映画 『キャプテン・フィリップス』(☆☆☆☆☆)
アメリカが「世界の警察」たる所以を、
ある意味存分に見せつける作品。
悪に対して交渉には応じない。
一方で、たった一人の人質も全力で、
かついかに残虐な手段を用いても救出する。
味方としてが非常に頼もしい、
そして敵にしたくない相手である。
つまり、海賊たちにとっては相手が悪かったということ。
ギリシャや日本ならいざ知らず、
アメリカはホント交渉に応じない国である。
いかに上司の締め付けが厳しかろうと、
アメリカの船だけは襲ってはならなかったのだ。
とはいえ、人質にされたキャプテン・フィリップス
(トム・ハンクス)にとっては、
助けられたとはいえ複雑な心境だったことだろう。
アフリカの難民を救うための荷物を運ぶ途中で、
他ならぬ難民予備軍に襲われたのである。
しかも、彼らは聞く耳を持たず、
ジワジワと死に向かって突き進んでいるのである。
同情の手を差し伸べても、にべもない。
挙句、彼らは米海軍によって破局を迎えるのだが、
彼とてできれば海賊たちを救いたかったことだろう。
であるがゆえに、
ラストの惨状を見た時、
彼の心には安堵とともに海賊たちを救えなかった
無念がこみ上げたに違いないことだろう。
同じ海の男として、同じ人間として、
進むも地獄、退くも地獄の彼らの実情。
それを知っていたのに、海賊たちを救えなかったのだから…。
海賊たちはアメリカに憧れを持っていた。
良くも悪くも、
自国の情報を強く発信してるからこそだろう。
日本がいかにいい国であろうとも、
今だに「チョンマゲ」「サムライ」「ゲイシャ」
などと勘違いされてるようでは、
発信力が弱いと言わざるを得ないだろう。
「秘すれば花」「沈黙は金」などと思っているばかりでは、
いつまでも誤解は解けないのである。
☆の数はやや甘めだが、
キャプテン・フィリップスの複雑な心情を、
トム・ハンクスが演じ切っている佳作と言っていいだろう。
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