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映画 『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(☆☆☆)

これ、面白そうなゲームだよねぇ、っていうのが、
観終わってまず最初の感想。
もともと原作者が「ゲームが上手くなって行く過程を小説にした」
みたいなことを言ってたように記憶してるのですが、
その辺が鑑賞に影響してるのかもしれません。
で、元『ゲームセンターCX』ウォッチャーとしては、
トム・クルーズがだんだん有野課長に見えてきてしまい、
リタ(エミリー・ブラント)に「リセット」と言われるたびに、
「あかん、またGAMEOVER(ガメオベラ)やぁ…」が脳内再生されるありさま。

ただ、純粋に映画として見た場合、
同じ時間をループしてるという特性を考えれば致し方ないこととはいえ、
ご都合な展開が散見してしまう。
展開自体はスピーディーで面白いのだが、
すごく面白いとまでは言えないわけで…。

と言うところまではあくまでもお手軽なレビュー。
以下、今作の裏事情的なもの込みの考察。
まずは、ワシが読んだコミック版。
実際、映画版は原作に相当な手を入れて作っており
(部隊がヨーロッパだったり、構図がほぼまんまWWⅡだったり…)、
その分コミック版に比べて深みのある話に仕上がっている。
アレを観てしまうと、正直コミック版が薄っぺらい話のように思われてしまう
(小説版ではもっと掘り下げていると信じたいが…)。
アメリカでは、アメコミの映画化が何度となく繰り返されている。
それは、作者のにより解釈に幅があることを認めているからである
(版権の管理を作者ではなく出版社が一手に行っているため)。
その辺りの裁量権の広さを、今作でも存分に発揮したのが、
今作の出来に現れているのではないかと思われる。
翻って日本である。
日本では、大多数のアニメの実写化は成功していない
(じゃあ成功作があるのかと言われると困るのだが…)。
それは、実は作者よりも観客の方にむしろ問題があるように思われる。
つまり、我々観客がそもそも裁量権をほぼ認めておらず、
より原作に近いものを要求するきらいがあるからであると思われるのだ
(そう考えると、ハリウッド版『ドラゴンボール』が失敗したのもうなずけるわけだが…)。
特に、日本のアニメやマンガは、キャラクターの味付けが強く、
俳優にそれを受け止める力量が不足してると考えることもできる。
そういう意味では、我々は裁量権をもう少し認めて、
現実世界とのすり合わせをやっていくのが成功への近道ではないか、
と思われるのだが、
その辺りのうまさはやはりハリウッドの方により強く感じられてしまうのだ
(新ハリウッド版『ゴジラ』とか…)。
だから、単に愛のない作品になってしまうんだろうね、きっと…。

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