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映画 『ノア 約束の舟』(☆☆☆☆)

家族構成など、いじられている部分は少なくないようだが、
『旧約聖書』の『創世記』にある『ノアの方舟』の一節を、
ある程度忠実に映像化した作品。
普遍的なテーマではあるが、
宗教に対してあまり入れ込んでいない日本人にとっては、
特に神との向き合い方でかなり違いがあり、
理解し難い面も少なくないことも確かではある。
しかし、そこはアメリカ映画。
世界中にこれを発信する上で、アメリカ映画お得意の「家族の映画」
というテーマに落とし込んでいる。
産経新聞のレビューなどでは、その点をして
「さすがにそれはどうだろう」的なことを書いていたが、
ならば我々日本人は家族を何であると心得ているのだろうか。
もともと家族とは、他人同士から始まるわけで、
血縁を超えた、例えば「愛」といったもので結びつくものである
(やがて血縁に回帰して行ったりもするわけだが)。
天皇継承問題でも、やたらと血縁の、
しかも連続性にこだわるのが日本人なわけだが、
何事かを成すために結びついたものなら、
別に血縁なんか関係ないわけで(例:『ワンピース』)、
今作でもノア(ラッセル・クロウ)と妻ナーマ(ジェニファー・コネリー)の
馴れ初めなんか一切描かず、いきなり3人の子持ちからスタート。
そして、ある晩天命を受け、方舟造りに着手する。
彼の覚悟は計り知れない。
なぜなら、自分たち家族ですらも、
滅ぼされる対象とみなしているのだから。
それでも彼は、天命に従順で、
ひたすら穢れなき動物たちを救うための舟作りに勤しむ。
息子の「オレ、嫁さん欲しいよ」という言葉にも、
もちろん耳を貸さない。
それで反抗期になっても意に介さない。
ただただ彼は、天命のためのみに生きるのである。
それはあたかも、高度成長期の、家庭を省みないお父さんのように…。
でも、彼は決して家族を愛していないわけではない。
家族を、舟を奪おうとするカインの血族から、必死で守ろうとするし、
家族だけは舟に乗せているわけでもあるし…。

クライマックスでノアは、
天命と人間としての愛の狭間で懊悩するわけだが、
それ以降の話はまさに家族の再生
(完全に再生するわけではないが)を描いている。
一気に、物語の壮大さ失われるわけであるが、
好意的に捉えれば我々レベルに降りてきたと捉えることもできる。
使命(仕事と置き換えても良いだろう)と家族は、
人生の両輪といっても良いだろう
(独身者のワシが言えた義理ではないが…)。
『旧約聖書』のような宗教倫理のないこの国では、
やれ「生む機械」だの、
「生めや殖やせや」だの(最近コレが復活しかかってるのがまたなぁ…)、
愛だの人権だのを無視するお偉いさんが少なくないわけで、
ワシ自身これを機会に聖書読んでみたいな、みたいに思ってみたり、
西洋人と渡り合って行くための一助になるんじゃないの、
的な意味では相当興味深い作品だと、ワシは思うのだが…。

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