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映画 『南部軍~愛と幻想のパルチザン~』(☆☆☆)

 

まず、我々がいかに戦後の朝鮮半島史を知らないか、ということである。
そして、その種をまいたのはもちろん日本なわけだが、
今作では、心ならずも同じ民族同士が敵味方に分かれて戦うことになった
その経緯から、戦争の現実までを、
けっこう長い時間をかけて流しているわけだが…。
主人公であるイ・テ(アン・ソンギ)の手記が元になっているのだが、
映画製作のスタッフによると思われるエピソードの取捨が、
良く言えば概括的、悪く言えばつまみ食い的で、
全体的な掘り下げ方が足りない。
山岳パルチザンの寄せ集めである南部軍の危うい立場みたいなものが、
あまり伝わって来ず
(その辺が思想性の浅薄さを示していると言えなくもないが…)、
ラストにテキストでのみ
「停戦交渉で(彼らパルチザンについて)一言も触れられていない」
とだけ説明されてもたいして伝わってこないのである。
それでいて、イ・テの恋愛ネタなどが散見されたりと、
中途半端にエンタメ路線を狙っているのも、
作品の浅薄さを助長しているように思われる。

ただ、『300〈スリーハンドレッド〉~帝国の進撃~』
とは対照的に、必ずしも共産主義というイデオロギーと
心中するわけではなく、
大事な仲間や家族、あるいは恋人を守りたいとか
(話としてなら『300~』にも出てくるが)、
そういう人間の内側から湧きあがってくる感情や、
そもそも生そのものへの執着といった、
戦争の本質のまた違う側面を見せてくれること、
そして冒頭にも述べたように朝鮮半島の現代史の、
しかも暗部に属する話であるという、
興味深い題材であるということは、評価に値するものであると思う。

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