも発信しうるコンテンツという意味でも、
世界の隅っこから少しでもアピールできれば、
 
という意味で最高賞を贈りたく思います。

一方の最低賞。
見れば見るほどどうしようもない作品ばかりなのだが、
権威ある映画賞に世界の隅っこからあえて喧嘩を売る、という意味で、
僅差ながら『嘆きのピエタ』に決定
(ちなみに次点は『グランド・マスター』)。
『そして父になる』を観た時も思ったのだが、
カンヌってなんでこんな作品評価してるんだろうか、
と疑問符がつく作品が少なくないわけで…
(もちろん、極私的評価ではあるのだが)。
ワシの思慮が浅いだけならそれはそれで仕方ないわけであるが、
それが商業主義と結びついて、
「理解したけりゃ何度も何度も観ないといけませんよ」的な映画作りには、
ワシは憤りを感じてるわけで…。
それは、送り手の技術不足か、あるいは理解してもらう努力をしてないのでは、
という解釈をワシはしているわけで…。
そういう投げかけ的な意味で、最低賞にさせていただきました。

最後に総括。
今年の☆5つは、ドキュメンタリーか実話ベース。
刺激的な実話の掘り起こしが全世界的に行われていると言えるわけですが、
ワシの嗜好が単にリアリティ寄りになってるとも言えます。
裏を返せば、大きな物語を提示できる作家が確実に減っている、
という考え方もできるわけで
(その辺りで冒険できなくなってきている、というのもあるだろうが…)、
世界的な原作不足の原因はおそらくその辺りにあるのではないか、と思われる。
そういう意味では、とんがったエンタテインメント性を持つ
インド映画の可能性が世界的に注目されているというのもうなずける。
あのわかりやすさは、大きな強みだと、ワシは思うわけだが…。
一方で、最低賞や日本映画によく見られる、
「奥深さ」を「難解さ」とはき違えている作品群については、
やはり疑問符をつけざるを得ない。
以下に世の中が複雑で、映画がそれを投影している面があるとしても、
理解してもらう努力と技術を身につけることは当然必要だと思うし、
『嘆きのピエタ』などにはその点が明らかに駆けているとワシは思ってしまうわけである。
日本映画に至っては、商売ありきで、
そもそも技術そのものが足りてないように思われる作品がいくつもある
(☆1つの邦画4本は顕著な例)。
まぁ、「やせた土地」だから仕方ないんだろうけどね…。

来年は、札幌地区で1月4日公開の
 ○バックコーラスの歌姫たち
 ○愛しのフリーダ
 ○天使の処刑人 バイオレット&デイジー
の3本のいずれかから始動。
3本中2本がドキュメンタリーという、ワシの嗜好を反映した構成。
裏方さんを扱った作品なので、視点的には面白いと思うんですが…。

「新・中央競馬予想戦記」2013年全体を振り返って ②総括編

(1)12/21、12/22、12/23の結果
 ①12/21の結果
  1勝(赤穂特別) 6敗
   回収率 8.3%
 ②12/22の結果
  1勝(ホープフルS) 8敗
   回収率 181.3%(ギャラクシーS返還分を収益として計算)
 ③12/23の結果
  1勝(ハッピーエンドC) 7敗
   回収率 6.9%
   年間回収率 74.4%
   通算回収率 74.6%
 ④週間総括
  ホープフルSだけの週だったね、結局。
  おかげで、中山は最終開催プラス収支で締めくくれたわけだが…。
  対する阪神が本当に悪くて、今年の阪神競馬場の回収率が45.6%と、
  正直シャレにならないレベルの悪さ。
  データ編でも書いたように、今年だけで回収率が4%減。
  去年は、年末の阪神開催で9630円取ったのになぁ…。振れ幅デカイね、実際。

(2)年間総括
 2012年11月から仕事場が変わりまして、不定休になりました。
 朝も早くなり、家に帰ると信じられないほど眠くなる日々が続きました。
 競馬に対してもあわただしく取り組むようになりまして…、
 なんて書くと数値の悪化の原因を環境変化のせいにしてるのか、
 ということになりかねないわけですが、
 高額配当が実際今年は相当少なく、正直守りに入ってしまったというか、
 妥協的な予想が増えてしまったのがいけなかったのではないか、
 と今は振り返っております。
 そういう状況を打破しようと占い企画を始めようと思ったわけですが、
 実際には取り組みが不真面目で自分で活かせてなかったのも、
 この数字の原因の一つだと思っております。
 来年は、うまく時間を作って、これらの状況を打破していけたらと思っておりますが…。

(3)2014年の目標
 今年の目標と同じく、
  年間回収率90%必達
 を目標として行きたいと思います。

「新・中央競馬予想戦記」2013年全体を振り返って ①データ編

(1)年齢、距離、馬場別(カッコ内は通算の数字)
 ①2歳戦
   55戦 86.7%(519戦 80.0%)
 ②3歳戦
   98戦 71.9%(985戦 68.5%)
 ③3歳以上戦
   483戦 66.9%(4655戦 73.7%)
 ④4歳以上戦
   288戦 79.5%(2634戦 70.0%)
 ⑤芝短距離(1600m以下)
   607戦 71.2%(3005戦 70.3%)
 ⑥芝中距離(1700m~2200m)
   290戦 74.3%(2669戦 77.0%)
 ⑦芝長距離(2300m以上)
   73戦 50.5%(679戦 72.6%)
 ⑧芝戦全体
   670戦 70.2%(6353戦 73.3%)
 ⑨ダート短距離(1600m以下)
   115戦 121.3%(990戦 66.4%)
 ⑩ダート中長距離(1700m以上)
   123戦 53.4%(1292戦 76.1%)
 ⑪ダート戦全体
   238戦 86.8%(2282戦 71.7%)
 良かったのはダート短距離だけ。
 これも、フェブラリーSでせこく枠連取った影響が最後まで残っただけのこと。
 2歳戦は、最終週のホープフルSで一矢報いたのでこの数字。
 3歳以上戦が悪かったということは、下半期の数字が伸びてない一つの証拠。
 芝にしろ、ダートにしろ、長いところが合ってないのは、
 おそらく距離適性がつかめてない、ということだろう。

(2)条件別(カッコ内は通算の数字)
 ①500万下
   221戦 74.6%(2137戦 80.3%)
 ②1000万下
   284戦 67.2%(2941戦 75.4%)
 ③1600万下
   172戦 68.9%(1371戦 69.0%)
 ④オープン戦
 
 
   115戦 72.2%(1072戦 67.3%)
 ⑤GⅢ
   71戦 95.3%(661戦 63.4%)
 ⑥GⅡ
   37戦 41.6%(345戦 80.2%)
 ⑦GⅠ
   24戦 84.7%(227戦 78.5%)
 ⑧重賞全体
   132戦 77.6%(1233戦 73.3%)
 いつもは良いはずのGⅡが悪くて、いつもはあまり良くないGⅢが健闘。
 おかげで、全体としては平年通りの重賞戦線。
 占い企画を真面目に運用してれば、
 もしかしたらもっと上積みできたかも知れないんですが…。
 年末年始は、わりと時間が取れそうなので、真面目にUPしたいんですが、
 だいたい怠けてしまうのがワシなわけで…。

(3)馬場別(通算のみ、カッコ内は去年までの数字とそれとの比較)
 ①中山競馬場
  914戦 72.6%((→)72.7%)
 ②東京競馬場
  833戦 72.5%(()69.5%)
 ③阪神競馬場
  921戦 71.8%(()75.8%)
 ④京都競馬場
  997戦 71.3%((→)70.7%)
 ⑤福島競馬場
  432戦 66.2%(()68.1%)
 ⑥新潟競馬場
  613戦 64.8%(()61.7%)
 ⑦中京競馬場
  573戦 64.0%(()60.3%)
 ⑧小倉競馬場
  566戦 70.8%((→)71.2%)
 ⑨函館競馬場
  317戦 81.8%(()87.0%)
 毎年好成績の札幌競馬場が無いだけで、
 これだけ華が無くなるのかっていうぐらいの、ビミョーな数字の連続。
 中央4場は、なんか平準化しちゃったなぁ。
 こうなると、来年の札幌開催が本当に楽しみなわけであるが、
 6週12日開催に減ったのがどうにもなぁ…。
 全体的なボトムアップが急務である。

映画 『武器人間』(☆☆)

