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映画 『60万回のトライ』(☆☆☆☆)

どうも、ラグビーと言えば山下真司版『スクール・ウォーズ』なワシです。
今作は、高校ラグビーを扱ったドキュメンタリー映画です。
と言うのも、今作でフィーチャーするのは、
「大阪朝鮮高級学校」だからであります。
1990年代から朝鮮高級学校に高校スポーツの公式参加が可能になって以降、
今作では2010年の高校ラグビー(通称『花園』)での準決勝進出から話が始まる。
ふだんラグビーを見ないワシにとっては、
それ以降の展開は十分エンタテインメントしてました。
試合ではことごとく惜しいところで星を落とす。
主力選手の脱落。
そこからニュースターの成長と誕生。
キャストさえ揃えられれば、
充分エンタテインメント作品を撮れる要素はあると思うんですが、
日本人でキャストを組むのもなんかおかしい気がするし、
韓国で映画化するのも…。
そう、この点が実は大問題なのである。
冒頭で、ラグビーの国際交流試合の話が出てくる。
在日の選手がオーストラリア人に「ボクはコリアンだ」と言ったところ、
同席していた韓国人に、「いや、それは違う」と言われてしまうのである。
このように、彼ら在日朝鮮人の立ち位置というのは、非常に微妙なのである。
それは、彼ら在日朝鮮人会の支持母体が、
北朝鮮であることも影響しているのではないだろうか
(これに関しては、韓国が手を引いたことも影響しているわけだが)。
修学旅行には北朝鮮に行くし、
文化祭ともなると金日成、金正日の顔写真が掲げられる。
コレでは誤解されるのもいたしかたないし、
この時期はちょうど高校無償化を朝鮮学校に適用しないなど、
北朝鮮に対して風あたりの冷たい時期でもあった。
彼ら生徒には国家の事情は関係ないし、
ラグビー部が主役だけに「ノーサイド」の精神が活かされて欲しいと、
ラグビー部の主将なども発言している。

ただ、ラグビー部監督の「スポーツを通じて社会を変革する」
という言葉にはしびれた。
そもそも彼ら朝鮮学校が高校スポーツに参加できるようになったのは、
日本学校側の関係者の尽力があったからだそうだ。
最近のブラジルのワールドカップ反対デモは、
ついにブラジルも内向き傾向の国になり始めているのかな、
と思わせるものである。
例えばサッカーこそ、世界をつなぐ重要なツールとなりうるだろうし
(オリンピックの参加国より、サッカーワールドカップの参加国数の方が多い)、
黒人も白人も黄色人種も同じ土俵で戦っているではないか。
デモを行っている国民にとっては、自分の生活が大事なのかもしれないが、
こういうことは国家としてカッコ悪いというか、
ラグビー部の監督の考え方の方が壮大だと思うわけだが…。

在日の立ち位置の難しさに思いを致しつつ、
ひたむきに頂点に向けて頑張る彼らの姿には、
称賛を与えずにはいられない。

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