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映画 『パークランド―ケネディ暗殺、真実の4日間』(☆☆☆)

ケネディ暗殺に関わった人たちの、
暗殺から4日間ほどの顛末を描く今作。
と言っても、ケネディ暗殺に関しては、
2039年まで証拠物件が厳しく管理されている以上、
それほど目新しいものが出てくるはずもなく、
しかも今作ではわりと多面的な視点で捉えているため、
全体的に掘り下げ方が浅い。

とはいえ、個々のエピソードは興味を引くものがあり、
ワシ的には特にオズワルド一家の立ち回りが興味深かった。
多くを語らないオズワルド本人。
虚言癖なのか、それとも息子を守るためなのか、
「息子はスパイだった」と証言する母親。
それらの間に立つ常識人の兄。
そんな中、オズワルドもまた暗殺される。
大統領殺しの犯人(と当時された)オズワルドの葬儀を、
ダラス近郊では誰も行なってくれず、
埋葬の手伝いをしてくれるものすらいない。
そして、その様子を遠巻きに撮影するマスゴミども。
兄は、「このままじゃあどうにもならないから埋葬を手伝ってくれ」と、
マスコミに頼み込み、埋葬はようやく済ますことができた。

そう、「マスゴミ」どもである。
暗殺の様子を8ミリで撮影していた人のところに、
まずシークレットサービスが訪れる。
「国家安全保障のため、フィルムを渡して欲しい」
まぁ、彼らからすれば至極真っ当な申し出だろう。
また、こちらのお偉いさんも、
「このフィルムは、撮影したあなたの権利下にある」
とも言っており、その辺に心打たれたのか、
律儀にもFBIとシークレットサービス用にコピーを用意し、
FBIには自ら届け、シークレットサービスには試写した上で渡している。
しかしマスゴミときたら、その間にも夜討ち朝駆けで電話を鳴らし続け、
「抜け駆けで契約されるのは困る」と詰め寄る有様。
その辺の事情は、どこも変わらないみたいね、実際…。

さらに、シークレットサービスとFBIと地元の警察との醜い綱引き。
互いに捜査情報を開示してないもんだから、警備も不十分になり、
それでケネディもオズワルドも結果的に死んでしまうわけである。
そして、政府が今やその証拠の全てを管理しているという状態なのである。
公開が決まっているだけマシと言えなくもないが、
期間も不自然であり、政府が決定的な秘密を握っていると勘ぐられても仕方ない。

ワシ的には、オズワルド一家に焦点を当てて作ってみてもらいたかったが、
原作がもともとそういう性質の作品ではないし、
あの事件を少し違う目線で見る、という意味ではアリだと思う。

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