低予算映画にありがちの、
ブレブレのハンディカメラで撮って出しだが、
最近はハンディカメラを
持ち込んでる理由も要求されているようで、
その辺もリアリティを高める要因になっているようである。
しかし、結局記録を持ち出す方法のところで
ボロが出ちゃうってパターンが大半。
今作も、第二次世界大戦末期という舞台設定もあり、
8ミリカメラで撮っているという設定。
途中まではそれでもうまく繋いでいたのだが、
最後の最後にフィルムであることが仇となり、
「どう見ても全部のフィルム回収してないだろう、コレ」
って感じになってしまったのがいかにも残念。
その辺のアイデア勝負に持ち込むのが、
低予算映画の本分だと思うんだけどねぇ。

ストーリー的には、
あの「フランケンシュタイン」の生みの親である
フランケンシュタイン博士の孫と思われる、
ヴィクター・フランケンシュタイン博士が、
ナチスドイツの、
いや自分の野望の成就のため、というべきか、
ために人間と兵器を接合するという、
トンデモ科学ものではあるが、
その技術を実はソ連も狙っていて、
密命を受けた士官が博士を拉致しようとするって話。
そっち目線で言えば、
『キング・コング』や『エイリアン』のような、
凶暴なヤツを生け捕りにしようとして返り討ちに遭う、
的なニュアンスに見えなくもない。
ただ、そもそも全体的に見せ方が雑で、
それなりにリアリティのある設定も
ほとんど意味を成していないという有様。
アイデア以外に見るべきところのない、
しょーもない作品になってしまった。
これで2013年の映画を締めくくるのは心苦しいが、
まぁ致し方ないか…。

映画 『ウォーキング with ダイナソー』(☆☆)

『ゼロ・グラビティ』に続く
アトラクション枠の3D映画。
しかし、BBCの『アース』シリーズは、
カメラでの実写映像だから意味があるのであって、
やりたい放題の3D映像で『アース』的なものを作っても、
結局のところ白々しいだけ。
しかも、そこに『○イオンキング』的な
ストーリーを乗せたところで、
それこそ本家に叶うわけもないわけで…。
つまり、エンタテインメントとしての価値は、
そう大きく認められないわけである。

しかしません恐竜研究の最新成果を発表する、
という意味においては、
それなり以上に意味がある。
研究を続けるためには、
当然ながら費用を捻出しなければならないわけだが、
興行収入によりそのうちのいくらかでも
研究費用に補填できれば、
さらなる研究成果も上がってくるというものである。
支える価値が認められれば、
カネが集まってくるのは当然の理である。
こういう視座は、日本の研究者も当然持つべきであり、
また興行主もそういう門戸をもっと広く開けるべきだと思う。
『永遠の0』の中でもチラッと出てきたが、
精神力だけで飛行機が飛ぶのなら、
我々人間はとうの昔に空を飛べていたはずである。
その程度の想像力も持ち合わせていない日本人では、
世界と伍して行くなど夢のまた夢であろう。

映画 『永遠の0』(☆☆)

ワシは、いまだにもの書きになる夢を捨てられない、
あわれな「大きな子ども」です。
だから、300万部も売れた原作から、
何か一つでも盗めるものがないか、
という思いもあって今作を観ました。
確かに、あのストーリー運びはうまいと思います。
しかし、残念ながらワシには
今作に関してはどうしても真似できない部分があります。
それは、ワシは「あの戦争」を、
あれほどまでセンチメンタルには、
もうどうしても語れない、ということです。
つまり、ワシの心根は冷淡な歴史家のそれに近い、ということです。

この前も『NHKスペシャル』で、
あの戦争の情報戦に関することをやっていました。
ワシは、そのテの番組はそこそこ観てる方だと思うので、
正直今作の内容に関してそれほど驚く点はありませんでした。
むしろ、既存の特攻モノで語り尽くされた感のある、
非常にセンチメンタルで、美しすぎるほどに美化された作品であります。
であるからこそ、あえて言いたいことがあるわけです。
まず、いつまで「あの戦争」を、こんなにセンチメンタルに見ているのか。
この国は、いつまで「戦後」の感傷に浸り続ければ気が済むのか。
もっと言えば、いつまで「戦後」の気分でやっているのか。
「あの地震」に関しても、この国の人間は
相変わらずセンチメンタルなばかりで、
いっこうに進歩していないように思われる。
くだんの『NHKスペシャル』のように、
我々はもっと客観的に「あの戦争」と向き合うべきだと、
ワシは思ってしまうのである。
そうできない原因を作ってきたのは、
あの時代の記憶を心の中に押し留めて死んでいった、
老人たちに責任があると、ワシは思っている。

今年、ようやく靖国神社と遊就館に行くことができました
(安倍晋三が参拝に行ったらしいね)。
神社は神社として措くとして、
ワシは遊就館の展示にやはり今作と同じ
センチメンタリズムを感じずにはいられなかった。
靖国神社の添え物であるから、
コンセプトとしては仕方ないのだろうが、
特定アジアの国々から槍玉に上げられても仕方ないと思うし、
アレを容認しているからこそ、
あの世界観からいつまで経ってもこの国は
抜け出せないのではないかとさえ思われた。

作中「特攻も自爆テロも同じ」か否かの話になる場面がある。
ワシは、やはり同じだと思う。
むしろ、何が違うのか理論的に説明してもらいたい
(当然、作中の説明では全く納得できない)。
アレは、「聖戦(ジハード)」の悪しき前例と言って
差し支えないと思われる。
また、現在の北朝鮮のありようは、
日本の天皇制の真似事ではないかと、ワシは思っている。
つまり、大日本帝国の因習はいまだ世界のそこここに
息づいていると言えるのではないだろうか。

国をして「生きよ」と教える国と、
国をして「死ね」と教える国とでは、
これほどまでに大きな差が生まれるということである。
今年は「ゼロ戦」ブームらしいが、
それこそ堀越二郎が海軍からの無茶振りに応えた結果が、
あのゼロ戦なわけであるが
(『風立ちぬ』でその話に全く触れてないのは
ある意味非常に残念なわけだが…)、
これを良しとした海軍には人命に対する配慮が、
やはり欠如していたと言わざるを得ないわけである。
その上に、数々の特攻兵器である。
今作は、ひたすらに特攻を称揚しているようにしか、ワシには見えない。
特攻のむごたらしさは、回天をテーマにした
『出口のない海』の方が手厳しいし、
今年の大戦モノで言えば、実体験込みの『少年H』の方が、
実直だししたたかだと思う。

繰り返しになるが、
こういうセンチメンタルな作品が、今頃になってまだ売れるということは、
年寄りが口をつぐんできたツケであると思うし、
日本がいまだに戦後を引きずり続けていることの証拠だと思う。
我々は、この感傷から一刻も早く脱し、
あの戦争をいかに回避すべきだったか、
もっと客観的で戦略的な思考をもって向き合うべきだと、
改めて思った次第である。

映画 『サプライズ』(☆☆)

タイトルほどサプライズが無かったというか、
タイトルが『サプライズ』な時点で
地雷だって気付かないといかんよなぁ、ホントのところ…。

内容はスプラッタホラーの王道といった感じだが、
通常狩られる側のはずの家族の中に、
一人だけサバイバルキャンプ育ちのつわもの
(エリン:シャーニ・ヴィンソン)がいたことで
(しかも、この人の殺し方の方がよっぽどスプラッタだっていうね…)、
狩る側が結局全滅という、
B級アクション的な終わり方を見せている。
仮面をかぶった悪漢たちは、
家族たちが仮面家族だったということの
一つの象徴だったのかもしれないが、
目的が目的だったので国産2時間サスペンスによくある
「保険金殺人」とか「交換殺人」的な要素が強い。
冒頭に書いたように、タイトルほどサプライズはなく、
ラストもなんとなく読めてしまうもの。

エリンの大活躍に免じて☆2つってことにしておいてあげるよ。

映画 『ハンナ・アーレント』(☆☆☆☆)

小難しいが、
人間とは何であるか、
あるいは善悪とは何であるか、
ということを考えさせる、
あるいは考えざるを得ない作品。
そして、世知辛い現代社会において、
もしかすると陥っているかも知れない、
思考停止とそれによる悪への入口
(ハンナ・アーレント(以下「ハンナ」、バルバラ・スコヴァ)は
「悪の凡庸さ」と表現している)
というものを考えさせる、
とにかくいろいろ考えさせる作品。

