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映画 『ハンガー』(☆☆)

「問題がない」のと「問題がないことにしている」のでは、
当たり前だが天地ほど違いがある。
尖閣問題にしろ、竹島問題にしろ、
一方は「ない」と言い、もう一方は「無いことにしてるだけだ」
と言い合っている状況になると、
話はさらに複雑になってきてしまう。

今作では、北アイルランド問題の活動家が収容されている刑務所で
実際に起こった話が元になっている。
作中で出されている要求を見る限り、
政治犯は私服で収容されることを許されていたようだが、
1981年の北アイルランドでは、その権利を剥奪したようである
(他にどんな権利が認められていたのかはよくわからないが)。
で、北アイルランド紛争関連で収監された、自称「政治犯」たち
(剥奪された以上はこう呼ぶしか無いわけだが…)は、
その「政治犯」としての尊厳を守るべく、
ブランケット・プロテスト
(囚人服はおろか全裸の状態で汚れた毛布をかぶる)や、
ダーティー・プロテスト
(垂れ流した糞尿を監房の壁や床になすりつける)といった抵抗運動を始めた。
とはいえ、相手は国家権力。
刑務所の看守だけでなく、警察まで動員して彼らを制圧するわけだが、
人権無視も甚だしい暴力に次ぐ暴力。
その苛烈さは、制圧する警察側にも精神的ダメージを与えるほど。
いよいよ追い込まれた自称「政治犯」たちは、
最後の抵抗としてハンガーストライキに突入するわけだが…。

主人公のボビー・サンズ(マイケル・ファスベンダー)は、
ハンガーストライキ中にイギリス下院議員選挙に当選するほどで、
ハンガーストライキ中の彼の様子が
毎日のようにイギリスでは報道されていたそうである。
しかし、作中では議員当選の話もテキストのみで、
報道されていたという話は後で調べてわかったこと。
まぁ、今作自体は全編刑務所内の様子しか撮ってないのだが、
それにしては無駄なカットが散見し、
またセリフも極力そぎ落としているそうで、実際相当わかりにくい。
『それでも夜は明ける』のスティーヴ・マックイーン監督のデビュー作だし、
本人気合を入れて作ったんだろうな、とは思うのだが、
実話ベースにしては芸術志向が強い。
ワシがよく言うように、「奥深い」のと「わかりにくい」のは違うのである。
むしろ、塀の外との関りを盛り込んで、
リアル志向の作品するべき題材だったように思われる。
題材の良さを、撮り方で台無しにしてしまった、惜しい作品。

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