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映画 『それでも夜は明ける』(☆☆☆☆)

理不尽な理由で自由を奪われる、
などということが現実に起こり得た時代が、
つい150年ほど前に実際にあったという話。
自由黒人(これに関する説明がないのが残念ではあるが)の
ソロモン(キウェテル・イジョフォー)は、白人二人に拉致され、
南部に売られ、そこで身分を証明できぬまま、
12年近く奴隷労働を強制されてきたのだが、
その中でも彼は愛する妻子と生きて再会するため、
気高く、だがしたたかに行き続けた。
その間に、南部の黒人が直面する現実を目の当たりにし、
最終的に自分だけが助かることに若干の罪悪感すら
覚えていたように思われる。
とはいえ、彼の時代はまだ南北戦争勃発前であり、
自由黒人とはいえ黒人全体の権利関係が、
白人と同様というわけではない時代だったので、
他の黒人まで助けるところまでは、
なかなか手が回らなかったことだろう
(人権活動なんかはしてたみたいだけど)。
当時の黒人奴隷の生活ぶりなどを見る上では、
丁寧に作られた良作と言えるだろう。

翻って現代である。
黒人奴隷が、労働賃金を安く抑えるための方法だったと考えれば、
その考え方自体は現代においても脈々と受け継がれていると言えるだろう。
この20年ほどだけを見ても、
中国から東南アジアへと、
安価な労働力を求める動きはいまだ続いている。
その中で、労働賃金が高止まりしている地域
(アメリカや日本など)は、
高付加価値労働への転換か、
非正規労働者へのシフトでダンピングが行われているのが現状である。
日本は当然後者が多く、
前者にしても労働集積型労働が多いため、
ブラック企業問題の一因となっていると言えるだろう。
また、突出した奴隷に対する白人のイジメを、
自分たちは巻き添えになりたくないからと言って、
見て見ぬ振りをする(やに思われる)シーンなどは、
いじめ問題を想起させるものがある。
我々は自由を手に入れたとは言っても、
その心根まではそう変わってはいないのではないだろうか
(己を省みると、恥じ入るばかりではあるが…)。

ソロモンの解放以降の一連は、見ていて切なくなる。

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