アイヒマン裁判とその傍聴記により引き起こされた
ハンナに対する批判と、
ハンナ本人によるその反論
(反論部分がクライマックスである)が主体。
批判者のレベルの低さには閉口するが、
それもまた作品の重要なエッセンスではある。
彼らは、彼女に対する有効な対論を持ち得ていない。
なぜなら、彼らはアイヒマン裁判を傍聴していない。
また、やはりナチスに対する裁判は、
懲罰というか復讐的意味合いが強く
(アイヒマンの場合、イスラエルで裁判を受けたなど、
その経緯からして懲罰的と言えるかもしれない)、
彼を擁護(ハンナ自身には全くそのつもりがなかったのだが)
するような言論を許さない雰囲気があったからである。
つまり、彼ら批判者もまた一種の思考停止、
極端に言えばアイヒマンと同じ状態に陥っていたと
考えることができる
(日本的に言えば「空気読め」的状況)。
この矛盾に、批判者自体気づいていないという、
ある種滑稽な状況を生み出すことが、
今作の一つの狙いだと言えるだろう。

一方で、ハンナ・アーレントに全く非が無い、とも言えない。
あまりにも露骨な「わからせる」的態度は、
ハンナとそれ以外の間に決定的な壁を生んでしまったことであろう。
そういう超然とした態度は、
一面としては学者的ではあるが、
東洋で言えば孔子のような、
どうにも扱いにくい存在であるとも言えるだろう。
しかし、ハンナは強い信念を持ち、
孤独と充分対峙できる強い精神力を持っていた。
だからこそ、クライマックスの堂々たる反論を
導き出すことができたのだろう。

『コンプライアインス』のところで、
現代にも「悪の凡庸さ」は充分潜んでいるとワシは書いた。
「人間は考える葦である」(パスカル)とするならば、
思考停止に陥った時点でただの葦、ということになってしまう。
しかし、困ったことにアイヒマンは葦ではなく、マシーンだろう。
社会の歯車であることをある意味強制してしまうところのある
現代社会においては、
やはりアイヒマンのようにマシーン化してしまう素地が
充分にあるということだろう。
特に、「空気読め」的な同調圧力の強い日本においては、
小アイヒマンがいたるところに潜んでいると言えなくもないわけで、
ハンナの投げかけた問題提起は、
現代社会(特に日本の)において多いなる普遍性を持っていると、
ワシは感じたわけである。

「新・中央競馬予想戦記」 2013-12-23

中山09R 冬桜賞(2歳500万下 D短 1点)
  ◎ ⑧ファイトユアソング
  ○ ⑦ナンチンノン
  ▲ ②プリサイスエース

中山10R クリスマスC(3上1600万下 芝中 1点)
  ◎ ⑰クイーンオリーブ
  ○ ①ソルレヴァンテ
  ▲ ⑥マイネオーチャード

中山11R フェアウェルS(3上OP D中)
  ◎ ⑥コパノリッキー  1つ叩いて
  ○ ⑫ダブルスター   中山実績買って
  ▲ ⑤ジェベルムーサ 力勝負なら

中山12R ハッポーエンドC(3上1000万下 芝短 ①点)
  ◎ ⑦スマートオリオン
  ○ ⑧ルナフォンターナ
  ▲ ⑬グレカーレ

阪神09R 万両賞(2歳500万下 芝短 2点)
  ◎ ⑨ポワレット
  ○ ④カレングランブルー
  ▲ ⑩フェルメッツァ

阪神10R リボン賞(3上1000万下 芝中 1点)
  ◎ ⑬カレンケカリーナ
  ○ ⑧リメインサイレント
  ▲ ⑤コスモバルバラ

阪神11R 阪神C(3上GⅡ 芝短)
  ◎ ③ダイワマッジョーレ
  ○ ⑱マジンプロスパー
  ▲ ⑦クラレント
  △ ②ニンジャ
 重賞勝ち以上の馬が連対の大半を占める(2006年以降)このレース。
 中でもマイルチャンピオンシップで惜しい内容だった③は、
 調子も良さそうでかつ実績も高いので、当然の本命視。
 対抗は、競走間隔と大外枠が不安ではあるが、距離実績は高い⑱。
 持ち時計も優秀なので、時計勝負に持ち込めば逆転も充分か。
 3番手には、鞍上との相性がやや不安ではあるが、
 相手なりには走れそうな⑦。右回りも問題ないはずなんだけどなぁ…。
 対抗、3番手に不安要素が多いので、①、②、⑭の4番手勢から、
 鞍上の一発に期待の②を追加。
 左回りに良績がないので、前走は度外視でもいいかもしれない。

阪神12R ファイナルS(3上1600万下 D短 1点)
  ◎ ⑮レギス
  ○ ⑫ネオザウイナー
  ▲ ⑭デルマヌラリヒョン

「新・中央競馬予想戦記」 2013-12-22

中山07R ホープフルS(2歳OP 芝中)
  ◎ ⑰クラリティシチー
  ○ ⑦ベルキャニオン
  ▲ ②エアアンセム

中山08R グッドラックハンデキャップ(3上1000万下 芝長 1点)
  ◎ ⑯ランフォージン
  ○ ⑨タガノレイヨネ
  ▲ ⑫マイネルリヒト

中山09R 師走S(3上1600万下 D中 1点)
  ◎ ⑫クラブトゥギャザー
  ○ ⑮ドラゴンフォルテ
  ▲ ⑥ハコダテナイト
  △ ⑧トミケンアルドール

中山10R 有馬記念(3上GⅠ 芝長)
  ◎ ⑥オルフェーヴル
  ○ ⑭ゴールドシップ
  ▲ ⑩アドマイヤラクティ
 1986年以降の勝馬のうち、実に22頭がGⅠ馬なのだが、
 今回は出走馬中GⅠ馬が3頭しかいない、少々さみしい陣容に。
 こうなると、⑥と⑭の一騎打ちか、
 思いもよらぬ重賞勝馬からGⅠ初勝利
 (コレも2例しかないんだけどねぇ)馬が誕生するかのいずれかだが、
 素直に前者を採ることとする。
 年齢的には、⑭の方に利があるのだが(実は勝馬は3歳馬が一番多いのだが)、
 ⑭は近走の内容から対抗止まりとし、
 なんやかんやいっても近5走連を外していない⑥を本命視。
 で、3番手に秋シーズン好調っぽい⑩を押し、この3頭で勝負!

中山11R ノエル賞(3上1000万下 芝短 1点)
  ◎ ⑬ヒュウマ
  ○ ④フジマサエンペラー
  ▲ ①アールデュラン

阪神09R 樅の木賞(2歳500万下 D中 1点)
  ◎ ⑤ワールドダンス
  ○ ①サンライズブルー
  ▲ ⑩ハギノセゾン
  △ ⑥ダイリュウキセキ

阪神10R 江坂特別(3上1000万下 芝長 1点)
  ◎ ⑨タイキプレミアム
  ○ ⑪プランスペスカ
  ▲ ⑮ロッカデバルディ

阪神11R サンタクロースハンデキャップ(3上1600万下 芝中 1点)
  ◎ ⑨スマートリバティー
  ○ ④カネトシマーシャル
  ▲ ①ロードエアフォース
  △ ⑩タガノイノセンス

阪神12R ギャラクシーS(3上OP D短)
  ◎ ⑮オールドパサデナ 距離相性絶好
  ○ ⑯マルカフリート    持ち時計優秀
  ▲ ④フリートストリート  実績上位

「新・中央競馬予想戦記」 2013-12-21

12/14の結果
 1勝(中京日経賞) 2分(ひいらぎ賞、つわぶき賞) 6敗
  回収率 23.3%

12/15の結果
 5勝(チバテレ杯、ベテルギウスS、栄特別、名古屋日刊スポーツ杯、大須特別) 5敗
  回収率 95.3%
  年間回収率 74.8%
  通算回収率 74.7%

ベテルギウスSで一矢報いたものの、土曜日の成績が致命的に悪く、
年間回収率は先週に比べて微減。
かなり厳しい状況に追い込まれたが、
「終わり良ければ何とやら」の精神で追い込んで行きたい。
12/21、12/22、12/23の買い方は以下の通り。
 中山:条件戦=複勝 OP以上=馬連
 阪神:条件戦=複勝 OP以上=ワイド

中山09R クリスマスローズS(2歳OP 芝短)
  ◎ ⑦アルマエルナト
  ○ ③アローズグリーム
  ▲ ⑧クラウンルシフェル

中山10R 中山大障害(3上JGⅠ 障害)
  ◎ ⑤メイショウブシドウ
  ○ ⑨エアペイシェンス
  ▲ ②アポロマーベリック
  △ ③バアゼルリバー
 本命は、前哨戦を勝った⑤から。
 まだ若い馬で勢いもあるので連勝機と見るが、
 鞍上がテン乗りなのが気になるところではある。
 対抗には、地脚の高い⑨。
 中山コースとの相性は悪くなさそうだが、
 初めての4100mという距離がどう出るかが気になるところではある。
 3番手、4番手には、障害重賞勝ち馬から。
 休み明け3走目となり走り頃の②を3番手に、
 去年このレースで2着だった③を4番手とするが、
 一長一短あり難しいメンバー構成ではある。

