映画 『ヴィオレッタ』(☆☆)
今作の監督の実体験が元になっている映画。
しかも、この件について監督さんは自分の実母を訴えたというぐらいだから、
当時への思いは相当なものがあるのだろう。
母親の職業は写真家。
娘は5歳の時から母親の被写体になっており、
年を追うごとにその内容は前衛的(要するに過激)になって行く。
はじめは、母親と一緒にいられてよかったのだろうが、
いくら送り手側が「コレは芸術」と言っても、
世間一般はそれをポルノ(今風に言えば児ポ)と呼んでしまっている。
そうなると学生である娘は、学校という閉じた社会の中で
「ヌードモデル」と揶揄されることになるわけで、
彼女にとっては相当な苦痛であったに違いないだろう。
そりゃ、親のこと訴えるわ…。
また、「児ポ」と書いたように、今作の年齢レーティングについて、
カンヌでももめたというぐらいの問題作でもある。
しかし、映画の内容となるとねぇ…。
確かに、娘を演じたアナマリア・ヴァルトロメイ(10歳!)の演技は
実に妖艶で、思わず男の部分が奮い立つほどである。
そしてそんな彼女を偏執的なまでに商品化する母親。
映画はその二人の悪趣味な狂宴がひたすら続き、
挙げ句の果てにあの「芸術的」なラストシーンである。
ワシなんか、最後はポカーン状態でした。
「そんな中途半端な終わり方するんかい」と。
あのオチでかなり台無しになった感のある作品。
まぁ、監督さん自身、まだ心の整理がついてないのかもしれないけど、
今後も監督業をやって行こうと思うなら
もう少しエンディングの落とし所は考えて作った方がいいと思うんだが…。
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