映画 『観相師-かんそうし-』(☆☆☆)
いくら正しい助言をしたからと言って、
それを受け手が素直に受け止めるとは限らない。
まして、それが占いの類に基づくものならば…。
今作の主人公キム・ネギョン(ソン・ガンホ)は、
正確な観相眼を持ち、殺人犯を見抜くほど。
田舎に隠棲していたが、その噂は都にまで既に知れており、
彼の観相眼は都で大いに振るわれることになるのだが…。
ラストでネギョン自身が言うように、
個々の事象(彼の場合観相)だけを追いかけていても、
本当に待ち受けている運命というものを見抜くことは容易ではない
(ネギョンの場合、運命をねじ曲げる源が
実は義弟(チョ・ジンソク)だったというのが、最大の誤算とも言えるが…)。
観相などという生臭い仕事をしている父を毛嫌いしていた
ネギョンの息子(イ・ジョンソク)も、
父の観相に基づく助言を素直に聞けていたら、
あんな惨たらしい運命を辿らずに済んだかもしれないが、
やはりネギョンが観相のみで助言してしまい、
息子の心根を慮ることをしなかったから、
ああいう運命を辿ってしまうのである。
朝鮮王朝で実際にあった政争が元になってはいるが、
内容はわりと普遍的な話で興味深い。
ただし、やや話が長く、中だるみしてしまうのが、
映画としてはイマイチな点ではある。
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