中山11R ラピスラズリS(3上OP 芝短)
  ◎ ⑫プレイズエターナル 安定感買って
  ○ ②ツインクルスター   中山実績重視
  ▲ ①アースソニック    連勝の勢いで

中山12R 冬至特別(3上1000万下 芝中 ①点)
  ◎ ⑨ラスヴェンチュラス
  ○ ⑬ウイングドウィール
  ▲ ⑧アンレール

阪神09R 赤穂特別(3上1000万下 D中 ①点)
  ◎ ⑪トウショウヘイロー
  ○ ③ラローザブル
  ▲ ⑦センキ

阪神10R 六甲アイランドS(3上1600万下 芝短 1点)
  ◎ ⑪マイネボヌール
  ○ ②アグネスウィッシュ
  ▲ ⑬マコトナワラタナ
  △ ⑭マッキーコバルト

阪神11R ラジオNIKKEI杯2歳S(2歳GⅢ 芝中)
  ◎ ⑩デリッツァリモーネ
  ○ ⑪モンドシャルナ
  ▲ ⑬セセリ
 データ的には散らばりが大きいが、未勝利勝ちからはあまり良績がないので、
 その辺りはひとまずカット。
 本命は、OP戦を勝ち上がってこの戦いに挑む⑩。
 萩S勝ち、というところが引っ掛からなくもないが、
 鞍上には期待できそうなので今回は推して行きたい。
 対抗、3番手には、芝2000mの新馬戦を勝ち上がった両頭をチョイス。
 距離適性に関しては実証済みではあるが、
 阪神競馬場に対応できるかどうかがカギになってくるだろう。

映画 『ブリングリング』(☆☆☆)

アメリカって国は、よぉわからんね。
確かに、盗むのは悪いことだけど、
今作に見られるようなセレブの無防備ぶりは正直どうかと思うし
(だから、たいした刑罰じゃないのかもしれないが…)、
取り調べの刑事が、
「だからって盗みに入ったの?」
みたいな日本の刑事と同じような善意に基づく質問をするとかねぇ
(まぁ、同情してます的な雰囲気は出せないんだろうが…)。
まぁ、セレブでもマンション住まいの日本じゃあ、
なかなか起こらない事件かもしれないが
(日本人は、そういう意味じゃあ結構調教されてるからねぇ)、
やはり最近はシロートの方が怖いということ。
隠然たる抑止力(近所の目とか暴力団的なものとか)が、
どんどん力を失ってるということだろう。
かと言って、警察も官僚的組織だし、
何より個々は弱い人間なんだしねぇ…。

何よりビックリなのは、
被害者のはずのパリス・ヒルトンが
(恐らく)いけしゃあしゃあと今作に出演してること。
8回不法侵入された上に、
相当額盗まれてるはずなのにねぇ…。
大物なのか、オツムが緩いのか…。

とにかく、
わしみたいな小市民には理解し難い世界ではあるが、
近所にビバリーヒルズみたいな場所があると
(観光名所でもあるみたいだしねぇ)、
こういうコト考えるヤカラもいるということ。
こういう発想力だけは、
見習ってもいいんじゃないのかな、とは思うわけだが…
(もちろん、悪用は勧めないが…)。

映画 『メキシカン・スーツケース 〈ロバート・キャパ〉とスペイン内戦の真実』(☆☆☆)

70年ぶりに発見された、
ロバート・キャパら戦場カメラマンが、
スペイン内戦の時に撮り溜めたネガフィルムの
中身よりも、
そこに写っているスペイン内戦が、
現代のスペイン人やメキシコに亡命した
スペイン人にとってどういうものであるかを
再検証することに主眼が置かれたドキュメンタリー。
しかし冒頭の
「過去を隠蔽しようとすることは恥ずかしいこと」や
「若者たちは教科書に書いていない歴史を学ぼうとしている」
(相変わらずこういうセリフはうろ覚えなのだが)
といった感じのセリフには、
我々日本人にとっても
身につまされるものがあるのではないだろうか。

「メキシカン・スーツケース」の流転の歴史とか、
写真の精査とか、
そういうものを想定していたワシにとっては、
やや的外れな内容であったことは確かだが、
戦争というものに対しては、
みなさんどうにもセンチメンタルな人々というか、
隠蔽体質というか、エゴが強いというか…。

映画 『鑑定士と顔のない依頼人』(☆☆☆☆)

早い時点で「なんかおかしい」と思ったし、
あれほどの金持ちがそれ以上のハッピーを
手に入れる話なんて正直面白くもなんともないので、
「絶対何かある」と思っていたんだが、
まさかアイツまでグルだったとはねぇ…。
ワシもまだまだ人を疑う眼が足らないね。
そう思って再度観に行くと、
多分ヴァージル(ジェフリー・ラッシュ)以外の全員が
怪しく見えてくるんだろうけどねぇ…。

しかし、やはりいい作品というのは、
情報の出し方がうまいね。
どっかの『ハン○ー・ゲー○』とはわけが違う。
機械人形(オートマタ)の部品が次々と出て来た時は、
クレア(シルヴィア・ホークス)は
相当ヴァージルのことを調べ上げてるな、と思ったんだが、
アイツがグルとなればその辺りの説明は充分につく。
そして、クレアの元カレも、
電話の相手もおそらく全部アイツに違いないのだろう。

ただ、結局クレアたちの目的が何なのか、
イマイチ判然としないまま物語が終わってしまうのが、
心残りな点。
単にヴァージルを陥れたかっただけなのか。
それとも、彼の女性画コレクションが目当てだったのか。
それとも、もっと個人的な何かなのか…。
それらの説明がないので、
ラストはただただ抜け殻のようになってしまった
ヴァージルが我々観客に投げ出されるだけ。
まぁ、その辺りも評価を分けるポイントではあるのだが…。
気持ちよくダマされた、と言えるクラスの佳作。

映画 『ゼロ・グラビティ』(☆☆☆☆)

ワシの中では、3D映画は今やアトラクションの一種。
だから、今作のような疑似体験的な作品は、
3D鑑賞ってことになるわけだが…。
宇宙体験、しかも船外活動ってなると、
かなり選ばれた人じゃないとできないから、
それだけでもアリっちゃあアリな上に、
ちゃんとエンタメしてるのがいい。
ライアン博士(サンドラ・ブロック)の
心情の変化もうまく表現されてるし、
クライマックスは観てるワシも力が入ったもの。

実際、軌道上にはあのテのデブリが
無数に飛んでると言われてるし、
重力以外にもいろんな力が働いてる(太陽風とか)。
だから、コワルスキー(ジョージ・クルーニー)
みたいに「流される」こともあるわけで、
国産アニメで描かれてるような、
単純な世界ではないんだよね、実際。
そういうところも、さすがアメリカさんは、
研究データを積み重ねた上で作ってるわけだから、
多分高水準のリアリティだと思うんだよね。

あと、狭小空間が3Dと意外と相性がいい気がする。
たぶん、奥行とかも出しやすいからだと思うね。
宇宙船以外だと、旧型の潜水艦モノなんて、もしかしたら3D向きかも
(既存作なら『Uボート』とか、邦画なら『ローレライ』とか)。
そういう新発見もあった、
アトラクションとしては完成度の高い作品。

映画 『武士の献立』(☆☆☆)

舟木伝内(西田敏行)は作中で
「包丁侍ならば、その技をもって、
この藩がかつて持っていた晴朗なる気風を
取り戻してこそ、藩のため」
みたいなことを言っていた。
しかし、結果的にそううまくいかなかったからこそ、
『武士の家計簿』の出番となるわけだが…。
まぁ、折に触れてあのような豪奢な饗応していては、
藩財政が傾くのも当然なわけで…。

まぁ、このタイトルにしては、
話の本質がそこにはあんまりなくて、
出来の悪い次男坊(高良健吾)と、
町人出の出戻り姉さん女房(上戸彩)の
夫婦生活がメイン。
ただ、『武士の家計簿』と決定的に違うのは、
ちゃんと物語にヤマ場が設けてあること。
まぁ、その分観やすい作りにはなっているが、
そのことでベタな話に収まってしまったのも事実。
その辺のさじ加減が難しいわけではあるが…。

あと、正直あまり評価したくないのが、西田敏行の存在。
震災絡みもあってちょいちょい映画やドラマに顔を出すが、
いい加減食傷気味で飽きが来ている。
てゆーか、他に俳優がおらんのかい。
むしろ、鹿賀丈史がらしさを見せて
(もっと『料理の鉄人』バリのらしさを見せて欲しかったかも…)、
小憎らしい役回りを演じていたのが印象的。

