映画 『鉄くず拾いの物語』(☆☆☆)
実際にあった話を、
その事実に共感した監督が本人を俳優に仕立てて
当時の顛末を再現した映画。
しかし、撮って出し感が強い上に展開に抑揚がないので、
良く言えばドキュメンタリー、
悪く言えばバラエティ番組の再現VTRみたいな仕上がり。
とはいえ、当地の医療の現実を
脚色無く描き出しているという意味では、
比較対象として価値のある作品。
日本は、世界でも稀な「国民皆保険」を達成した国。
そんな日本から見れば、
保険証を貸し借りしなければまともな医療を受けられない
当地のような状況は不便極まりないことだろう。
一方で、日本ではそのあまりにも便利な医療システムゆえに、
カゼごときで医者にかかったり
(日本人は心配性だから仕方ない面はあるが…)、
いわゆる「コンビニ診療」の問題、
さらにはタクシー代わりに救急車を使うなど、
モラルを問われかねない状況を見せている。
世界には、電気を止められ、
自分の車を解体してまでも鉄くず屋に売らないと、
まともな医療や薬を手に入れられない国が
少なくないということを、
改めて思い知らせてくれる作品。
初めから、ドキュメンタリーとして撮れば、
コッチだってそれなりに覚悟して観たのに…。
逆に、これから観る、という人には、
「これはドキュメンタリーです」言い置いておきたい。
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