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映画 『キリングゲーム』(☆☆☆)

「殴った痛みは忘れても、殴られた痛みは忘れない」
と言うが、
それはおそらく命のやり取りをしてないからだろう。
PTSDの例を見てもわかるように、
殺した痛みは時として大きな心の傷となるのである。
今作ではボスニア紛争を引き合いにして、
殺した側と殺された側
(厳密に言えば殺されかけた側)の痛みを、
1対1の戦いの中で表現しているわけである。
死線をさまよう苦しみを相手に与えようと、
お互い簡単には殺さず、
拷問のような責め苦を味わせるわけだが…。

「拳を交えなければ分かり合えない」、
そんな奇妙な話にも似た展開が繰り返されるが、
落とし所が今日的というか、
みんながこういう心持ちになることができれば、
復讐の連鎖が絶たれ、
世の中平和になるのかもしれないんだろうけどねぇ。
日本と中韓の仲が冷え込んでいる原因も、
この辺にあるわけだが、
互いに許し合う度量の大きさが必要なんだろうね、
ホントのところは。
ただ、アジアって宗教的道徳が未確立な感じがあって、
そういうところに許し合う装置を求められない、
っていう不幸があるのも事実だし…。

途中のグロい描写に目を瞑れば☆1コ増まであるけど、
1対1ゆえに展開が単調なのもねぇ…。
まぁ、考えさせる要素があるっていう意味では、
結構評価できる作品だと思う。

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