アンケートには「上戸彩目当て」とか
「西田敏行目当て」的な選択肢もあったが、
上戸彩はともかく、西田敏行が出てるから観たくない、
的な心情にワシとしてはなってるわけで、
日本の俳優陣の層の薄さを改めて露呈した作りになっている。

「新・中央競馬予想戦記」 2013-12-15

中山09R チバテレ杯(3上1000万下 芝中 1点)
  ◎ ②シャドウパーティー
  ○ ⑨アロヒラニ
  ▲ ⑦カムフィー

中山10R 仲冬S(3上1600万下 D短 1点)
  ◎ ⑧ワールドエンド
  ○ ⑮カフェシュプリーム
  ▲ ④ローブドヴルール

中山11R 朝日杯フューチュリティS(2歳GⅠ 芝短)
  ◎ ①ベルカント
  ○ ⑬[地]プレイアンドリアル
  ▲ ⑭ウインフルブルーム
 本命と対抗には、あえて枠にはまらないメンバーをチョイス。
 本命は牝馬の①。
 小倉2歳Sでホウライアキコの2着だったり、
 重賞勝ちも牝馬限定戦だったり、1600m未経験だったりと、
 不安な点を挙げればきりが無いが、
 調子の良さそうな鞍上と逃げ馬にとっての好枠を引いたので逃げ切りに期待。
 対抗には、カク地の⑬。
 カク地とはいっても、馬主はコスモバルクでも実績のある岡田繁幸だし、
 前走の内容が良いので逆転も充分。
 3番手には、野路菊賞2着の実績がある⑭。
 数値的には⑬よりも良いのだが、OP連対馬は2着までのデータしかないので、
 3番手に評価落ち。
 あまり手を広げてもキリがないので、馬券的にはココまで。
 気になるのは、③、⑯、⑨辺りだが…。

中山12R 南総S(3上1600万下 芝短 1点)
  ◎ ④シェルビー
  ○ ⑤フルアクセル
  ▲ ②フラアンジェリコ
  △ ⑨プランスデトワール

阪神09R 高砂特別(3上1000万下 芝短 1点)
  ◎ ①シンジュボシ
  ○ ⑬ワキノブレイブ
  ▲ ⑨メイショウヒデタダ

阪神10R 元町S(3上1600万下 芝中 2点)
  ◎ ⑫バッドボーイ
  ○ ②リヤンドファミユ
  ▲ ⑦エスカナール
  △ ⑤ヘミングウェイ

阪神11R ベテルギウスS(3上OP D中)
  ◎ ⑨ハートビートソング 距離実績買って
  ○ ⑩タイムズアロー   阪神実績高い
  ▲ ②ソロル         時計勝負なら
  △ ⑤ヴァンヌーヴォー  持ち時計は優秀

中京10R 栄特別(3上500万下 芝中 2点)
  ◎ ⑭ダイシンハンター
  ○ ⑦ベルニーニ
  ▲ ⑱ヤマニンプードレ

中京11R 名古屋日刊スポーツ杯(3上1000万下 芝中 2点)
  ◎ ④ゴールドブライアン
  ○ ①マイネルストラーノ
  ▲ ⑥ビームライフル

中京12R 大須特別(3上500万下 D短 ①点)
  ◎ ⑮エーシンブランコス
  ○ ⑭トミケンプレミオ
  ▲ ①シゲルポンカン

「新・中央競馬予想戦記」 2013-12-14

12/7の結果
 5勝(幕張特別、北総S、境港特別、浜名湖特別、三方ヶ原特別) 4敗
  回収率 63.6%

12/8の結果
 6勝(舞浜特別、美浦S、カペラS、摂津特別、尾張S、遠州灘特別)
 1分(こうやまき賞) 3敗
  回収率 165.2%
  年間回収率 75.1%
  通算回収率 74.7%

カペラSでの枠連1920円ゲット(馬連なら4000円以上だったわけだが…)で、
年間80%になんとか望みをつないだ形にはなったものの、
結局のところOP以上で大きい配当を取らないことには
回収率の上積みができない状況に変わりはないわけで、
そういう意味では特段状況が楽になってないわけで…。
大きく狙うほどリスクも背負えないチキンには、この辺りがやはり限界かねぇ…。
12/14、12/15の買い方は以下の通り。相変わらずのチキンぶりですな…。
 中山:条件戦=複勝 OP以上=枠連
 阪神:条件戦=複勝 OP以上=ワイド
 中京:条件戦=複勝 OP以上=枠連

中山09R ひいらぎ賞(2歳500万下 芝短 2点)
  ◎ ⑫イオラニ
  ○ ②ミッキーアイル
  ▲ ⑦コスモイノセント

中山10R 香取特別(3上1000万下 D中 1点)
  ◎ ⑩ダンディーレイ
  ○ ③コスモメルハバ
  ▲ ⑪イッツガナハプン
  △ ⑭スターノエル

中山11R ディセンバーS(3上OP 芝中)
  ◎ ⑩ダービーフィズ    この距離なら
  ○ ⑮セイウンジャガーズ 相手なりに走る
  ▲ ⑥モンテエン       中山実績買って

阪神09R 猪名川特別(3上1000万下 芝中 1点)
  ◎ ⑧タイセイドリーム
  ○ ⑤セトノフラッパー
  ▲ ⑨ヒロノプリンス
  △ ⑥アドマイヤディープ

阪神10R 摩耶S(3上1600万下 D中 1点)
  ◎ ②コルージャ
  ○ ④ヒルノマドリード
  ▲ ③マイネルクロップ

阪神11R リゲルS(3上OP 芝短)
  ◎ ①ブレイズアトレイル 近走内容充実
  ○ ③エーシンミズーリ  阪神相性絶好
  ▲ ⑫サンレイレーザー  距離実績高い

中京10R つわぶき賞(2歳500万下 芝短 2点)
  ◎ ⑤イマスグキスミー
  ○ ⑥シャイニーガール
  ▲ ⑪リアルヴィーナス

中京11R 愛知杯(3上GⅢ 芝中)
  ◎ ⑬スマートレイアー
  ○ ⑩ゴールデンナンバー
  ▲ ⑮セキショウ
  △ ③リラコサージュ
 条件級でも勝利実績はあるが、意外と重賞勝ち以上の実績が必要だったりする
 (7年分のデータしかないわけだが…)。
 数値上の本命は⑭なのだが、
 ハンデキャッパーにはやや実力不足と見られてるっぽいし、
 そもそも鞍上が減量騎手なのがねぇ…。というわけで無印。
 数値上2位の⑩は対抗扱いにつき後述。
 本命は、秋華賞2着の実績を持つ⑬。
 やや間隔は空いてるが、これからの成長力にも期待できそうだし、
 鞍上も頼りになりそうである。
 対抗の⑩は、実績はやや不足しているものの斤量的にはそこそこ見込まれてるし、
 データ的には2着まではあるので、本命視はできないもののそれなりに重視。
 3番手の⑮は、夏から使われ続けているのがやや気にはなるが、
 距離実績は高いのでココでも期待してみたい。
 4番手は、秋華賞3着馬の③。
 力勝負向けっぽいし、実績面では侮れないものがあると見る。

中京12R 中京日経賞(3上1000万下 芝短 1点)
  ◎ ⑩ウィザーズポケット
  ○ ⑥ラインアンジュ
  ▲ ⑦ポップジェムズ
  △ ⑫フィエロ
 
 

映画 『利休にたずねよ』(☆☆☆☆)

『47RONIN』同様、切腹がクライマックスの映画。
過去にも千利休は映画化されているが、
過去作に関してはワシはよく知らないので、
ここで特には触れない。
利休の茶の原点を、おそらく帰納的に推論した作品
(原作未読なので、映画だけ観て推測してます)。

