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映画 『チョコレートドーナツ』(☆☆☆☆)

差別の問題というのは、やはり根深いものがある。
同性愛差別の問題などは、
特に欧米ではキリスト教に立脚しているものであるだけに、
被差別者側から見ればかなり厳しい対応を受けざるを得ない。
さらに、そこへダウン症まで絡んでくるのが今作。
ルディ(アラン・カミング)のセリフじゃないけど、
「障害も愛情の無い母親も、彼(ダウン症の子マルコ(アイザック・レイヴァ))が
選んだことじゃない」わけである。
ルディと、同じくゲイである弁護士ポールは、
母親が薬物所持で逮捕、拘留されたこともあって、
暫定的にマルコの親権を獲得し他人同士の生活を始めるのだが、
そこには数々の差別や偏見による障害が立ちはだかり、
懸命の法廷戦の末、破滅的な結末を迎えてしまう。
愛ある他人、あるいは愛ある異常者による保護よりも、
愛なき実母、あるいは愛なき正常者による保護を、
法廷は選択するが、それに被保護者が静かなる反抗を試みるわけである
(それが結局は破滅的な結末の原因となるわけだが)。
過酷ではあるが、少なくとも1970年代はそこまで社会が寛容で、
成熟したものではなかったということだろう。

ただ、この作品舞台設定に問題がある。
もともとこのエピソードは、ブルックリンでの話が元になっているのだが、
今作では時代背景的(1979年)にもゲイコミュニティの盛んだった
カリフォルニアを舞台にしている。
しかし、当時のカリフォルニアでは、
ゲイコミュニティの超有名人ハーヴェイ・ミルクが暗殺された(1978年)ばかり。
この状況で、果たしてこのような過酷な判決が出ただろうか。
それこそ、ゲイコミュニティが大暴動を起こすレベル
(実際、ハーヴェイ・ミルク暗殺犯に対する寛大な判決に暴動が起きてるわけだし)。
まさか、そういう状況を知らずにこの舞台設定にしているとも思えないわけだが…。

そこさえ目をつぶれば、差別とか偏見とか、家族についてとか、
普遍的なテーマを多く含む良作であると思う。

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