作中でも触れているように、
茶道と朝鮮半島は不可分の関係にある
(その辺りは『へうげもの』でも触れているが)。
しかるに、利休最初の茶がああいう形で点てられた、
というのはいかにも文学的というか、
まぁ「おもてなし」の原点としては、
ある意味ふさわしいエピソードではあるのだが…。
そこから利休(まだ宗易なのだが)は
美の探求者として精進して行くのだが、
それがいつの間にか美そのものの創造者、
というか美の権威そのものにってしまった。
それが、今作における利休の不幸の始まりのようではあるのだが…。
ただ、冒頭の利休の立ち居振る舞いは、
今風に言えばさりげなくサプライズを演出する、
おもてなしのスペシャリストというよりは、
エンターテナーに近い雰囲気である。
しかも、かなり鼻持ちならない感じの悪いヤツである。
そんな風であるからこそ、
大徳寺の住職に「利を休めよ」なんて
たしなめられてしまうんだろうけど…。
しかし、利休は単純に言えば流行を発信したに過ぎない。
利休に力を与えたのは、信長であり、
他ならぬ秀吉なのである。
特に、社会の最底辺出身である秀吉は、
権威を巧みに利用しなければ、
権力の中枢に食い込めなかったであろう男。
利休自身「茶器などただの土くれ」(もちろん作中でのセリフ)と
うそぶくように、
利休が値付けしなければそれこそただの茶碗なり茶入なんだけどね…。

史実における謎は、もちろん謎のまま
(木像事件とか、そもそもなぜ木像を作ったのかとか…)。
作者なりの解釈があっても良さそうなものではあるが
(特に木像を作った理由なんかは)、
まぁおそらくは無しの本筋と直接関係が無いから、
(少なくとも)映画ではカットなんだろうね。
ただ、三成との確執はそれなりに描かれている
(実際にあったかどうかはともかくとして)。
アレが事実なら、関ヶ原で西軍が勝ったとしても、
日本はやはりつまらん国になっていただろうなと思うが
(江戸幕府ほどつまらん(ほとんどが民製文化だからなぁ)時代も
無いと思うんだが)、
この国は「やせた土地」なので、
文化などにうつつを抜かしてる場合ではないという考え方は、
当時のお偉いさんの中には少なからずあったのかもしれないね。

映画としては☆3つの上ぐらいかな、とも思うが、
この映画なんとも日本人向けの良い仕上がり。
静かに鑑賞してると、衣擦れやら雨音、茶を点てる、いった微妙な音が、
実に心地いいのである。
もうBGMがいらないんじゃないかってぐらい心地いい。
侘びの境地(≒老子の言う「無為自然」)を、
ある意味体現してしまっている作品と言えるかも…。

映画 『マッキー』(☆☆☆☆)

『47RONIN』に続いて、こちらも復讐劇。
発想の自由さもアッチに劣らないが、そこはインド映画。
痛快にしてハチャメチャな娯楽作品に仕上がっていて、
アッチに比べると気持ちよく振り切れている。
作者は、ハエのウザさから発想したとしか思えない、
悪役からすればウザさ全開、
観客からすれば痛快なシーンの連続。
ダンスや歌、主演女優のエロさなど、
インド映画らしさも随所に発揮
(まぁ、ダンスシーンは相当カットされてるんだろうけど)。
何も考えずに観るんなら、
むしろこのぐらいぶっ飛んでる方が気持ちいいとさえ思える。
ホントは、フルサイズで観たいんだけど、
札幌のスクリーン事情を考えれば、
さすがに難しいだろうけどね…。

映画 『47RONIN』(☆☆☆)

世界観が完全に斜め上行ってることは、
予告編の時点である程度わかってはいたけど、
まさかあそこまでぶっ飛んでいたとはねぇ。
『忠臣蔵』なんかエッセンスしか残ってないし
(浅野が吉良を斬りつけたとか、
だんだら模様がちょっとだけ出てくるとか)、
仏教の扱いもかなりアレ
(宗教に関していいかげんな日本人が言うことでもないが)。
まぁ、史実ありきの日本人にはできない発想だという、
評価の仕方はできるだろうが…。

もっとも、キリスト教徒に『忠臣蔵』の精神性を
理解してもらおうっていうのは、
ちょっと難しいだろうけどね。
何せ、キリスト教徒にとって自殺は罪。
それゆえに、ことさら復讐劇の部分を
フレームアップしているわけだが、
おかげで本家『忠臣蔵』以上に
吉良家が割を食っている。
しかも、バケモノ(菊地凛子)まであてがわれて…。

ただ、『ザ・ウォーター・ウォー』のセリフにあるように、
英語映画だからこそ世界に発信できるだけの
予算を獲得できた映画になったということである。
これを機会に、欧米の方々にも
本家『忠臣蔵』に興味を持ってもらえれば、
それは重畳であると言えるだろう
(これが『忠臣蔵』の顛末そのものだと勘違いされる懸念も
なくはないが…)。

「新・中央競馬予想戦記」 2013-12-08

中山09R 舞浜特別(3上1000万下 D短 ①点)
  ◎ ⑩マックスガイ
  ○ ⑯ホワイトポピー
  ▲ ⑪エムエムアリオーン

中山10R 美浦S(3上1600万下 芝中 ①点)
  ◎ ⑥フェスティヴタロー
  ○ ⑩レッドレイヴン
  ▲ ①サクラボールド

中山11R カペラS(3上GⅢ D短)
  ◎ ②スリーボストン
  ○ ⑤マルカバッケン
  ▲ ①ノーザンリバー
  △ ⑦スリードラゴン
 5年分のデータしかないので参考程度だが、
 中央でOP勝ちしてる馬が頻度が高いので、印もその辺りから。
 本命は、前走は順位的には案外な内容だった②。
 とはいえ、⑤、⑯と並んでD1200mで7勝を挙げているスペシャリスト。
 しかも、連対率も高いし、前走も着差自体は惜しい内容なので改めて期待したい。
 対抗は、同じD1200m7勝組から⑤をピックアップ。
 休み明けな分対抗止まりではあるが、
 鞍上にダートに強い内田博幸騎手を迎え、重賞制覇へ勝負駆けと見る。
 状態万全なら逆転も充分。
 3番手には、前走②に先着して勝った①。
 重賞勝馬からも勝ち馬が出ているし(2011年勝馬 ケイアイガーベラ)、
 なんと言っても前走勝ちの勢いがある。
 勝負強さでは優るとも劣らないものがあると見る。
 あとは、中山ダートコースで4勝を挙げている⑦が、
 地の利を活かせば上位進出も充分と見るが…。

阪神09R 摂津特別(3上1000万下 芝短 1点)
  ◎ ⑤ハーキュリーズ
  ○ ②ヒュウマ
  ▲ ⑥タガノエンブレム

阪神10R オリオンS(3上1600万下 芝長 ①点)
  ◎ ⑥ピクシープリンセス
  ○ ③プロモントーリオ
  ▲ ⑧マイネルマーク
  △ ⑨トウカイオーロラ

阪神11R 阪神ジュベナイルフィリーズ(2歳GⅠ 芝短)
  ◎ ⑬マーブルカテドラル
  ○ ⑱ホウライアキコ
  ▲ ⑩ハープスター
 重賞勝ち、重賞連対、OP勝ちが拮抗しているものの、
 1着&2着だけで言えば、重賞連対が分が悪く、一方で新馬勝ちが台頭してくる。
 その辺りが、時として波乱を呼ぶ要因なのかもしれないが、
 今年は新馬勝ちが1頭もおらず、一方で重賞勝ちが5頭と比較的多い
 (牝馬限定重賞が増えているのも一因ではあるだろうが…)。
 というわけで、重賞勝ち馬から3頭をチョイス。
 本命は、新設のアルテミスSを勝った⑬。
 確かに、新潟2歳Sでは⑩に後れを取ったが、
 その後連勝しており、また順調に使われているのも今回は良い方向に働くのではと見る。
 対抗には、3戦3勝の⑱。
 距離はともかく、今回は大外枠と坂が不安要素ではあるが、
 既に重賞2勝を挙げている勝負強さは強みだと思うんだが…。
 3番手には、新潟2歳Sを勝った⑩。
 それ以来のレースという点と、実は左回りしか走ってないことが不安要素ではあるが、
 直線の切れ味は他を圧倒するものがあり、状態万全ならあっさりもあると見る。

阪神12R 御影S(3上1600万下 D短 ①点)
  ◎ ⑤ウィキマジック
  ○ ⑫ケージーハヤブサ
  ▲ ①キョウワダッフィー

中京10R こうやまき賞(2歳500万下 芝短 2点)
  ◎ ②ストロベリーキング
  ○ ⑨ゲットアテープ
  ▲ ⑦ヌーヴォレコルト

中京11R 尾張S(3上OP 芝短)
  ◎ ⑮ストレイトガール  安定感買って
  ○ ④リトルゲルダ    中京実績買って
  ▲ ⑥モグモグパクパク 相手なりに走る
  △ ②レオアクティブ   実績上位

中京12R 遠州灘特別(3上1000万下 芝中 1点)
  ◎ ⑨フロアクラフト
  ○ ⑪ビームライフル
  ▲ ④コスモグレースフル
  △ ⑤カフェアンジェロ

「新・中央競馬予想戦記」 2013-12-07

11/30の結果
 6勝(葉牡丹賞、アクアラインS、ゴールデンサドルT、ゴールデンブライドルT、
    鳴海特別、桑名特別)
 1分(千両賞) 3敗
  回収率72.4%

12/1の結果
 6勝(霞ヶ浦特別、市川S、ポインセチア賞、長良川特別、鳥羽特別、犬山特別) 4敗
  回収率 93.9%
  年間回収率 74.0%
  通算回収率 74.6%

ポインセチア賞で、複勝670円を取り、被害は最小限に抑えたものの、マイナスはマイナス。
やはり、OP以上が取れてないと、
いくら勝ちを重ねても戦況を一変させられないということ。
残り3週で、せめて年間80%までは押し上げて行きたいところではあるが…。
12/7、12/8の買い方は以下の通り。
 中山:条件戦=複勝 OP以上=枠連
 阪神:条件戦=複勝 OP以上=枠連
 中京:条件戦=複勝 OP以上=枠連

中山09R 黒松賞(2歳500万下 芝短 1点)
  ◎ ③エクスシア
  ○ ⑪アローズグリーム
  ▲ ④タガノブルグ

中山10R 幕張特別(3上1000万下 芝中 ①点)
  ◎ ⑩シベリアンスパーブ
  ○ ⑨ダイワブレイディ
  ▲ ⑥バロンドゥフォール

中山11R 北総S(3上1600万下 D中 2点)
  ◎ ①ダブルスター
  ○ ⑪タナトス
  ▲ ⑮ユーロビート

阪神09R エリカ賞(2歳500万下 芝中 3点)
  ◎ ②アルティメイタム
  ○ ④スリーカラーナンゴ
  ▲ ⑤アグネスキング

阪神10R 境港特別(3上1000万下 芝中 ①点)
  ◎ ③エーティータラント
  ○ ⑦マウイノカオイ
  ▲ ②アドマイヤスピカ
  △ ⑥サカジロオー

阪神11R 朝日チャレンジC(3上GⅢ 芝中)
  ◎ ①マイネルラクリマ
  ○ ⑤ラウンドワールド
  ▲ ⑧アルキメデス
 別定戦だったら鳴尾記念のデータが使えたんだが、
 ハンデ戦なのでとりあえずはデータを使わない方向で予想。
 本命は、七夕賞を勝った後も重賞で惜しい競馬を続ける①。
 当然斤量も見込まれているが、その斤量で戦えているので、
 むしろ問題は初めてとなる阪神コースの方だろう。まぁ、なんとかなるとは思うんだが…。
 対抗には、久しぶり、かつ初の対古馬戦を制した⑤。
 斤量差で対抗にしたものの、阪神実績もあるし、2走ボケが無ければ逆転も充分と見る。
 3番手には、3連勝でOPまで駆け上がって来た⑧。
 近5走の内容も充実しており、勢いだけなら充分上位2頭を凌駕するものはあると見る。

中京10R 浜名湖特別(3上1000万下 D中 ①点)
  ◎ ⑧メイショウコロンボ
  ○ ②プルーフポジティブ
  ▲ ⑫ミッキーオーラ

中京11R 浜松S(3上1600万下 芝短 1点)
  ◎ ③ロードガルーダ
  ○ ⑫マイネボヌール
  ▲ ④ウイングザムーン
  △ ⑥ネオザウイナー

中京12R 三方ヶ原特別(3上500万下 芝短 ①点)
  ◎ ⑮アールデュラン
  ○ ⑦アルマディヴァン
  ▲ ⑩ユッカマウンテン
  △ ④サンキストロード

映画 『汚れなき祈り』(☆☆☆)

人は、何かにすがらなければ生きていけない。
「私は何にもすがらず生きていく」
と言ってるヤツは、自分にすがってるのである。
しかし、時としてそこに矛盾が生じることがある。
そして、そこに悲劇が生まれるのである。
今作は、2005年にルーマニアで実際にあった事件を元に、
信仰と友情の矛盾が生み出した悲劇を描き出している。

同じ孤児院で暮らしたアリーナとヴォイキツァ。
アリーナはドイツで暮らしていたのだが、
無二の親友(広告にはそれ以上の表現で書かれているが)
であるヴォイキツァと本当は一緒にいたい。
一方のヴォイキツァは、
修道女として信仰の中に暮らすことに満足していた
(と言うより彼女も他に行き場がないのだが)。
アリーナは彼女と一緒にいたいがために、
修道院のルールに何とか合わせようとするが、
世俗の全てを捨てることが修道院にいるためのルールだと
神父たちに言われて、
アリーナの心が引き裂かれてしまう。
一方のヴォイキツァも、
アリーナの心情に理解は示すが、
彼女のために信仰を捨てるというところまではいかず、
そのことが結局アリーナを破滅に導いてしまう。
修道院のルールにどうしても馴染めないアリーナは、
精神を病み、自殺騒ぎや部屋に火を付けるなど、
手がつけられなくなって行く。
それでも、行き場のないアリーナを
なんとか修道院に留めたいヴォイキツァは神父に相談し、
神父はアリーナの奇行の原因を悪魔の仕業ということにしてしまう。
そして、「悪魔を追い祓うには、相応の儀式が必要」
ということで、アリーナを拘束し、
エクソシズム(悪魔祓い)の儀式を決行するのだが…。

ここまで聞くと、カルト的な話にも聞こえるのだが、
別にみんなフツーのキリスト教徒。
神父だってそれなりに人望のある人だし
(権威になびかないという意味では奇特とも言えるが)。
あえてカルト的と言えるのは、
修道院ゆえに世俗の社会と一線を引いてることぐらいかもしれない
(世俗にドップリ浸ってるワシから見れば、
やや行き過ぎな気もしないではないが…)。
しかし、そういう意味では全ての宗教がカルト化する要素を
はらんでいるとも言えるわけで、
宗教はすがるばかりでは救われないわけでもあるわけで…。
また、エクソシズムなんていう概念を持ち出すこと自体がねぇ…。
『ザ・ライト』以来、エクソシズムには興味があるんだけど、
今回のエクソシズムはかなりの無理矢理感
(とはいえ、このシーンが見たくて観に行った的なところは
あるんだけど…)。
まぁ、いちおう所定の手続きは踏んでるんだけど、
あの辺の判定の難しさがエクソシズムには
立ちはだかってるんだけどねぇ…。
そして、こういう秘術的なものがまた、
宗教をカルト的なものにしてる要因ではあるんだけど、
世俗と隔離された場所でやると、
オウム真理教の例を引くまでも無く、
カルトの危険性と世俗から言われる要因ではあるんだけどねぇ…。

ただ、映画作品として見ると、
ラストの中途半端感がハンパないんだよねぇ…。
ソレで☆1コ減したぐらいもやっとしたエンディング。
いや、そのラストシーンいる? みたいな感じ。
「晩節を汚す」とは、例えばこういう映画のことを言うんだと思うんだよね。
そういう意味では、非常に惜しい映画。

映画 『REDリターンズ』(☆☆☆)

こういうのって、シリーズ化すると、
途端に陳腐化しちゃうからイヤなんだよね。
もう、『ダイ・ハード』と何がちゃうねん、
ぐらいのフツーのB級アクション。
まぁ、嫌いじゃないんだけどさぁ…。

しかし、このテのスパイフィクションとなると、
表立ってスパイを使ってない(ということにしておこう)
日本なんかは基本蚊帳の外だからねぇ
(逆にスパイ天国だから、各国のスパイが接触する、
みたいな設定には使えるかもだけど…)。
スパイのオモテとウラっていうか、
彼らもまた人間であるということを再確認する、
という意味ではイロイロあって面白い作品ではあるんだけど、
今後あまり画替わりも期待できそうにないし、
この辺でやめておいた方がいいと思うんだけどねぇ…。

映画 『キャプテン・フィリップス』(☆☆☆☆☆)

アメリカが「世界の警察」たる所以を、
ある意味存分に見せつける作品。
悪に対して交渉には応じない。
一方で、たった一人の人質も全力で、
かついかに残虐な手段を用いても救出する。
味方としてが非常に頼もしい、
そして敵にしたくない相手である。
つまり、海賊たちにとっては相手が悪かったということ。
ギリシャや日本ならいざ知らず、
アメリカはホント交渉に応じない国である。
いかに上司の締め付けが厳しかろうと、
アメリカの船だけは襲ってはならなかったのだ。

とはいえ、人質にされたキャプテン・フィリップス
(トム・ハンクス)にとっては、
助けられたとはいえ複雑な心境だったことだろう。
アフリカの難民を救うための荷物を運ぶ途中で、
他ならぬ難民予備軍に襲われたのである。
しかも、彼らは聞く耳を持たず、
ジワジワと死に向かって突き進んでいるのである。
同情の手を差し伸べても、にべもない。
挙句、彼らは米海軍によって破局を迎えるのだが、
彼とてできれば海賊たちを救いたかったことだろう。
であるがゆえに、
ラストの惨状を見た時、
彼の心には安堵とともに海賊たちを救えなかった
無念がこみ上げたに違いないことだろう。
同じ海の男として、同じ人間として、
進むも地獄、退くも地獄の彼らの実情。
それを知っていたのに、海賊たちを救えなかったのだから…。

海賊たちはアメリカに憧れを持っていた。
良くも悪くも、
自国の情報を強く発信してるからこそだろう。
日本がいかにいい国であろうとも、
今だに「チョンマゲ」「サムライ」「ゲイシャ」
などと勘違いされてるようでは、
発信力が弱いと言わざるを得ないだろう。
「秘すれば花」「沈黙は金」などと思っているばかりでは、
いつまでも誤解は解けないのである。

☆の数はやや甘めだが、
キャプテン・フィリップスの複雑な心情を、
トム・ハンクスが演じ切っている佳作と言っていいだろう。

映画 『ファントム 開戦前夜』(☆☆☆)

引き上げられた潜水艦の謎がベースになっている今作。
基本的には憶測なので、
正直既存の潜水艦モノの域を出ていない出来ではあるが、
冷戦真っただ中の1968年に沈んだことが分かっているので、
想像の翼は当然広がるわなぁ。
ロシア側から資料が公開されない限り真相は闇の中なんだろうが、
キューバ危機があった時期などから考えると、
当たらずとも遠からず、と言った内容なのではないかと思われる。

それにしても、当時のソ連と中国の関係ってビミョーなのね。
一致団結してれば、東西冷戦の状況だって、
もう少し違ったかもしれないのにねぇ…。
ただ、この頃の中国って、大躍進政策が失敗して、
文化大革命なんて権力闘争をやってて、
外に目を向けてる場合じゃない時期だったと思うんだけどねぇ…。

先にも書いた通り、既存の潜水艦モノの域を出ない出来なので、
さほど評価できるものではないのだが、
日本人が繁栄を謳歌していた一方で、
世界は危うい均衡の中にあったという緊張感を、
多少は味わえる映画なのではないかと思うのだが…。

映画 『オーバードライヴ』(☆☆☆)

州によっては大麻を認めてるアメリカでも、
コカインなどの麻薬に関しては当然裏取引。
それだけに、麻薬取締局(DEA)と麻薬カルテルは、
壮絶なイタチごっこを繰り返している。
当然、カルテル側の手口は年々巧妙化し、
運び屋にシロートを使うことも少なくないようである。
よって、今作に描かれるような、
荷物を受け取っただけで捕まってしまうという、
一見理不尽な法の網をかけ、司法取引で芋づる式に検挙しないと、
カルテルを壊滅できないような状況なのである
(ちなみに、今作の原題「SNITCH」は、「密告する」という意味)。
懲役10年をちらつかされたら、大概のヤツは司法取引に応じるんだろうが、
この息子はちょっと違う。
自分が友達にはめられて刑務所にぶち込まれようっていう時に、
「オレはそういう卑怯なテは使いたくない」と言って、
取引に応じなかった
(友達思いというか、お人よしというか…)。
ただ、息子のその様子を見た父親(ドウェイン・ジョンソン)が、
意気に感じ、方々手を尽くして、
自分がDEAの捜査に協力する代わりに息子の減刑を申し出たのだ。

そこからは、緊張感のある展開が続く。
従業員の中から麻薬取引歴のある男を捜し出し、
その男を仲介に麻薬カルテルに近づく。
首尾よく取引を成功させ、その現場をDEAに押さえさせたが、
DEAも欲に目がくらんだのか
(検察官が選挙活動をしていたので、
おそらく点数稼ぎをしたかったのだろう)、
カルテル本体に接触するよう、父親に命じたのである。
しかし、そのカルテル本体との取引の途中、
ついに父親の正体がカルテルにばれてしまい…。

あのロック様が、フツーにいい父親役やってるというのが好印象。
ハルク・ホーガンみたいなイロモノ俳優
(あるいはプロレスラーの副業としての俳優業)ではなく、
この世界で本気で食って行こうという感じがうかがえる。
ただ、そうなるとこの役をドウェイン・ジョンソンがやる必然性が無く、
悪い言い方をすればただの低予算映画と言えなくもないわけで、
まぁその辺のバランスが難しいんだけどねぇ。

作品としてそんなに悪い作品ではない。
家族がテーマと言うだけでなく、
絆の強さと脆さを考えさせる内容でもあると思う
(その辺、もっと掘り下げても良かったっぽいけどね)。
『コンプライアンス』といい、
アメリカの実話は、ホントにえげつないと思うし、
そういうのをあざとく脚本化する輩の多いこと…。

「新・中央競馬予想戦記」 2013-12-01

本日も、iPhoneからの書き込みになります。

中山09R 霞ヶ浦特別(3上1000万下 D中 ①点)
◎ (2)ヒラボクマジック
◯ (6)センキ
▲ (15)オリオンザスター

中山10R 市川S(3上1600万下 芝短 1点)
◎ (12)ツインクルスター
◯ (1)セイコーライコウ
▲ (4)コウヨウアレス

中山11R ターコイズS(3上OP 芝短)
◎ (4)レイカーラ(中山実績買って)
◯ (12)アミカブルナンバー(安定感買って)
▲ (1)ウインプリメーラ(連勝機まで)

阪神09R ポインセチア賞(2歳500万下 D短 2点)
◎ (2)アンズチャン
◯ (15)グラナディラ
▲ (12)ラフィネシチー

阪神10R ゴールデンブーツトロフィー(3上1000万下 芝中 1点)
◎ (9)タガノレイヨネ
◯ (7)サダムロードショー
▲ (15)タイキプレミアム
△ (11)セトノフラッパー

阪神11R ジャパンカップダート(3上GⅠ D中)
◎ (6)ホッコータルマエ
◯ (14)ニホンピロアワーズ
▲ (1)ローマンレジェンド
△ (9)ナイスミーチュー
ナリティーさんに先に書き込まれてしまいましたが
(いつも書き込みありがとうございます)、
7歳以上は3着までなので、枠連で買うワシにとってはいらない子。
また、中央重賞で連対以上はないと厳しいということで
(全くダメというわけではないのだが…)、そういう馬も除外。
残った馬の中では、今年交流GⅠで3勝している(6)。
帝王賞では、(14)も破っており、順調に使われているのも好印象である。
その(14)が対抗。
数値的には互角なのだが、
帝王賞以来の競馬という部分がやはり引っかかる。
同じく休み明けだったアンタレスSでも負けており、
逆転は状態次第とはいえやや分が悪いのでこの評価。
ここから、データによる足切り。
・メーデイア(数値上3位、以下同様)
地方では牝馬限定とはいえGⅠ勝ちもあるが、
中央では1600万下も勝ててない。
・ワンダーアキュート(3位タイ)
今年も馬券を外さない活躍を見せているが、
フェブラリーSも3着だったりと、
中央GⅠではさすがに連対までは厳しそう。
・エスポワールシチー
今年のフェブラリーSでも2着に入っているが、
去年の東京大賞典では5着。距離的にギリギリか。
・クリソライト
今年のJDD勝ち馬も、前走は大差の5着。
古馬の一線級相手は、まだ荷が重そうだ。
というわけで、それ以下の集団5頭からチョイス。
その中で一番格上の(1)を3番手。
阪神実績の高い(9)を4番手とする。
(ちなみに他の3頭は、(7)、(12)、(15))

阪神12R ゴールデンホイップトロフィー(3上1600万下 芝短 ①点)
◎ (11)オースミナイン
◯ (3)ロードエアフォース
▲ (2)ロードロックスター
△ (13)ノーブルディード

中京10R 長良川特別(3上500万下 芝中 1点)
◎ (3)トーセンギャラリー
◯ (9)サンライズウェイ
▲ (15)タイセイドリーム

中京11R 鳥羽特別(3上1000万下 芝短 1点)
◎ (8)ヤマニンプチガトー
◯ (10)アブマーシュ
▲ (3)ボンジュールココロ
△ (15)バラードソング

中京12R 犬山特別(3上500万下 芝短 1点)
◎ (6)トシザグレイト
◯ (13)ジョーアカリン
▲ (1)メイショウライナー
△ (3)エーデルシュタイン

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